香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
[イベント] スケジュール:2026/06/13
更新日:2026/05/30

2026年6月13日(土)夜間天体観望会のご案内です。
【日時】
2026年6月13日(土)
18時50分~:受付
19時20分:オリエンテーション開始
19時30分:天体観望&エアドームプラネタリウム投映開始
*数多くの天体望遠鏡で星空を楽しんだり、プラネタリウム投影を楽しんだりします*
21時00分:終了予定
エアードームプラネタリウム投影について
生解説で当日の星空などを紹介するプラネタリウム投映を行います。
観望会時間中に3回投映し希望者はいずれかの回にてご覧頂けます。
(1回30人×3回投映します)

「観望会前に食事ができるところがありませんか」という問い合わせをいただくことがよくあります。天体望遠鏡博物館と同敷地内の「農家レストラン」で「うどん」「そば」「丼」「フランクフルト」「ぜんざい」をお楽しみ下さい。営業時間:午後4時から7時まで



①大小様々な天体望遠鏡を使って天体を楽しめる。
天文台に設置していた大型望遠鏡、天文マニア垂涎の高性能望遠鏡や昔欲しかった懐かしい天体望遠鏡、初心者に人気のある小型望遠鏡、電子観望用のデジタル天体望遠鏡、星空を見るのに適した双眼鏡まで、各種の天体機材が豊富に揃っています。
②星空がきれい。
天体望遠鏡博物館がある「さぬき市多和地区」は山に囲まれています。市街地の光害の影響が少なく、晴れていれば「天の川」が肉眼で見えます。
③曇ったときでも博物館なので楽しめる。
昼間とは雰囲気が違う「館内ナイトツアー」、夜だからできる「望遠鏡などを使った実験」、「望遠鏡操作体験」天文ボランティアスタッフの楽しいお話などが行えます。
天体観望会の楽しみ方
天体望遠鏡博物館の天体観望会に参加される方の理由はさまざま。
参加者のニーズにできるだけ応えることが出来るように、観望会当日のお昼からボランティアスタッフが各種の望遠鏡を準備したり、役割分担したチーム編成をしています。
オリエンテーションのときに当日の「楽しみ方」をスタッフが説明しますので、お役立て下さい。
・天の川を見たい!いっぱいの星を見たい!
・星座を教えてもらいたい!
・家族で星と望遠鏡を楽しみたい!
・とにかく天体望遠鏡で星を見てみたい!
・量販店などにおいてあるような小型天体望遠鏡を実際に覗いてみたい!
・自分で操作してみたい!
・大型の天体望遠鏡で星を見たい!
・昔欲しかった天体望遠鏡を使ってみたい!
・月のクレーターをスマートホンで写したい(月が出ているとき)
・星をスケッチしてみたい
【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集数・定員】80名
【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。
別プログラムの例
・館内ナイトツアー
・望遠鏡を使った実験やお話など
【参加方法】ネット予約で募集致します。
6月13日開催予定の天体観望会にて,ぜひ楽しんでいただきたいオススメの天体を紹介します。
☆今回の天体観望会での観察オススメ天体リスト☆
星座:しし座,うしかい座,おとめ座,おおぐま座
一等星:レグルス,アークトゥルス,スピカ
星の並び:北斗七星,春の大曲線,春の大三角
星雲:おおぐま座の系外星雲(M51)
星団:ヘルクレス座の球状星団(M13),かみのけ座の散開星団(Mel111)
二重星:ミザール,プルケリマ,ポリマ,アルギエバ
夏至が6月21日と,目前に迫っている当夜の日没は19時14分とかなり遅く,観望会が始まってもしばらくは,まだ空に明るさが残っている状況だと考えます。このように,太陽が沈んでからもしばらく空が明るさを保っている状況を薄明(はくめい)といいます。薄明の終了が近づくとともに空はだんだん暗くなっていくのですが,夏至に近い頃は,空が十分に暗くなるのがかなり遅くなります。
こんな夜は,星座や明るい目の星から観察を始めるのが得策です。
では,夜空全体を眺めていきましょう。
この円形の星図は,観望会当夜午後8時30分頃の星空を表しています。方位を記入してありますが,その方位を下にすると星座早見盤のように扱うことができます。
(注)一等星を紫色の文字で表示していますが,北極星,ふたご座のカストルは一等星ではありません。
春の星空には一等星が3つあります。
しし座のレグルス,おとめ座のスピカ,そして,うしかい座のアークトゥルスの3つです。これらの一等星をまず見つけておいて,それから近くの暗い星を探していくと,星座の形なども見つけやすくなるのではと考えます。
この,しし座やおとめ座は星占いにも出てくるので,名前は耳にしたことがあるかと思います。ここでは,おそらく一番知られていないと思われるうしかい座について,少し触れておきましょう。
うしかい座の一等星であるアークトゥルスは,『熊の番人』という意味で,星座絵図には2匹の猟犬を引き連れた男の人が描かれています。確かに,北斗七星(おおぐま座)から連なるような位置にあるので,熊を追いかけるようにも捉えることはできそうです。
それなのに,牛飼いというのは変ですよね。うしかい座のラテン語名はBootes。この単語の意味は明確ではないのですが,”大声で叫ぶ者”という意味があるのではといわれています。猟犬を連れて,大声を出しながら熊を追いかけているのでしょうか。やっぱり牛飼いには結びつきません。実際に神話の中でも,うしかい座の正体ははっきりしていません。出所の不明瞭な不思議な星座ではありそうです。
うしかい座は,引き出物に付いている”熨斗(のし)”の形に似た星座です。アークトゥルスを見つけることができれば,その「熨斗」の形も追うことができるのではと思います。ぜひ一度,うしかい座を探してみてください。
そして,北の空に目を向けると,北極星を探すときに利用されることで有名な北斗七星が見えています。この北斗七星の柄の部分をひしゃくの部分とは反対方向に伸ばしていくと,うしかい座のアークトゥルスがあります。そのアークトゥルスをさらに南へ伸ばすとおとめ座のスピカがあります。この北斗七星の柄の部分から,アークトゥルス,スピカと結んでできる曲線が春の大曲線(上の円形星図参照)です。
こういった星々を結んでできる形や星座の観察には,天体望遠鏡は必要ありません。望遠鏡の近くで列を作って待つ間,いろいろな星の並びや形を見つけて楽しんでみてください。
それから,アークトゥルスとスピカ,そしてしし座のデネボラという,ライオンのお尻にあたる2等星の3つ星を結んでできる三角形を春の大三角と呼びます。春の大曲線ほど有名ではないかもしれませんが,この三角は正三角形に近くて,わかりやすい感じです。
星空をおおまかに見回したところで,続いては見頃となっている天体を個々に紹介することにしましょう。
冒頭に述べたとおり,この夜は観望会の終盤まで,空の明るさがいくらか残っています。そんな中,空がまだ暗くなりきっていなくても観察できる天体があります。まずは,そんな天体から紹介していきましょう。
明るさの残る夜空の中で観察できる天体,その一つが散開星団です。散開星団とは,数多くの恒星が集まって集団になっているように見える天体です。まず,ここで紹介しておきたい一つは,かみのけ座(えっ,そんな星座あるの!?という声が聞こえてきそうですが)にある散開星団Mel.111(メロッテ111)。場所は,ししのしっぽの左上(北東)。地球からは260光年ほどの比較的近くにある星団です。大きな星団なので,低倍率の方が星団の全体像を楽しむことができます。すなわち,低倍率を出しやすい小型の望遠鏡での観察がオススメということになります。
ちなみに,Mel.111星団が大きく,ボンヤリと見える星団として,かみのけ座の多くの部分を占めているせいか,ボンヤリ=かみのけ,かみのけ座=Mel.111散開星団みたいに捉えられることもあるようです。
さて,かみのけ座ってあまり耳にすることのない星座でしょうか。中には不気味さを感じる人もいるかもしれませんね。妙な誤解が生じないよう,簡単にかみのけ座の神話を紹介しておきますね。
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かみのけ座は,元々は『ベレニケのかみのけ座』と呼ばれていました。
神話に出てくるかみのけ座は,琥珀色の美しい髪の毛をもつ,王妃ベレニケがモデルになっていると言われています。ベレニケはエジプトのエウエルゲテス(プトレマイオス3世)の妃。
この頃,エジプトは長い間アッシリアと戦争をしていました。戦に出て行った夫を,妻のベレニケはとても心配しますが,自分にはどうすることもできません。そこで,ベレニケは女神アフロディーテ(ビーナス)の神殿へ赴き,夫の無事を祈ります。そして,『もし夫が無事に帰ってくることができたら,私の髪を神殿に捧げます』という誓いを立てます。
ベレニケの祈りが通じたのか,エウエルゲテスは戦いに勝利することができました。
この知らせを聞いてベレニケはとても喜び,すぐに神殿へ出かけて,美しい長い髪の毛を切り落とし,誓ったとおりにアフロディーテへ捧げたのです。
その後,勝利した夫は凱旋帰国。ベレニケの元にかけつけると,彼女の美しかった髪の毛が切り落とされていることに驚きます。エウエルゲテスはベレニケに理由を尋ねますが,自分の無事を祈って髪を捧げたことを聞くと,王妃の深い愛情に改めて感動するしかありませんでした。
それからエウエルゲテスはベレニケと一緒に,感謝の気持ちを伝えるためアフロディーテの神殿へと向かいます。ところが,神殿に献上したはずのベレニケの髪の毛はどこにも見当たりません。
その夜のことです。天文学者コノンが星々を観測していると,天頂近くにある星がたいへん明るく輝いていることを発見します。この報告を聞いたエウエルゲテスは,女神アフロディーテがベレニケの愛情を称えて,その美しい髪の毛を天に上げてくれたことを知ったと伝えられています。
いかがでしょうか。髪の毛ということから,怪奇な展開の物語を想像した方もいるかもしれませんが,ギリシャ神話の中では,美談ともいえるストーリーとなっているようです。
散開星団の他にも球状星団(多くの恒星がお互いの重力で球形に集まった天体)も,背景の明るさに比較的強い天体です。
ヘラクレス座にあるM13はその代表格。高倍率で覗くと,星々がブツブツした感じに分離して見えて,星が密集してるイメージです。星団内の恒星の数は50万個以上といわれています。距離は25,000光年。
球状星団は,たくさんの光を集めて,細かい部分まで分解して観察することができる大口径の望遠鏡で観察するのがオススメです。大きな望遠鏡で見るM13は,ツブツブな感じに見えてきて見事なものです。
そして,真っ暗な空でなくてもしっかり見える天体をもう一つ。それは二重星。二重星というのは,2つ以上の恒星が接近して見える星をいいます。肉眼ではひとつの星にしか見えない星であっても,天体望遠鏡を使って観察すると2つの星に分かれて見えたりします。
二重星のうち,実際にお互いが重力で引き合って周り合っている二重星を『連星(れんせい)』,偶然に同じ方向に接近して見えているものを『(見かけの)重星』と区別して記されます。
二重星によっては,色の組み合わせがとても美しいものがあり,単に”2つの接近した星”ということ以上の楽しみ方があります。春の星空には,見応えのある二重星が数多くあるんです。
その二重星の中でも,春を代表的な二重星として一番にオススメなのが,うしかい座のε星。正式名はイザールですが、別名のプルケリマ と呼ばれることの方が多いようです。プルケリマとは,ラテン語で『最も美しいもの』という意味があります。実際に全天一の美しい二重星だという人も多いようです。
黄色っぽい主星に青みがかった伴星(二重星の暗い方の星)の組み合わせは,本当に美しく感じます。かなり接近した二重星なので,高倍率にて観察しないと2つの恒星には見分けにくいかもしれません。この2星は,およそ1000年周期で公転し合っているといわれています。
※下のイラストは,プルケリマのスケッチです。
それから,おとめ座のγ星。この星はポリマといい,とても美しい二重星です。
ポリマの一番の特徴は,ほぼ同じ明るさの恒星がピッタリくっつくように並んで見えているところ。168年の周期でお互いの星が公転しています。色は,両方とも白色に見えますが,よく観察すると一方は若干黄色味がかかっているようにも感じます。
※下のイラストは,ポリマのスケッチです。
続いて,しし座のアルギエバという二重星も見応えがあります。
アルギエバは,黄色味の濃い星と黄色の星の組合せ。どちらも黄色系のペアで,お互いが510年ほどで公転し合っています。『北天一美しい二重星』といわれることもあります。『最も美しい』といわれる,うしかい座のプルケリマと,どちらが印象的か?ぜひ見比べてみてください。
けっこういろいろな二重星がありますね。そうなんです,春は見て楽しめる二重星がたくさん。見ないままに帰ってしまう理由はありませんよ。
※下のイラストは,アルギエバのスケッチです。
春の有名な二重星を3つ紹介しましたが,色の組合せはさておき,接近具合については,
プルケリマ<ポリマ<アルギエバ の順に接近しています。
二重星には個性があり,色も離れ具合も違います。それぞれの組み合わせの妙をぜひ味わってみてください。これらの二重星は,かなり接近しているため,いずれも大き目の望遠鏡で高倍率を使って観察するのがオススメです。
なお,この3つの二重星の位置は下図のとおりです。
それからもう一つ,北斗七星の柄の方から2番目にミザールという名の星があります。こちらは,肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星です。
ミザールは,昔,アラビアでは兵隊の視力検査に利用されていたそうです。明るい方の星はミザール,暗い方の星はアルコルといいます。ミザールは2等星,アルコルは4等星。望遠鏡を使わずに観察可能な二重星ミザール,2つの星に分離できるかどうか,ぜひご自分の目で挑戦してみてください。上記の3つの二重星と違って,こちらは肉眼で楽しめる(可能性のある)二重星なんですね。
このミザールとアルコルの2星は,実際には4光年ほど離れています。それだけ離れていると,この2星は見かけの二重星である可能性が高いのですが,お互いの重力を及ぼし合い周回し合ってる連星の可能性も捨てられていません。
このミザールの方を望遠鏡の倍率を上げて観察してみると,ミザール自体も2つの星に見えてきます。この2つの星は,それぞれミザールAとミザールBと呼ばれている連星です。
ところが,このミザールAという星が実は連星であることがわかっています。この連星は大きな望遠鏡を使っても見ることはできません。こういう光学的に観察できない二重星を分光連星といいます。驚きはもう一つあります。ミザールBの方も分光連星。すなわち,ミザールは4重連星ということになるんです。
驚きはまだ続きます。このアルコルの方も実は分光連星。ミザールとアルコルが,もし連星だとしたら,6個の恒星が回り合っている連星系となります。
さて,春の星空の特長としては,遠い宇宙が見える『宇宙ののぞき窓』と呼ばれている領域があるということがあります。当夜,見え味はあまり良くないかもしれませんが,せっかくなので,その遠い遠い天体を一つ紹介しておきましょう。
この遠い天体というのは,太陽系のある天の川銀河(銀河系)の外にある銀河ということで系外星雲 (けいがいせいうん)と呼ばれています。ここでは,おおぐま座のM51を当夜の代表選手として紹介しておきましょう。
M51は,大小2つの銀河がつながっているため,子持ち銀河とも呼ばれることもあります。
写真に写すと,M51の渦巻きの1本の腕の先に,もう一つの小さな銀河(NGC5195)がつながっているような姿がわかります。天体望遠鏡ではそこまで明瞭に見ることは困難です。こうした系外星雲は,できるだけ大きな望遠鏡で観察してみてください。大小2つの雲のようなボンヤリが並んで見えたらバッチリです。
ここまで,いくつか見どころとなる天体を紹介しましたが,他にも数多くの『見ておもしろい天体』がいくつかあります。ここに記しているもの以外の天体についても,博物館の担当者が望遠鏡を使って導入,紹介してくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体がどんな天体であるかを知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
また,大きな望遠鏡と小さな望遠鏡とでは見え方がかなり違ったりします。レンズを使った屈折望遠鏡と鏡を使った反射望遠鏡とでも,見え方に違いがある場合があります。倍率の違いによる見え方の違いもあります。同じ天体でも,いろいろな望遠鏡,いろいろな倍率で観察して,見え方の違いを味わってみるのもおもしろいのではと思います。
それでは,観望会でお会いできるのを楽しみにしています。
※HP中の円形星図,説明図はAdobe Illustratorで作成しています。
天体画像は,博物館会員が小型の天体望遠鏡で撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときに見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
<注>
天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体には,個々にメシエを意味する『M』が付く個別番号が振られていて,一覧化され観測に活用されています。また,Melが付く天体は,イギリスの天文学者フィリベール・ジャック・メロッテにより,メロッテカタログとしてまとめられている星団です。