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今が見頃2019年夏の木星

[天文現象] スケジュール:2019/08/12
更新日:2019/08/11

stellarium-020

今の時期、晴れた日の夕刻の空、南の空にどの星よりも早く輝き始める星は木星です。暗くなりきらない夕刻の空に、ご家族、お友達と一番星を探すことも楽しいものです。木星を見つけたら、じゃんけんぼんのぐー・ちょき・ぱー。ぐーにぎって、木星に向かって優しくパンチをしてみてください。ぐーの右下に赤い星が見つかれば、それは、さそり座の一等星アンタレスです。
地球が太陽の周りを一年かけてひと回りするように、木星は太陽の周りを12年かけてひと回りします。そのため、地球から見た木星の位置は、12個あるお誕生日の星座の近くを毎年ひとつずつ移動していくように見えます。今年の木星は、さそり座の近く、来年は、いて座。再来年は、やぎ座の近くのように移動していきます。
この夏に12歳24歳36歳48歳60歳72歳94歳106歳(12の倍数の年齢のお誕生日を迎える方はいらっしゃいますでしょうか。あなたが見ている星座と木星の位置は、あなたがこの世に生まれた日の星空とほぼ同じなんです。今日の星空、ちょっと素敵だと思いませんか。(月やほかの惑星の配置は異なります。)

眺めているだけで美しい輝きの木星ですが、もし、双眼鏡が手元にあったら、それを使って観察をしてみてください。きっと、新たな発見があるはずです。
双眼鏡のレンズの中の木星は、より美しく輝きを増します。その明るい輝きの周辺を注意深く観察すると、直線状に並ぶ、小さな星がいくつか見つかることがあります。これは、木星のまわりを回る衛星です。地球には一個の衛星、ご存知通り月がありますが、木星には現在70を超える衛星が見つかっています。そのうち、地球から双眼鏡や小型望遠鏡で観察できる衛星は4個です。この衛星は有名なガリレオが自分で発明した望遠鏡で発見したことから、この4個をまとめてガリレオ衛星と呼ぶことがあります。ガリレオ衛星は日々刻々と位置を変えているので、その位置の変化を観察するのは楽しいものです。見る時間によっては木星の裏に隠れたり、手前に重なることもあり、2つだったり3つだったりしますので、ガリレオ衛星の動きから目が離せません。

眼視イメージ天体01

低倍率の双眼鏡ではガリレオ衛星は                   大気の状態が良い時は小望遠鏡でも
小さいので注意深く探そう。                             縞模様や大赤斑が観察できる。 

小型望遠鏡があると木星観察はさらに楽しさを増します

小形望遠鏡を使用するとガリレオ衛星に加え、木星本体の美しい縞模様を観察することができます。観察する夜空の条件によって、縞模様の見える数が増えたり、運がよいと大赤斑(だいせきはん)とよばれる赤い目玉のような模様を観察できたりすることがあります。また、木星の形は正円ではなく、わずかに押しつぶされたような形になっていることに気が付くかもしれません。これは、木星が地球のような土や岩石からできているのではなく、ガスでできており、自転により1周するのにかかる時間が地球の半分以下の10時間ほどの高速回転をしているため、遠心力でこのような形になることを知ると、押しつぶされたこの形を容易に理解できるはずです。高速で回転しているため、望遠鏡で一時間ほど時間をおいて観察すると、模様の位置が移動していることがわかることがあります。
小型望遠鏡でも月や木星、土星は楽しく観察できます。もし機会があればお手元にご用意されてみてください。望遠鏡博物館では工作キットを使用した小形望遠鏡の製作講習会(天体望遠鏡工作教室)などもしばしば企画していますのでこれに参加していただくのもよいかもしれません。

019年8月、9月の大赤斑観察可能スケジュール
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   観察開始時刻 終了  観察可能時間
8月12日 20:20 23:20 3:00
8月14日 20:10 23:40 3:30
8月17日 19:40 22:40 3:00
8月19日 21:20 23:30 2:10
8月21日 23:00 23:30 0:30
8月24日 22:20 23:10 0:50
8月26日 22:10 23:00 0:50
8月29日 19:40 22:40 3:00
8月31日 21:10 22:40 1:30
9月 5 日 20:20 22:20 2:00
9月10日 19:40 22:10 2:30
9月12日 21:10 22:00 0:50
9月17日 20:30 21:40 1:10
9月22日 19:20 21:30 2:10
9月29日 20:20 21:10 0:50
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大赤斑観察可能スケジュールは計算によらずプラネタリウムソフトの出現予想イメージを表示させた結果のうち、比較的観測しやすい概算時間を抜粋して表示しています。
拳や指を使った星探しは、星好きの伝統的な技なんです。腕いっぱいに伸ばして拳を握ると、子どもも大人もその角度は約10度。拳の中に指は5本あるので、人差し指は約2度になります。結構これが、正確なのに驚きます。
文中の図表はプラネタリム表示用フリーソフトStellarium 0.19.1を使用しました。
観察イメージの写真の一部を当博物館賛助会員の三上 耕司氏からご提供をいただきました。写真は実際の観察イメージに近づけるため画像処理されています。(担当: fuji )

 

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