香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
![星野次郎氏自作20cm反射赤道儀 30147ac12ec5e9700fa90c9b6a9be2f5-198x300[1]](http://www.telescope-museum.com/wp-content/uploads/2016/02/0c89ee75582ab12e421da6fd8c4e8b67-198x300.jpg)
2014年10月に、福岡県糟屋郡の安武様から、寄贈のお申し出を頂き11月16日にご自宅にお伺いし受け取らせていただきました。この望遠鏡は反射鏡研磨で高名な星野次郎氏(1916年-1997年)が20㎝反射鏡を研磨されただけでなく、赤道儀を含めて手作りされた希少なものです。
星野次郎氏は1957年「望遠鏡の作り方」恒星社、1974年「反射望遠鏡の作り方」恒星社厚生閣を執筆されました。この本は反射望遠鏡自作の教科書的な存在となり、天文ファン、特に自作派に愛されました。
氏は星座写真集などの著書もある天体観測家として著名でしたが、ライブスチーム(模型蒸気機関車)の世界でもその名を知られており、機械設計、金属加工にも精通されていました。
氏の作った天体望遠鏡架台にはその片鱗が伺えます。
九州大学名誉教授の坂上務様が永年愛用されていたものを1987年、当時、協栄産業福岡店勤務だった川内氏が譲り受けレストア後、佐賀県唐津市の旧:スターグルメ天文館のドーム内に設置されていました。スターグルメ天文館の閉館後は安武氏が保管されていました。
口径:20㎝ 焦点距離:1555㎜ F7.8
赤緯微動:タンジェントスクリュー式部分微動
赤経:モータードライブ
高度調整:微動調整可能
東西方向調整:ベースリングに微動調整装置有り
バランスウェイト:5個(撮影時は3個装着)鏡筒カウンターウェイト3個
モータードライブ:赤経のみ シンクロナスモーターと思われる
口径20㎝の主鏡は、メッキ面が傷んでいるため再蒸着が必要です。(2015年再蒸着しました)
また、赤道儀もサビなどの経年劣化が見られますので、フルメンテナンスを行う予定です。
![星野治郎自作20反赤安武様寄贈_08 cdc16c0638216b20dbbb878cb9676a93[1]](http://www.telescope-museum.com/wp-content/uploads/2016/02/773d0042417814dc2bf462b52fcc390b-300x199.jpg)
ホイール径が大きいことがよくわかります。
ホイールの歯数はまだカウントしていません。

クランプレバーは錆びていますが、機能しています。
 ホイールは真鍮で作られているようです。

ファインダーも真鍮ですので、磨き上げると美しい輝きがよみがえるはずです。
![星野次郎自作20反赤安武様寄贈_03 943f14e8e547b840032e1af10390bf0d[1]](http://www.telescope-museum.com/wp-content/uploads/2016/02/e94a4b32acdf2e005aac77474c6dafec-300x199.jpg)
モータードライブのコントローラーです。
持ちやすいように木製のT字型ハンドルに組み込まれています。
星野次郎氏研磨の20㎝反射鏡の再蒸着を行うことになりました。

写真は、2014年10月、福岡県の安武氏から寄贈されたときのものです。
反射鏡セルに焦点距離1555㎜、J.Hosino №338 とマジックで書かれています。

鏡面が傷んでいます。
2015年8月、ヨシカワ光器研究所に依頼し、再蒸着を行いました。

PYLEX MADE IN USAの刻印があります。
耐熱ガラスで有名なアメリカのパイレックス社製のガラス材です。
通常の青板ガラスに比べて、熱膨張が少ないのが特徴です。
筆記体でJ.Hosino 336と彫刻されています。
2016年3月12日天体望遠鏡博物館開館日からこの鏡面は、
中村鏡、木辺鏡、苗村鏡といっしょに展示されています。