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【開催済】9月16日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2023/09/16
更新日:2023/09/16

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【日時】
2023年9月16日(土)
18時30分:開場・受付開始
18時50分:オリエンテーション
19時00分:観望会開始
20時30分ころ:終了予定

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】20組(70名程度)
*新型コロナウイルス感染症の状況により募集数を増加、減少させることがあります。

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。

*台風など開催が危険と思われる天候の場合は開催中止に致します*
開催中止の場合は本サイトのお知らせ欄に当日、13時ころに掲示致します

【参加方法】ネット予約が必要です。(予約受付終了しました 9月16日03時08分)

9月16日(土)星空案内

9月16日(土)の天体観望会で楽しめる天体を紹介します。

☆★今回の天体観望会での観察オススメ天体リスト
 星座:  ヘルクレス座,こと座,はくちょう座,ペガスス座,カシオペヤ座
 一等星: アンタレス,ベガ,デネブ,アルタイル,フォーマルハウト
 星の並び:夏の大三角,秋の四辺形
 星雲:  こと座の惑星状星雲M57,アンドロメダ座大星雲(M31)
 星団:  ヘラクレス座の球状星団M13
 二重星: はくちょう座アルビレオ,こと座のダブルダブルスター,アンドロメダ座アルマク
 惑星:  土星,土星の衛星タイタン
 その他: 天の川

 秋分の日があと一週間後に迫っています。まだまだ暑い日が続いてますが暦の上では確実に秋。
 さて,星空の方はどんな様子になっているのでしょうか。
 夏至から3か月ほど経過していて,日の入りも早くなってきています。観望会が始まる19時には,空はそこそこに暗くなってきていることでしょう。
 観望会前の準備運動?,一度,全天を南から北へ,西から東へ視線を動かしてみましょう。すると,明るい星がいくつか見えているかと思います。
 南方面に身体を向けて,視線を首が痛くなるくらいぐっと上げて見ると,こんな感じ?

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 ※イメージ化しているおおまかな図なので,実際の星の位置関係とは違っています。
  この夏の大三角は,ほとんど天頂付近の位置にあります。

 高い高度で夏の大三角を形作る,こと座のベガわし座のアルタイルはくちょう座のデネブの3つの一等星が目立って見えているはずです。
 この3星のうち西側にあって一番明るいのがベガ,最も南にあるのがアルタイル。そして,アルタイルの左下(南東)方向に,一等星と同じほどの明るさに輝く光点が一つ。これが,観望好期を向かえている太陽系6番目の惑星である土星です。
 土星は,天体観望会での人気NO.1天体の一つ。まずは,この土星から観察していくことになるでしょうか。

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 この土星について少し紹介しておきましょう。
 大きさは,地球の9個分という大きな惑星です。距離は約14億km。新幹線で行くと400年ほどかかる距離です。同じ太陽系内の惑星なのに,けっこうな距離があるように感じますね。
 そして,土星はガス惑星。すなわち,地面はなく,ガスでできているので降り立っても表面を歩くことはできません。
 また,環(輪っか)のあることで有名で,天体望遠鏡を使うと,その環も明瞭に見ることができ,その神秘的な姿に見る人の多くは感動をおぼえるはずです。
 環は,顕微鏡で見なければわからないほどの小さいなものや,数mの大きさの氷の粒子が集まったものだといわれています。その中に小石や岩石なども混じっている,それが環の正体です。ところがこの環,横から見る厚みは,1m~1kmほどと考えられていて,土星本体に比べるとその厚みは非常に薄いんです。通常は,この環に太陽光が反射して見えているということになります。
 下の図を見てください。年とともに,土星本体の傾きは変化します。それと同時に環の傾きも変わり,2年後の2023年には地球からは,環を真横から見る位置関係になります。そうなると,環は非常に厚みが薄いため,真横方向からは観察することはほぼ不可能。その結果,環が見えなくなる(環の消失)という現象が起こります。

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 こんな感じで,7~8年かけて,土星の環は幅広く見えるときから真横に細く見えなくなるときまで,その見え方は移り変わります。2023年今季は,ちょうど麦わら帽子をかぶった頭のような傾き具合で見えています。

 2年後の『環の消失』に向かって,だんだん細くなりつつある環の傾きに,ぜひ注目してみてください。

 土星本体のそばには,いくつかの衛星を見ることができます。望遠鏡で見える土星の衛星の中で一番明るく見やすいのはタイタンとよばれる衛星です。タイタンは木星の衛星ガニメデに次ぐ太陽系で2番目に大きな衛星で,液体の湖の存在が確かめられていて,生命の存在もうわさされている天体でもあります。

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 この夜,タイタンは土星のすぐ下に見えています。(望遠鏡によっては,上に見える場合もあります。不明な場合は,操作している担当者に尋ねてみてください。)

 土星を堪能したところで,続いて星空全体に目を向けていきましょう。

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 上の円形の星空図は,9月16日午後8時頃の天空全体の様子を示したものです。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 この円形の星空図と少しにらめっこしてみてください。さそり座,夏の大三角などの夏の星たちの並びは南北のセンターラインから右(西)寄りにあります。一方,東方向には,ペガスス座アンドロメダ座カシオペヤ座といった星座たちが見えてきています。こちらは秋の星座たち。
 夏の大三角という三角形に対して,ペガスス座の四角形は秋の四辺形と呼ばれています。
 ちょうど夏の星空から秋の星空にバトンがわたっていく,そう,9月はそんな時期。夜の早いうちは夏の星々がまだまだ主役だけど,じわじわと秋の星座にうつりかわる。夏と秋,両方の星空が楽しめるおいしい観望会だといえるかもしれません。

 それでは,ここでそろそろ見納めとなりつつある夏の大三角に関するクイズを出題!!

『さよなら夏の大三角』,天文クイズ ※正解はこのページの一番最後に記載

問題(1)こと座の琴は,ある動物の一部を使って作られた琴です。さてその動物とは?
A:亀(の甲羅)  B:牛(の角)  C:ゾウ(の牙)
   ※いきなり難しい問題かもしれませんね。こと座の琴は,日本古来の琴ではなく西洋の竪琴。
    この3つのうち,これであなたが竪琴を作るとしたら,どれを選びますか?

  (2)はくちょう座のモデルとなっている白鳥は,オス,メスのどちら?
   ※難問が続きますね。こういうときは直感で!

  (3)夏の大三角は,見た目もかなり大きな三角形です。
     この大きな三角形の中には2つの星座があります。下の3つの星座のうちから
     夏の大三角形の中にある2つの星座を選んでください。
A:こぎつね座    B:いるか座    C:や座
   ※上の円形星図の中に,答えを見つけることができますよ。

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 夏から秋の星空が両方楽しめるおいしい時期と書きましたが,星雲や星団の中から見ておもしろい,代表的なもののいくつかをピックアップして紹介しておきましょう。

☆★球状星団
 恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。多くは銀河の周辺部に存在します。

M13
 ヘラクレス座にある球状星団。恒星の数は50万個以上。北天で最大サイズの球状星団で,全天一の美しい球状星団ともいわれています。
 こういった,細かく見たい天体は大きな望遠鏡での観察がオススメです。もしかしたら,数えることができるほどのブツブツ感で迫ってくるかもしれませんよ。
※距離は25,000光年

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☆★二重星
 1個の星にしか見えないものが,倍率を上げて観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。たまたま同じ方向に近寄って見えている見かけ上,二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。

こと座ε(イプシロン)星(通称 ”ダブルダブルスター”)
 こと座のベガのすぐ近くにある恒星。望遠鏡の低倍率でのパッと見では一組の二重星に見えます。ところが,倍率を上げて,よくよく観察してみると,それぞれがまた二重星になっているのがわかってきます。二重星が二重。どちらもかなり接近しているので,目をこらしてじっくりと観察してみてください。
 一方の二重星は,お互いが1,700年ほどで,もう一組の二重星の方は700年ほどの周期で回り合っている連星です。

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☆★惑星状星雲
 超新星爆発をせずに一生を終えた恒星が,ガスを放出して,中心に残された星からの紫外線に照らされて輝いている天体。

M57
 こと座にある惑星状星雲。リング状に見えるため,『ドーナツ星雲』とよばれています。
 この星雲は,寿命を迎えた恒星が放出したガスが,残った中心星からの紫外線を受けて光っているものです。肉眼では見えませんが,このドーナツの中心部に,その終末期にある恒星が存在しています。
※距離は2,600光年

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☆★散開星団
 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体

ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のw形の近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。
 これは秋を代表する天体でもあります。
※距離は1,400光年
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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)

M31(アンドロメダ座大星雲)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体。太陽系がある天の川銀河(銀河系)のお隣にある銀河(島宇宙)です。
 倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きには見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもあるビッグな天体です。
 こちらも秋に見やすい天体の代表格。
※距離は230万光年

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☆★二重星
アルマク
 アンドロメダ座にある二重星。青色と黄色系の組み合わせがとても美しい連星です。
 この二つの恒星は,お互いが60年ほどの周期で回り合っています。2星間の距離は,太陽と海王星の間の距離ほど。

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 観望会当夜の主役は,観望好期となっている土星かもしれませんが,月明かりの影響の少ない夜は,多くの星雲星団がとてもよく見えます。上に紹介した星雲星団以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。

 例えば
  ☆M27・・・こぎつね座にある惑星状星雲
         銀行の地図記号に見えるといううわさ。
  ★アルビレオ・・・はくちょう(座)の口ばしにあたる星
         オレンジと青の組み合わせがとても美しい二重星
  ◇いるか座・・・かわいい星座かも。

 いろいろな天体の観望をぜひお楽しみください。

※HP中の星図,天体イメージ等は,アストロアーツ社製StellaNavigator12で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
 円形星空図はAdobe製Illustratorで作図しています。

<注>
 天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体には個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。『M』は観測者メシエのM。


クイズの答え
(1)亀の甲羅
   ヘルメスという神様が,波打ち際で拾った亀の甲羅に,7本の糸を張って作ったとされています。
(2)メス
   デネブというのは,アラビア語で『めんどりの尾』という意味。
(3)こぎつね座とや座

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