香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
[天文現象] スケジュール:2025/12/14
更新日:2025/12/14
毎年12月15日頃を中心に流れ星を多く見ることができます。ふたご座の方向から流れ星が出ているように見えるため、ふたご座流星群と呼ばれています。今年は月明かりの影響が少ないので、晴れればたくさんの流れ星が観察できると思います。
お勧めは12月14日夜から15日明け方にかけてです。空の暗い場所で観察した場合、14日21時頃には1時間あたり30個の流星が見えることが予想されます。ふたご座が真上に見えてくる14日23時から15日2時頃にかけては、1時間あたり50個程度と多くの流星が見えることが期待されます。その後は細い月が昇ってきますが、明け方にかけて1時間あたり35個から45個程度の流星が予想されます。市街地の明るい空でも明るい流れ星は見えますから一時間に数個は観察することができると思われます。
流れ星は、放射点といわれる場所から放射状に出現します。この放射点がふたご座にあることから、ふたご座流星群と呼ばれています。
ただ、流れ星は放射点近くに多く流れるわけではなく、全天360度ほぼ同じ確率で出現します。また、放射点に遠いものほど、長い軌跡の流れ星になることが多いので、必ずしも放射点を観察する必要はありません。空が開けていて、街灯などの明るい光が視界に入らないところを、ゆったり気長に眺めていると良いでしょう。
レジャーシートやキャプ用の椅子を使って観察すると楽な姿勢で観察できて、視線も動きにくいため、流れ星を見逃すことが少なくなるかもしれません。ただ、とても寒い時期なので、防寒対策は万全にしてください。どんなに美しい星空も寒さを感じてしまうと台無しになります。どうせ、暗くて誰にも見えませんので、なりふり構わず、温かくするのがコツです。
*図は国立天文台ホームページから引用*

*図は国立天文台ホームページから引用*
夜空を見ていると時折、流れ星が現れます。ほとんど見えないような暗いものから、ハッとするほど明るいものまで様々です。天体観望会時に流れ星が流れるとその美しさに歓声があがりることもしばしばです。何か幸運に恵まれるような気分にさえなります。
流れ星の正体ですが、もちろん「星」ではありません。主に太陽系の遙か彼方から地球軌道近くまでやってきた「彗星」から放出されたチリが正体です。
あれほど明るく輝くこともあるのにその大きさはわずか直径1ミリメートルから数センチメートル程度だといわれています。チリの粒が地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突し、高温になってチリが気化する一方で、大気や気化したチリの成分が光を放つ現象だそうです。
ふたご座流星群のもとになっている天体は、小惑星 Phaethon(フェートン、又はファエトンとも呼ばれる)だと言われています。流れ星の正体は主に太陽系の遙か彼方から地球軌道近くまでやってきた「彗星」から放出されたチリだと「*流れ星の正体」の欄で説明しました。
フェートンは現在でも太陽に近づいたときに少量のチリを放出しており、過去には大量のダストを放出していたと推定されています。このようなことから彗星と小惑星の中間的な特徴を持つ変わり者の天体である可能性が高いといわれています。とても興味深い天体なのです。そのためJAXAと千葉工業大学 惑星探査研究センター、名古屋大学 熱制御工学研究グループなど多くの科学グループが参加したフェートンのフライバイ探査が計画されています。この探査はDESTINY+(デスティニー・プラス)と名付けられたプロジェクトです。
DESTINY+(デスティニー・プラス)に関する詳しい説明はこちらをご覧下さい
https://destiny.isas.jaxa.jp/
天体望遠鏡博物館は2021年10月4日未明に小惑星Phaethon(ふたご座流星群の母天体候補)による掩蔽観測に協力致しました。この様子は2021年10月22日のお知らせ「JAXAの小惑星探査計画のための恒星食観測に成功しました」に掲載していますのでご覧下さい。
この掩蔽観測に対して小惑星探査計画DESTINY+プロジェクトチームから感謝状を受け取りました。

撮影日時:2023年12月14日0時10分頃
撮影地:山梨県南都留郡 山中湖パノラマ台
撮影機材:canon EOS60D トキナーフィッシュ10-17㎜ ワイド側で撮影 絞り開放3.5 露出10秒 ISO3200
撮影者:天体望遠鏡博物館ボランティアスタッフ TH氏
撮影者コメント:ふたご座流星群狙いで山中湖に行ってきました。出現時刻ころは晴れたり曇ったりで カメラのセッティング中にも目視でたくさん流れていました。(5分に1個程度)気温0℃

撮影者:天体望遠鏡博物館会員F氏
撮影日時:2021年12月15日03時20分~05時06分
撮影地:香川県高松市
撮影機材:カメラ・ニコンD810A レンズ・タムロンSP15~30㎜→15㎜F4
撮影データ:露出10秒 13枚合成 ISO6400
撮影者コメント:12月14日夜から15日未明は、晴れとの天気予報でしたのでふたご座流星群の撮影にトライしました。13個捉えられたので報告します。
月没から薄明開始までの撮影計画でしたが、少し寝坊したのと雲の来襲のため、実際の撮影時間は100分間くらいになりました。600枚あまりのカットの中から流星を探し出して合成しています。赤道儀を使用して追尾撮影し比較明合成した方が良かったのですが、タイムラプス動画の材料にもしたかったので、固定撮影にしました。皆さんは何個見られましたか?

観察条件に恵まれた2018年12月のふたご座流星群 (北海道日高町で撮影)