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新年、初日の出。その前に初、春の星座と初、夏の星座も。

[天文現象] スケジュール:2020/01/01
更新日:2019/12/27

stellarium-063_2香川県の星空 1/1日、午前6:30分頃

元旦のお楽しみ、初日の出、詣での場所はもうお決まりでしょうか。人気の日の出スポットに行くも良し、自分だけの秘密の場所に行くのも良いものです。もちろん、自宅のお庭やベランダから眺める初日も、また、これも良いものです。
さて、初日の出を見るために、せっかく早起きするのですから、この際ついでに1時間ほど早起きをしてみませんか。初日の出の前、初星空観察で、初、春の星座と初、夏の星座を見ることができます。これらの星座を探しているうち、東の空が、色づき始め、刻々と変わる美しい新年の夜明けと、ドラマチックに初日の出を迎えることができるかもしれません。
元旦の夜明け前の星空は、新春にふさわしく、すでに春の星座が出そろっています。
おなじみ、北斗七星は空高く頭の真上付近に見慣れた姿で、容易に見つかります。
北斗七星、ひしゃくの形(お子さんにはカレーの時の大きなスプーンの形と説明しています)の持ち手の部分、二番目の星に注目してください。この星、小型の双眼鏡などで観察すると2つに分かれていることがわかります。視力が良い人には肉眼でもそれがわかるそうなので、ぜひ、視力自慢の方は挑戦してみてください。観察会などでは、小さなお子様は結構、見えるようなので、ぜひ、ご家族そろって挑戦するのもよいかもしれません。
北斗七星を観察、次は、その持ち手のカーブに沿って、下の方向に視線を移してみましょう。明るい星が見つかるはずです。この星は色に注目してください。何色に見えますか?星には、それぞれ、固有の色があります。普段は白色にしか感じない星に色があることを知ると、その後、生涯、星の色がわかるようになります。星空にはたくさんの星があり、その名前や星座の形を覚えるのは少し大変ですが、色の違いを楽しむだけで、美しい星空を十分満喫することができるようになります。お子さんやお孫さんと、赤い星見つけた、あの星、青い。黄色い星もあるよ。って、美しい星空のもと、あちこちでそんな声が聞こえてきたら、どんなに素敵だろうと、いつも星空を見上げながら思っています。
この明るい星は、うしかい座の一等星です。その色の美しさと、明るさでとても人気があります。肉眼で眺めていてもきれいですが、望遠鏡や双眼鏡で観察すると、より色や明るさがはっきりするので美しいです。望遠鏡博物館の夜間観望会などに参加してぜひ、この美しい姿をレンズを通して観察してください。
うしかい座は、お子さんには、お父さんのネクタイの形とか、おいしいクレープの形だよと説明していますが、都会の空では、この形をつなぐことが少し難しいかもしれません。美しい暗い空ならなら、楽々つなぐことができます。
さらに、カーブにそっと、視線を移すと、また一つ明るい星があります。この星も色に注目してください。うしかい座の一等星との色の違いが、きっとわかると思います。この星は、おとめ座のスピカ。この星もまた、とてもきれいです。おとめ座はお誕生日の星座にあるのでとても有名ですが、形がちょっと複雑です。この明るいスピカをグラスの底に見立てて、カクテルグラスをイメージすると、Y字型の星並びが見えれば、おとめ座観察は100点満点です。
北斗七星の持ち手のカーブに沿って、星を見つけてきましたが、このカーブは、春の目印、春の大曲線と呼ばれています。おとめ座のスピカの後に、からす座の星々までつなぐこともできますが、からす座の星が見えれば、そこは相当、美しい星空ということになります。
もう一つ春の目印を探してみましょう。先ほど見つけた、うしかい座の一等星と、おとめ座のスピカに加えて、右上の明るい星をつなぐと整った三角形を作ることができます。これを春の大三角と呼んでいます。加えた星は、これも春の星座の代表選手で、しし座のシッポの星になります。しし座は、特徴的な?(はてな)マークを反対にしたような形、これを私は、「なては」マークと呼んでいますが、ここだけの話です。この「なては」マークをたてがみに見たてると、百獣の王、ライオン、ししの姿が見えてきます。
ここまで、元旦の夜明け前に、春の星座を楽しんできましたが、東の空には、気の早い夏の星座も登場しています。
その前に、赤い色が特徴的な、火星の姿もチェックを忘れずにしておいてください。火星は、今年の秋口には、地球に接近するため、望遠鏡を使うと火星の地表の模様が鮮明に観察できるようになります。また、日々、地球に近づいていますので、明るく見やすくなってきます。火星の位置や明るさの変化にも今年は目が離せません。
赤い火星のすぐ下に、さそり座のアンタレスが見えているはずです。夜明けの色付きの中、少し見にくいかもしれませんが、初、夏の星、夏の星座になりますので、目を凝らして探してみてください。
アンタレスが見つかれば、大きく視線を左側、北東の空に向けると、同じくらいの高さに、一つ星を見つけることができるかもしれません。この星は、こと座のベガで、七夕様の主役の星、織姫星です。織姫様は気が早いようで新年早々のお出ましです。
さあ、元旦の夜明け前、初、春の星座と初、夏の星座を楽しんでいると、まもなく夜明けです。今まで夜空に輝いていた星が、一つ二つと、新年の夜明けの色付きに消えていきます。
皆様にとりまして良い年でありますよう、心からお祈りしております。また、美しい星空をご覧いただくあたり、少しでも皆様の観察のお役に立てるよう、心がけていきたいと思っています。今年も引き続きよろしくお願いいたします。

DSC_6550x9_01

春の大曲線、春の大三角、北斗七星~うしかい座~おとめ座~からす座、しし座。
北海道八雲町(函館市至近)にて昨年1月に撮影)
文中の図表はプラネタリム表示用フリーソフトStellarium 0.19.1を使用しました。 (文章と図表・写真 担当: fuji  )

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