香川県さぬき市多和助光東30-1(旧 多和小学校)
[イベント] スケジュール:2026/03/21
更新日:2026/03/14
【日時】
2026年3月21日(土)
18時30分:開場・受付開始
18時45分:オリエンテーション
19時00分:天体観望
20時30分ころ:終了予定
*3月21日はプラネタリウム投影はございません
①大小様々な天体望遠鏡を使って天体を楽しめる。
天文台に設置していた大型望遠鏡、天文マニア垂涎の高性能望遠鏡や昔欲しかった懐かしい天体望遠鏡、初心者に人気のある小型望遠鏡、電子観望用のデジタル天体望遠鏡、星空を見るのに適した双眼鏡まで、各種の天体機材が豊富に揃っています。
②星空がきれい。
天体望遠鏡博物館がある「さぬき市多和地区」は山に囲まれています。市街地の光害の影響が少なく、晴れていれば「天の川」が肉眼で見えます。
③曇ったときでも博物館なので楽しめる。
昼間とは雰囲気が違う「館内ナイトツアー」、夜だからできる「望遠鏡などを使った実験」、「望遠鏡操作体験」天文ボランティアスタッフの楽しいお話などが行えます。
天体観望会の楽しみ方
天体望遠鏡博物館の天体観望会に参加される方の理由はさまざま。
参加者のニーズにできるだけ応えることが出来るように、観望会当日のお昼からボランティアスタッフが各種の望遠鏡を準備したり、役割分担したチーム編成をしています。
オリエンテーションのときに当日の「楽しみ方」をスタッフが説明しますので、お役立て下さい。
・天の川を見たい!いっぱいの星を見たい!
・星座を教えてもらいたい!
・家族で星と望遠鏡を楽しみたい!
・とにかく天体望遠鏡で星を見てみたい!
・量販店などにおいてあるような小型天体望遠鏡を実際に覗いてみたい!
・自分で操作してみたい!
・大型の天体望遠鏡で星を見たい!
・昔欲しかった天体望遠鏡を使ってみたい!
・月のクレーターをスマートホンで写したい(月が出ているとき)
・星をスケッチしてみたい
【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集数・定員】80名
【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。
別プログラムの例
・館内ナイトツアー
・望遠鏡を使った実験やお話など
【参加方法】ネット予約をご利用下さい
☆★今回の天体観望会で見ておきたい天体リスト
惑星: 木星
星座:おうし座,オリオン座,ふたご座,しし座
一等星: カペラ,アルデバラン,ベテルギウス,リゲル,シリウス,プロキオン,ポルックス,レグルス、カストル(2等星)
星の並び:冬の大三角,北斗七星
星雲:オリオン座大星雲(M42),かに星雲(M1),しし座の系外星雲(M65,M66,NGC3628)
星団:すばる(M45),プレセペ(M44)
二重星:リゲルの伴星,ミザール
当夜,見て楽しめる天体や星座,星空の紹介をしましょう。
上の円形星図は,観望会当夜午後8時頃の星空です。冬の一等星が7個と春の一等星が1個。そこに明るく輝く木星が加わって,とても賑やかな雰囲気の星空となっていることだと思います。8個の一等星と木星,まずは計9個の明るい星々を探してみてください。
3月,暦の上ではもちろん春なんですが,西空には,おうし座やオリオン座,おおいぬ座,ふたご座といった冬の代表的な星座が見えています。
また,冬の大三角(ベテルギウス,プロキオン,シリウスの3つの恒星で形作られる三角形)も見えています。この冬の大三角は意外と大きな三角形で,その形を追うことは簡単です。オリオン座をまず見つけてからベテルギウス,その左(東)方向にプロキオン,プロキオンの下(南)方向にシリウスという順で,当該3つの一等星を探して,目で線を引いてみてください。
そして,天頂(真上)から東よりのところには,春の代表的な星座の一つであるしし座が見えています。しし座の一等星レグルスを目印に,しし座全体の形も探してみてください。下図はしし座の星図です。しし座の右(西)半分に,『?』を裏返したような☆の並びがありますが,この部分がライオンの頭から胸,前足になります。星図の中にあるデネボラという星は,アラビア語で『ライオンの尾』という意味の2等星です。いかがでしょうか,右(西)を向いたライオンの姿を想像できるでしょうか。
続いて北の空に目を向けてみましょう。
すると,北極星を見つけるのに役立てられることで有名な北斗七星が見えています。春の星空,北側で一番目に付くのはおそらくこの北斗七星でしょう。(北側には天体望遠鏡博物館の建物があるので,時間帯が早いうちは,高度が不十分な北斗七星は,まだ見やすい位置にないかもしれませんが。)
実は北斗七星は星座ではありません。北斗七星はおおぐま座の一部。上の図は,そのおおぐま座の星図ですが,逆さまになった熊と,その腰から尻尾付近が北斗七星になっているのが想像できますでしょうか。
北斗の『斗』は,中国では枡(ます)を意味します。名前の通り,ひしゃくの形をした7つの星というわけです。7つの恒星のうち2等星が6個と3等星が1個。まずまずの明るさと,特徴的な形ということで容易に見つけやすい星の並びです。
ここまでおおまかに全天を見渡したところで,今度はオススメの天体を個々に見ていきたいと思います。
まずは,当夜の天頂近くで目立っている木星。
他のどの星よりも明るく見えているはずです。地球から通常見えている天体の中で一番明るいのは太陽,次いで月,三番目は金星,そしてその次がこの木星となります。(当夜の)明るさは-2.5等。一般的な一等星の25倍の明るさを誇ります。そりゃ,目立つはずですよね。
木星は太陽系最大の惑星で,その大きさ(直径)は地球のおよそ11倍。木星は,10時間ほどで一回転(自転)しています。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の速さで自転しているということです。そのため,生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。良く観察してみてください。木星は上下(南北)方向よりも左右(東西)方向の方に膨らんで,やや楕円形に見えてるはずです。
望遠鏡で木星表面を観察してみると,木星本体には数本の縞模様が見えます。木星は,固体の地表面を持たないガス惑星です。高速自転のために,大気が東西に引き延ばされて帯状になっています。それが縞模様に見える主な原因です。白っぽく見える部分(ゾーン)は上昇気流で,茶色っぽく見える部分(ベルト)は下降気流と考えられています。さて,あなたの目には何本の縞が見えることでしょうか。
木星の縞模様の間には,大赤斑(だいせきはん)とよばれる,赤っぽい目玉のような楕円形の模様があります。この大赤斑の正体は,高気圧性の巨大な渦巻きだと言われています。大きさは地球がすっぽりと入るくらいサイズの巨大な渦巻きです。21日の夜は,ちょうどこの大赤斑が地球側を向いているので,観察することが可能です。あわてないで,じっくりと木星表面を探してみてください。
この夜,木星本体の周囲に目をやると小さな光点が片側に4つほど見えていると思います。その4つのうち,1個は木星本体と重なって見えているかもしれません。残りの3個はきれいに並んで見えているはずです。
<注>望遠鏡によっては,上下(左右)が逆に見える場合があります。
この4つの星はガリレオ衛星とよばれ,木星の数ある衛星の中で,特に大きくて明るい衛星です。
木星本体と重なるように見えているのはイオ。他の3つは木星に近い順に,エウロパ,ガニメデ,カリスト。エウロパは内部に膨大な量の海水があるといわれています。ガニメデは衛星でありながら,太陽系の第一番目の惑星である水星よりも大きな天体です。
続いて,まだまだ観察可能な冬の星座や天体に望遠鏡を向けましょう。
まずは,西に傾いてきているすばるです。
すばるは,別名プレアデス星団,M45とよばれます。おうし座にある散開星団(恒星の集まり)です。
すばるは,低倍率で見ると数多くの恒星が集まったイメージで,たいへん見応えがあります。
平安時代に,清少納言が枕草子の中で『星はすばる・・・』と記しています。『数ある星の中でも,すばるが一番素晴らしい・・・』と記しているわけです。平安時代の貴族たちも注目していた天体だったのでしょう。
すばるは比較的若い星の集まりで,誕生してからまだ数千万年しか経っていない星々です。数千万歳で若いって,宇宙はレベルが違い過ぎですよね。距離は440光年。その距離でも,宇宙レベルでは太陽系と同じ町内会のご近所さん天体です。
おうし座には,かに星雲(M1) と呼ばれる星雲があります。
藤原定家の日記とされる明月記に,『1054年4月中旬の午前2時頃,オリオン座の北付近に木星ほどの明るさの星がいきなり現れた』と記されています。これは超新星(爆発)が起きて,それが肉眼でも見えたということです。この天文現象は,日本に限らず中国や中東方面にも観察記録が残っていて,昼間でも23日間ほど見えていたとの記述もあるそうです。昼間も見えたとのことであれば,かなりの明るさだったのではないでしょうか。
超新星とは,大きな質量の恒星が進化の末期に大爆発して,突然明るく輝き出す天体とその現象。このかに星雲は1054年に爆発した超新星の残骸で,今も猛烈なスピードで膨張しています。
『かに』というのは,アイルランドの天文学者が大きな望遠鏡で観察した際,星雲の微細な放射状の構造が,かにの足に見えたことからそうよばれるようになったといわれています。
望遠鏡でM1を見ると,ひし形の淡い雲状に見えます。
冬の星座もまだまだ健在です。冬の星座の中では最も有名なオリオン座。
このオリオン座には見応えのある天体がいっぱいです。
オリオン座は,赤っぽいベテルギウスと青白いリゲルの二つの一等星,そしてその中間に3つの2等星が斜めに並ぶ特徴的な形をした星座で,初心者でも簡単に見つけることができる星座です。
このベテルギウスとリゲルは,それぞれ,平家星,源氏星という和名を持っています。平家の旗色が赤,源氏の旗色が白ということと,中間の3つ星をはさんで対峙してるかのように感じられるところから,そう名付けられたのではないかといわれています。
リゲルの方は伴星(ばんせい)といって,リゲル本星の周りを公転する小さな恒星をお伴にもっています。こうした近接して見える2つの恒星を二重星といいます。二重星には,見かけ上,たまたま2つの星が近くに見えている(見かけ上の)二重星と,お互いの引力によって実際に公転し合っている連星とがあります。リゲルはこの実際に2つの星が実際に回り合っている連星です。天体望遠鏡の倍率を多少高めにして観察すると,明るいリゲル本星にくっついて,小さくかすかに光る伴星がポチッと見えてきます。
オリオン座真ん中の3つ星のすぐ下に目をやると,縦に3つほどボンヤリとした天体が並んでいるのが肉眼でもわかるかと思います。その中央にあるのがオリオン座大星雲(M42)。”大星雲”の名のとおり,北天では最大級の散光星雲(拡がったガスや宇宙塵が様々な理由で発光して雲や煙のように見えている天体)です。
M42付近には星間ガスが大量にあって,今まさに星が誕生しつつある場所だといわれています。天体望遠鏡を使ってこの星雲を拡大してみると,M42の中心部にトラペジウムと呼ばれる4つの恒星を観察することができます。トラペジウムは,どれも誕生したばかりの赤ん坊の星々で,これらの星々がM42を光り輝かせているといわれています。
オリオン座大星雲は,小さな望遠鏡の低倍率では鳥が羽を広げたようなイメージに観察できます。大きな口径の望遠鏡で見ると,星雲の複雑な構造も見えてくるようになり,とても迫力のある眺めとなります。大口径の望遠鏡でも小型望遠鏡でも,それぞれに特徴的な見え方を楽しめる天体です。
このオリオン座から少し左上(北東)方向に視点を動かすと二つの明るい星が見つかります。
この二つの恒星がふたご座の代表的な星です。
明るい方が一等星のポルックス,やや暗い方が2等星のカストル。
カストルがふたごの兄でポルックスが弟になります。兄の方が暗いということになりますが,星図の中ではカストルがα星,ポルックスがβ星とされています。通常,一つの星座の中で明るい順にα(アルファ)星,β(ベータ)星,γ(ガンマ)星・・と,恒星に記号が割り振られています。ということは兄のカストルの方が明るいはず。でも実際はポルックスの方が明るい。
カストルの明るさは1.58等で四捨五入すると2等。ポルックスは1.16等(四捨五入すると1等)。数値上では大きな違いはありませんが,四捨五入の結果,兄が2等星で弟が1等星ということになっています。
兄の方が暗い理由として考えられるのは,その記号が割り振られた時点ではカストルの方が明るかった。あるいは,明るい順にαから割り振るというルールが無視されたか間違えられた。また,カストルが兄ということでαをあてがわれたと,いろいろな説があるようです。
ポルックスには,その周囲を公転する惑星が見つかっています。大きさは木星の1.5倍。残念ながら望遠鏡で見ることはできませんが,惑星は何個あるんだろうかなどと想像しながら眺めてみると,またひと味違った印象があるかもしれませんね。
カストルの足下のところに,M35という散開星団があります。視力の良い人は,肉眼でもボンヤリと見ることができると思います。望遠鏡の低倍率で観察すると,たくさんの星々がきらめいて,とても美しい眺めとなります。(見かけの)大きさは月とほぼ同じという大きな星団です。
ふたご座の東にある,しし座を見てみましょう。
しし座の後ろ足のところには,たいへん遠くにある系外星雲(私たちの太陽系のある天の川銀河の外側にある銀河)があります。M65,M66,NGC3628の3つの星雲です。距離は約3500万光年。先に紹介したすばるまでのさらに80,000倍ほどの距離です。そんなに遠くにある天体ですから,暗くてボンヤリとしか見えません。目をこらしてじっくりと望遠鏡をのぞき込んでみてください。系外星雲については,たくさんの光を集めることができる,スライディングルーフ内の口径の大きな望遠鏡で観察することをオススメします。
上の円形星図に戻ってみてください。しし座からプロキオンの方(右方向)に少しもどると,かに座が見つかります。
かに座には明るい星がないので,全体の形は追いにくい星座ですが,そのかに座のど真ん中にプレセペ(M44)という散開星団があります。場所は,ふたご座の一等星ポルックスとしし座の一等星レグルスのほぼ中間から少し北寄り。空の暗いところでは肉眼でもボンヤリと見ることができます。
プレセペとは,飼い葉桶(かいばおけ)という意味のラテン語。飼い葉桶とは家畜のエサ入れのこと。どう見てもエサ入れには見えないのですが,肉眼で見たときのボンヤリとしたイメージがそう想像させたのかもしれません。
先に紹介したおうし座のすばるやふたご座のM35もそうですが,一般的に散開星団はそこそこに大きな天体なので,低倍率で観察するのがオススメです。倍率が高いと,対象の一部が大きく見えるだけになりがちで,全体像が観察しづらくなります。散開星団は,低い倍率が出しやすい小さな望遠鏡が観察に活躍できる天体です。
それでは,北方向の星空にも目を向けてみましょう。
注目は,春の星空の中での代表格の一つ,北斗七星。
北斗七星の柄の方から2番目の星はミザールという星です。肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星。上の写真でも2つの星がくっついているのがわかりますが,明るい方がミザール,暗い方の星はアルコルといいます。
アラビア地方では,その昔,兵隊の視力検査に利用されていたそうです。視力に自信がある方は,ご自分の目でこのミザールが2つの星に分離して見えるか挑戦してみてください。
春の星空には,遠くの銀河が数多く見られます。北斗七星のひしゃくの先にも,M81,M82という系外星雲を見ることができます。距離は1,200万光年。M81は初めて回転速度が調べられた銀河です。一方,M82は,渦巻きらしさが見えない不規則銀河となっています。この2つの銀河が,ひしゃくの先に並んで見えています。
ここまで,いくつか見所となる天体を紹介しましたが,冬から春の星空には他にも数多くの『見ておもしろい天体』がたくさんあります。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。その天体を詳しく知ることによって,より興味深く感じることができるようになるもので,それが天体観望の醍醐味の一つでもあると考えます。
また,口径の大小や形式の違う望遠鏡,そして倍率の違い等によって,同じ天体でも見え方はずいぶんと違ってきます。いろいろな望遠鏡を覗きながら,見え方の違いなども楽しんでいただければと考えます。
冷え込みにはまだまだ注意が必要な時期です。防寒は十分にして,様々な天体の観望をじっくりとお楽しみください。それでは,観望会でお会いできるのを楽しみにしています。
<注>
天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。『M』は観測者メシエのM。『NGC』記号は,新たにまとめられたカタログに記載されている星雲・星団および銀河の個別番号です
※HP中の星座図,太陽系図は,アストロアーツ社製StellaNavigator12で作成しています。
天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。