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【募集中】12月7日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2024/12/07
更新日:2024/12/01

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【日時】
2024年12月7日(土)
17時00分:開場・受付開始
17時20分:オリエンテーション
17時40分:観望会開始
19時00分:終了予定

*できるだけ17時15分までに受付できるようにご来館下さい*

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】30組(80名程度)

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。

別プログラムの例
・直径7メートルの大型エアドームによるプラネタリウム
・4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」による星空ツアー
・館内ナイトツアー
・スタッフによる実験やお話など

参加お申し込み方法 ネット予約をご利用ください

お申し込み

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参加人数* 大人:
高校生・大学生:
小学生・中学生以下:

12月7日の星空案内

☆★12月7日の天体観望会での観察オススメ天体リスト
星座:ペガスス座,カシオペヤ座,おうし座
一等星:カペラ,アルデバラン,フォーマルハウト
星の並び:秋の四辺形
星雲:アンドロメダ座大星雲(M31)
星団:ペルセウス座の二重星団,ペガスス座の球状星団M15, おうし座の散開星団M45(すばる,プレアデス星団)
二重星:アンドロメダ座アルマク
惑星:木星,ガリレオ衛星,土星,土星の衛星タイタン,天王星

 NHK大河ドラマで『光る君へ』という番組が放映されています。そのドラマの中にも登場している有名な歴史人物の一人である平安時代の作家,清少納言。彼女の書いた『枕草子』の一節に,『星はすばる,彦星,夕づつ,よばひ星,少しおかし・・』という一節があります。現代語訳すると,『星はすばるが一番。続いて彦星(アルタイル),そして宵の明星(金星),流れ星もすばらしい。』
 清少納言にとって,天空の中ではすばるが一番だったということなんでしょうか。もしかしたら,清少納言だけでなく,1000年前の平安時代の人たちによる口コミでも☆5つ評価だったのかもしれませんね。
 すばるとは,おうし座にある散開星団(恒星の集まり)で,別名プレアデス星団,またはM45と呼ばれます。すばるの名前は聞いたことあるという人は多いと思います。もちろんよく知ってるという人も多いかもしれません。すばるは,肉眼でも簡単に見ることができる天体です。ここで,すばるの探し方を紹介しましょう。
 下図は18時45分頃の南側を向いたときの星空の様子です。

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上図は,観望会当夜19時ころの博物館前の広場から東~南方面に体を向けて,空を見上げたときの様子です。(注)イメージ化したおおまかな図なので,実際の星の正確な位置関係を示すものではありません。

 明るい星が多いですね。まずは,東方向を見上げてみるととても明るい星が一つ見えています。太陽系第5惑星の木星です。木星のすぐ右(西)にはおうし座の一等星アルデバランが見えています。その木星とアルデバランのすぐ上(北)にボンヤリとした天体が見えているはずです。そのボンヤリ天体がすばるです。
 下に写真を載せてありますが,そのボンヤリを観察すると,視力の良い人なら肉眼で5個前後の星が見えてくるはずです。

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 望遠鏡で覗いてみると,こんな感じです。

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 望遠鏡の低倍率で観察すると,すばるの全体が見渡すことができて,本当にため息がでるほどの美しさといえるかもしれません。※小型望遠鏡では,この低倍率が出しやすいのです。
 すばるというのは和名で,その語源は,『まとまって一つになる』という意味の『統ばる(むすばる),統べる(すべる)』からきていると言われています。漢字で書くと『昴』。中国には,この天体を指す『昴宿(ぼうしゅく)』という言葉があって,この言葉から『昴』の字が当てられたということです。また,(日本の)地方によっては『六連星(むつらぼし)』や『羽子板星』など,様々な呼び方もあるようです。
 1000年前の平安時代の空は今よりも遙かに暗く,すばるはもっとはっきり美しく見えたことでしょう。
 そんな清少納言の感動にも思いをはせながら,すばるを観察するのも興味深いかもしれませんね。空が暗くなってきたら,木星→アルデバラン→すばる,と明るい星を目印にたどりながら探してみてください。

 すばるがあるのは,おうし座。
 話のついでに,このおうし座も確かめておきましょう。
 上の写真に,おうし座を示す線を加えると下のようになります。

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 牛のように見えそうで,よくわからなそうで,どうもはっきりしませんね。
 この牛は,左(東)を向いていて,一等星のアルデバランは牡牛の右目にあたります。上の写真では,そのアルデバランから左へ伸びている線と,その上に見えるもう一本の線の2本が牡牛の角になります。そしてアルデバランの右下のカクカクと2本の曲がった線が前足の2本。何となく牛をイメージできそうでしょうか?そう,おうし座の牛は胸あたりから上しかありません。

 さて,すばるがらみのお話が長くなりましたが,当夜は冒頭の図にあるとおり,土星,木星と2つの惑星,そして月が見えています。はっきり言ってたいへん豪華なメンバーが揃っている天体観望会です。もしかしたら,観望会開始時には,すばるよりも先に,この月・惑星たちの方に望遠鏡が向けられている可能性が高いですね。というわけで,次はその土星と木星,そして月の紹介と続けていきましょう。
 ではまず,土星です。
 太陽系第6番目の惑星。地球の9個分の大きさを誇る大きな惑星です。また,環(輪っか)のあることで有名で,その神秘的な姿から観望会ではいつも注目度No.1の天体でもあります。天体望遠鏡を使うと,その環も明瞭に見ることができます。
 環は,小さな氷や小石からできていると言われています。この環は年によって傾きが違って見えます。環の幅は今後だんだん狭くなっていき,来年2025年にはこの環を真横から見ることになり,実際には見えなくなります。輪っかのない土星,つまらないような珍しいような・・・。まあ今季は,ギリギリに細い輪っか,まるで”串に刺さった団子”みたいな感じに見えるかなとお伝えしておきましょう。

1207_5土星:これは写真ではなくてスケッチです

 土星にもいくつかの衛星が見えています。その中でも小型の望遠鏡でもよく見えるタイタンという衛星が見つけやすいと思います。当夜のタイタンの位置は,土星本体の横方向に,土星の輪っかの幅を横におよそ一つ分伸ばしたあたりにあります。土星の近くに見える一番明るい光点,おそらくそれがタイタンでしょう。
 タイタンには,(炭化水素の)海があるとされ,厚い大気をもっている衛星。山があって,雨が降ったり風が吹いたり,そして湖もあるといわれています。また,有機物の存在も話題に出ていたりして,探査の必要性が高まっている天体でもあります。近いところでは2026年,ドラゴンフライと呼ばれるドローン型の探査機を,タイタンに送り込む計画があります。

 続いて,東空に一番明るく目立っている木星です。
 木星は,太陽系第5番目の太陽系最大の惑星です。明るさは-2.8等。これは,一等星の10倍以上の明るさです。
 木星の大きさは地球のおよそ11倍。そして10時間ほどで一回転(自転)します。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の猛烈な速さで自転しているということ。そのため,生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。じっくりと観察してみると,木星は上下(南北)の縦方向よりも左右(東西)の横方向の方に膨らんでいるのがわかるはずです。そこまで観察できたら100点満点 (^_^) 
 望遠鏡で木星を覗いてみると,木星本体に数本の縞模様が見えてきます。木星は,そのほとんどがガスでできています。そのガスの大気の循環が縞模様をつくっているわけです。

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 木星本体左右(感覚的には斜め上下かも)に目をやると,小さな光点が4つほど見えると思います。この4つの星は,ガリレオ衛星とよばれる,木星の衛星の中でも特に大きくて明るいものです。当夜は,木星本体にくっついて見えているのがイオ(時間帯によっては見えにくいかも)。木星の片側に2つ見えている衛星のうち本体に近い方がエウロパ。離れている方がカリスト。その反対側に1個見えているのがガニメデで合計4個。(下図参照:木星の大きさや衛星位置等は正確ではありません。相対的な位置で特定してください。)

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 なお,使用する望遠鏡によっては上図と左右逆,上下逆に見えている場合があります。ご注意ください。

 さて,木星,土星と太陽系内の2大惑星を観望してきたところで,もう一つの見頃を向かえている惑星を紹介しましょう。
 太陽系第7番目の惑星である天王星です。普段はなかなかお目にかかることのない惑星です。
 天王星は,地球の約4倍ほどの大きさ。地球を大きめのリンゴに例えると,天王星はバスケットボールほど。 天体望遠鏡で観察すると,惑星なのに恒星と変わらない小さな点のように見えるかもしれません。倍率を上げても,それほど大きく見えることはありません。それもそのはず,天王星は土星の半分ほどの大きさ(小ささ?)で,距離は土星までの2倍も遠くにある。そりゃ小さく見えても仕方ありませんね。大型の望遠鏡で高い倍率をかけて見ても,こんな感じ。(下写真)
 比較のために,恒星を一つ(横に)並べてみました。高倍率だと,何とか違いがわかりますが,低・中倍率では,ほとんど恒星と見分けがつきません。それほど小さくしか見えないんです。

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 天王星も木星や土星と同じようにガスでできた惑星です。望遠鏡で見ると何となく青っぽい感じに見えます。これは,天王星の大気に多く含まれるメタンが,赤い光を吸収しているためです。暖色系の光が吸収された結果,寒色系の光がたくさん跳ね返って見えているわけです。
 天王星に関して,ちょっとおもしろいデータがあります。天王星の自転軸は100°ほど傾いています。まるで横倒し状態。すなわち天王星は,ゴロゴロとでんぐり返り(前転)をするように太陽の周りを回っている惑星なんです。そのため,昼が42年間,夜も42年間続きます。不思議な惑星です。

 大型の惑星たちを十分に観察したところで,今夜のもう一つの主役級の天体である月に目を向けてみましょう。
 この夜の月は,半月から少しへこんだ形状をしています。
 月の膨らみ具合を示す指標の一つに月齢(げつれい)というものがあります。月齢というのは,新月のときを0として,新月からの経過日数を表す数字です。新月から満月,そしてまた新月に戻るまでの日数は約29.5日。通常は,月の満ち欠けの度合いを示す数値として扱われます。当夜の月齢は6.1。15夜お月さんが満月ですから,その半分の半月の月齢は15÷2で7.5前後。
 当夜の月は月齢6.1なので,7.5-6.1=1.4,すなわち半月まで1日半ほど前の月だと考えることができます。

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 月の観察をする場合,オススメの注目ポイントは月の欠け際です。ちょうど横方向から太陽光が当たっているため,コントラスト高く,立体感のある見え方をします。
 低倍率では月の全体像が楽しめます。クレーターが数多く見られる高地(山岳地帯)と,クレーターは少なくて平坦な印象の海と呼ばれる部分に目を向けてください。海の部分は黒っぽく,クレーターが少なく平坦な感じに見ることができます。
 一方,高地は高倍率で観察するのが良いでしょう。多くのクレーターの輪郭部は,愛媛県の石鎚山や徳島県の剣山から富士山級の高さを誇ります。高倍率では,クレーターの詳細も迫力で迫ってきます。

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 月の観察が終わったら,今度は星空全体を見渡してみましょう。

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上図は,観望会当夜19時頃に見える星空です。上下左右に記してある方位を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 天頂付近には秋の四辺形であるペガスス座,天頂から北寄りにはカシオペヤ座といった秋の星空が見えています。一方,東側(左側)には,おうし座やぎょしゃ座といった冬を代表する星座が見えています。また,カペラ,アルデバラン,といった冬の一等星も見えてきています。
 西空低い位置には,まだ夏の大三角も見えています。12月は,夏と秋の星座,そして冬の星座と幅広く見えていることになります。それでは,本年最終の天体観望会において,秋・冬の天体を中心に楽しめる星空(天体)を順に紹介していきましょう。

☆★球状星団
 恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。多くは銀河の周辺部に存在します。
ペガスス座球状星団(M15)
 天馬ペガススの頭の先にある大きめの球状星団。高倍率で観察するとブツブツ感がはっきりしてきます。また,大きな望遠鏡ほど個々の星々に分解して見えてきます。どれも120億歳と高齢の星ばかりで,その数は数十万個!スライディングルーフ内の大きめの望遠鏡で観察するのがオススメです。
※距離は33,000光年

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☆★散開星団

 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体
ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のW形のすぐ近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。赤っぽい星があちこちに見られ,二重星団の良いアクセントになっています。
 この星団は,小型の望遠鏡で低倍率を使って観察するのがオススメです。
※距離は1,400光年

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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)
M31(アンドロメダ座大星雲)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体。倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きにはなかなか見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもある大きな星雲です。望遠鏡では渦巻きのうちの中心部がボンヤリと見えます。距離が230万光年ということなので,今から230万年前,人類の祖先が石器を振り回していた頃にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。
 大きな天体望遠鏡を使っても,写真のようには見えませんが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年

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☆★二重星
 肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。ただ同じ方向に近寄って見えている見かけ二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。

アルマク(アンドロメダ座の二重星)
 アンドロメダ座には美しい二重星があります。アルマクという名の二重星で明るさは2等級。青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる連星です。

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 この夜間観望会の主役は,観望好期となっている木星,土星の2つの惑星と月かもしれませんが,上に紹介した星雲や星団の他にも数多くの見て楽しめる星雲星団があります。
 当夜は,博物館の担当者が様々な望遠鏡を使って導入,そして紹介してくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体がどんな天体であるかを知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
 『秋は夕暮れ。夕日のさして・・』,これも清少納言の枕草子の一節。季節は秋を過ぎて冬に入りかける頃。それでも夕暮れどきの味わい深さはまだ健在でしょうか。日が落ち,あかね色に染まる空を眺めるていると肌寒さを一段と強く感じることかと思います。防寒対策も十分にして,いろいろな天体の観望をじっくりとお楽しみください。
 それでは,観望会でお会いできるのを楽しみにしています。

※HP中の天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工を加えています。
 円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

<注>
 天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体には個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。『M』は観測者メシエのM。

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