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コルキットスピカでの月面X撮影報告がありました

[お知らせ] スケジュール:2020/02/02
更新日:2020/02/03

口径4㎝のアクロマートレンズを使用したコルキットスピカは自作用天体望遠鏡キットとして有名です。天体望遠鏡博物館でも「天体望遠鏡(鏡筒)工作教室」の教材として利用しています。鏡筒の筒が紙筒ですので外見はおもちゃぽく見えることもありますが、キチンと組み立てたときの光学的性能はマニアを納得させます。また天体望遠鏡の価格相場を知っている者からするとそのコストパフォーマンスには驚嘆してしまいます。

このコルキットスピカでの月面撮影はときどき見かけますが、今回2月1日の月面Xをコルキットスピカ+スマートフォン、コルキットスピカ+コンパクトデジカメの組み合わせで撮影した報告が天体望遠鏡博物館会員のM氏(広島県)よりありました。

IMG_1855①コルキットスピカとスマートフォンの組み合わせでの月面X撮影
撮影日時:2020年2月1日20:00
天体望遠鏡:コルキットスピカ(D=40,f=420,アイピースK-12)
カメラ:iPhone7(焦点距離4mm)プログラムオート撮影

IMG_1854

②上記①の写真を拡大トリミング 月面Xが写っているのがわかります。(月面縁が青く見えるのはアクロマートレンズを使用している屈折望遠鏡の特徴で色収差と呼ばれています)

DSC_0325

スマートフォンで撮影するためには望遠鏡とスマートフォンの光軸を合わせるアダプターが必要です。コルキットスピカはたいへん軽量なので、スマートホンを直接つけるとバランスが崩れてしまいます。そこでコルキットスピカ本体に荷重がかからないようにこのような工夫がなされました。
(オリジナルのコルキットスピカの鏡筒色は白ですが、本機はM氏によってデコレーションシートが張られています)
アダプターの自作にはいろいろな方法があります。これは一例です。いろいろ工作してみましょう。

DSC_6854_00001_01③コルキットスピカとミラーレスデジカメの組み合わせでの月面X撮影

撮影日時:2020年2月1日20:02
天体望遠鏡:コルキットスピカ(D=40,f=420,アイピースK-12)
カメラ:NIKON 1 J5 レンズ1NIKKOR18.5mmf/1.8
ISO400、絞り値f/2.2、シャッタースピード1/3秒
月面Xがはっきりと写るようにするため露出オーバー気味に撮影しています

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ミラーレスデジカメはスマートフォンよりも重いですから、軽量なコルキットスピカに荷重がかかるような直接取り付はできません。そこでこのような工夫がなされました。無駄のないシンプルな構成です。アダプターの自作にはいろいろな方法があります。これは一例です。いろいろ工作してみましょう。

月面Xの現象について

月面にはクレーター、山脈、谷、海と呼ばれる平地など多様な地形を見ることができます。また三日月、上弦の月、満月、下弦の月など太陽からの光の当たり方で肉眼で簡単にわかるほど見える形が変化します。
天体望遠鏡で月面を見ると大きなクレーターはもちろん、小さなクレーターもたくさん見ることができます。また山脈、谷などの地形も見えますが、注意深く見るとそれらの影も見られることに気付きます。半月の「上弦の月」の頃。太陽光の当たる角度などの影響で、アルファベットのXに見えるような地形があります。これはブランキヌス、プールバッハ、ラカーユの3つのクレーターの外壁が夜明けを迎えるとき周囲はまだ太陽光に照らされていないのですが、クレーター外壁の高いところだけが太陽光に照らされてエックスの文字のように見えているのです。
(高度の高い富士山頂上は地面よりも先に日の出を迎えますね。これと同じように月面でも夜明けのときは高い山から照らされていきます。クレーターの底にまだ太陽光が届いていないときでも、クレーター外壁の高い部分は太陽光に照らされます。もしあなたが月面Xの場所に立っていたら荘厳な日の出を見ることができるでしょう。*月面には空気がないので太陽光は強烈です。サングラスをお忘れなく)

毎月、上弦の月は見られますが、毎回月面Xが発生するわけではありません。条件が整うのは年に数回です。そのうちのひとつが、2020年2月1日でした。

2020年2月1日 月面エックスの撮影報告

 

 

 

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