香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
愛媛県内子町の中学校統廃合により、使用されなくなった校舎天文ドーム内の五藤光学研究所製15㎝屈折望遠鏡を天体望遠鏡博物館で再活用したらどうですかという連絡が、愛媛県の天文関係者から当館会員N氏にありました。
内子町教育委員会の承認をいただいて2013年9月20日に校舎見学させていただきました。
小高い丘に3階建て校舎があり、屋上にドームがあります。写真左の松のあたりにドームが見えています。
五藤光学研究所製15㎝屈折赤道儀です。塗装にあまり傷みが無くとても良い状態です。
銘板には昭和52年(1977年)6月製造、製造番号226とあります。
また、6㎝屈折2台と6.5㎝屈折、8.5㎝反射も保管されていました。
2014年1月31日、譲渡のお願いのため、当館の村山代表と会員が内子町教育委員会を訪問させていただきました。教育長の亀山忠重様が面談下さり、譲渡する場合の条件などが話し合われました。
2014年4月1日、正式に譲渡が決定されましたので、4月11日に搬出経路の再確認と小型望遠鏡の搬出を行うため再訪問させていただきました。
ドームは校舎の奥まったところにあります。玄関前には車寄せスペースがありますが、大型クレーンを入れるのは難しそうです。
校舎内の階段は充分な広さがあります。
校舎からドームへの出入りを行う階段は、幅も狭く、急傾斜です。この階段から赤道儀本体を下ろすのが一番の苦労になりそうです。
小型の望遠鏡4台はN氏が一人でこの日に校舎から搬出し、天体望遠鏡博物館開設準備倉庫に搬入しました。
2014年4月27日、搬出の準備が整い会員6名で作業を行うことになりました。
搬出路確保のためドーム入り口のアルミ引き戸を取り外します。これが意外と難物でした。
五藤の15㎝鏡筒は鏡筒バンドのところで前後に分離できます。ボルトをある程度外したら、鏡筒対物側を下にします。こうすると重力を利用できるので鏡筒を外しやすくなります。
バランスウェートを鏡筒側の重量変化にあわせて外していきます。
五藤の大型望遠鏡で注意しなくてはならないのは、赤経、赤緯のクランプシャフト、微動シャフトの取り外しです。ここを外さないと鏡筒接眼部側を赤道儀と分離することができません。
また長く細いシャフトは過大な力が加わると曲がってしまい、再組み立て時に支障がでますので、慎重に作業を進めます。
シャフト固定部分と接眼部を鏡筒から外せました。
ピラーと赤道儀本体を分離させるために、モータードライブシャフトを外します。
狭く急な階段から赤道儀を下ろすために、つくったソリが大活躍しました。ここが一番、緊張した作業なのですが、記録撮影担当を含めた6人全員が全力で作業したため、記録写真がありません。
ポールの分解に取りかかります。観音寺中学の五藤15㎝はベース部分がチューリップタイプですが、この望遠鏡はベースとポール部が分割できます。このため人力での搬出が可能でした。
すべてを取り外しました。
1階への搬出作業は昼食後、体力を回復させて行いました。
赤道儀は軽トラックの荷台に積載しました。
鏡筒は軽ワゴン車に積み込みました。ベースや架台部分は大型ワゴン車に積み込みました。積み込み後、ドームと観測準備室内の掃除を行い作業完了となりました。
記念撮影です。今回も無事に作業ができました。この後、天体望遠鏡博物館倉庫がある香川県さぬき市まで3時間のドライブをして、搬入を行いました。
2015年1月 天体望遠鏡博物館プール棟にて組立を開始しました。
各部を清掃後、接眼部を鏡筒に差し込み、赤経、赤緯クランプシャフト、赤緯微動シャフトを組み立てます
アンカーボルト用の穴をコンクリートに開けていきます。
手動クレーンにて、ポールベース部を吊り下げ、所定位置まで移動させます。
アンカーボルトの穴に一致するよう微調整しながら、下ろしていきます。
右側が固定用ボルト穴です。左側は水平微調整用です。
アンカーボルトを締め付けていきます。
次回はポール上部と赤道儀部分の組立になります。
2015年2月21日
ポール上部を積み上げます。
続いて赤道儀部分をつり上げ、ポール上部に差し込みます。まっすぐ差し込むのに苦労しています。
モータードライブシャフトを連結しています。バランスウェイトもつけていきます。
鏡筒の対物レンズ側をつり上げ、鏡筒接眼部側に差し込みます。充分な高さのあるクレーンだと思っていましたが長焦点屈折鏡筒だと、鏡筒を垂直に立てて吊り上げるとクレーンが最上部に達していました。
サブスコーブ支持脚を取り付けます。
サブスコープ支持脚の取り付けができました。
サブスコープをつけ、とりあえず組み立てられました。
残っている工程は主鏡の光軸調整です。
本日の例会参加者で記念撮影です。