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【開催中止】11月19日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2022/11/19
更新日:2022/11/14

11月19日(土)の夜間天体観望会は開催中止に致します(11月19日13時45分発表)

天気予報を検討しましたところ、さぬき市多和地区では夜間天体観望会の開催時間帯は星空は望めない天候になるとの結論に至りました。たいへん残念ですが開催を中止致します。

11月19日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。

*募集数を越える申し込みがありましたので予約受付終了致しました(2022年11月2日14時45分)

【日時】
2022年11月19日(土)
18時30分:開場・受付開始
18時45分:オリエンテーション
19時00分:観望会開始
20時30分ころ:終了予定

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】10組(40名程度)
*新型コロナウイルス感染症の状況により募集数を増減させることがあります。

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・明らかな曇天時】
・開催中止に致します
*通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
*開催中止のお知らせは観望会当日の正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。**募集数を越える申し込みがありましたので予約受付終了致しました(2022年11月2日14時45分)


 

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11月19日(土)の天体観望会で楽しめる星空(天体)を紹介します。

11月中旬,季節的には秋深しという頃合い,来月には冬至を向かえます。
夕空はつるべ落とし。あっという間に暗くなってきます。観望会当日の日没は,16時57分。18時半からの受付の時間帯には空はずいぶんと暗くなっていて,(晴れていれば)かなりの星々や星座が見えてきていると思います。
 まずは,その暗くなった夜空を見上げてみましょう。

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上図は,観望会開始頃,博物館前の広場から南方面に体を向けて,空を見上げたときの様子です。
(注)イメージ化したおおまかな図なので,実際の星の正確な位置関係を示すものではありません。

秋の星空は,一等星が一つしかなくて寂しい印象があると言われていますが,西側半分には,『夏の大三角』をつくる,こと座のベガ,はくちょう座のデネブ,わし座のアルタイルの3つの一等星がまだ見えています。そして,秋の夜空の唯一の一等星となるみなみのうお座のフォーマルハウト。この夜は,その4つの明るい恒星に,超明るく輝く木星,そして土星が加わって,寂しいどころけっこう賑やかな印象を感じさせることでしょう。

一番目立っている木星は-2.7等。これは,一般的な一等星の10倍以上の明るさです。この木星を基準にして西(右)へ目をやると,フォーマルハウト→土星→アルタイルと,周囲の星々の特定が容易になるはずです。

当夜の観望会は,主役のごとく威光を放つ木星と,観望会人気NO.1の土星,この両惑星の観望からスタートとなる可能性が高いでしょうか。

それでは,明るい方の木星からご紹介しましょう。
木星は太陽系第5番目,太陽系最大の惑星です。
望遠鏡で木星を覗いてみると,木星本体に数本の縞模様が見えてきます。

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基本的に天体望遠鏡は口径の大きなもの(レンズや鏡の直径の大きい望遠鏡)ほど,詳しい部分までしっかりと見えてくるものです。ここでは,準備された大小いろいろな望遠鏡で木星を見比べてください。縞模様の数,縞の詳細,木星本体の色合い,どんなに違って見えてくるか,じっくりと観察してみてください。

木星本体左右に目をやると,小さな光点が4つほど見えていると思います。この夜は,木星の片側に3個。反対側に1個見えています。

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この4つの星は,ガリレオ衛星とよばれ,木星の数ある衛星の中でも特に大きくて明るいもの。木星本体左側(望遠鏡により左右あるいは上下が逆になる場合があります)に3個見えている衛星は木星本体に近い方からカリスト,イオ。離れているのがエウロパ。エウロパは内部に膨大な量の海水があるといわれています。反対側に1つ見えているのはガニメデ。ガニメデは衛星でありながら,太陽系第一惑星である水星よりも大きな天体です。

木星の大きさは地球のおよそ11倍。そして10時間ほどで一回転します。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の猛烈な速さで自転しているということ。そのため,生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。良く観察してみてください。木星は上下(南北)の縦方向よりも左右(東西)の横方向の方に膨らんで,やや楕円形に見えてるはずです。

また,今夜の木星は模様もしっかり観察してみてください。大赤斑(だいせきはん)という赤っぽく感じる目玉のような特徴的な模様が見えているはずです。(注:大赤斑が観察可能なのは20時前頃まで)大赤斑の正体は,高気圧性の巨大な渦巻きだと言われています。大きさは地球がすっぽりと入るくらいのもの。巨大な渦巻きです。
※上の木星画像にも,この大赤斑が映り込んでいます。おわかりになるでしょうか。

続いて,木星の右(西側)に見えている太陽系第6番目の惑星である土星。
土星は,その見映え,神秘感,どれをとっても天体観望会ではNO.1の天体です。

木星に比べて土星は若干小さ目ですが,それでも地球の9個分の大きさを誇る大きな惑星です。また,環(輪っか)のあることで有名です。天体望遠鏡を使うと,その環も明瞭に見ることができます。神秘的なその姿をじっくりと味わってみてください。

土星の環は,小さな氷や小石からできていると言われています。
この環は年によって傾きが変わって見えますが,今季はけっこう斜め方向から見ていることになり,まるで麦わら帽子をかぶった頭,みたいな感じでしょうか。

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土星本体のそばには,木星ほど目立つわけではありませんが,いくつかの衛星を見ることができます。望遠鏡で見える土星の衛星の中で,一番明るいのはタイタンとよばれる衛星です。タイタンは木星の衛星ガニメデに次ぐ太陽系で2番目に大きな衛星で,液体の湖の存在が確かめられていて,生命の存在もうわさされている天体でもあります。土星の横方向に土星本体の約2倍ちょっと離れたところにある明るく小さな光点がそうです。

大きな望遠鏡では,タイタンの他に数個の衛星が見えますが,小型の望遠鏡ではタイタン1個だけかもしれません。

ちなみに木星までジェット機で行くと,およそ60年ほどかかります。一方土星までは130年。思った以上に近いと感じますか?遠いと感じますか?地球から木星までと土星まで,距離にして2倍ほどの違いがあるわけです。 1119_5

望遠鏡で木星と土星を覗き比べながら,太陽系の大きさ,スケールにもぜひ思いをはせてみてください。上に11月19日の太陽系の一部を図示してみましたが,地球から見て,木星も土星も太陽とは,だいたいですが反対側にありますね。こういう位置関係にある惑星は,夜中に条件良く観察できるため,観望好期にあるといえるんです。

さて,この図ですが,良く見てみると地球のすぐ近くまで火星がやってきているのがおわかりになるかと思います。火星は,2年2か月ごとに地球に近づいてきます。ちょうど来月,火星と地球は最接近。火星も地球を挟んで反対側にある,すなわち,12月に火星は観望好期になるというわけです。

当夜も20時頃からでしょうか,東の山の稜線上からこの火星が姿を見せてきます。
望遠鏡で見た感じは,土星本体と同じくらいの大きさ。赤っぽい地肌の中に,うっすらと黒い模様も見えるかもしれません。

火星は地球のお隣さんでもあり,太陽系第4番目の惑星です。大きさは地球の約半分。
火星表面における重力は地球の0.38倍。地球上で体重50kgの人は火星では19kgになります。軽々と飛び跳ねたりできそうですね。火星の一日は24時間37分で地球とほぼ同じ。うん,なんか住みやすそう。

だけど火星には酸素がありません。重い酸素ボンベを背負わないといけません。それに,火星の平均気温は-55℃。ダウンを何枚も重ね着しないといけないかも。(もちろん宇宙服も必要ですが)
思ったよりも住みやすい?いやいや,かなり住みにくい?どう感じますか?
NASAは2033年までに人類を火星に送り込むと発表しています。その頃には,火星のより詳しい様子もわかってくるのでしょうね。

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木星と土星の観察が終わったら,星空全体を見渡してみましょう。

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上図は,18時半頃の北方面の星空を示しています。

観望会の開かれる駐車場側からは,北の方角に博物館の建物があるので,北側の高度の低い星座は見えにくいかもしれません。

ここでは,季節柄,秋の代表的な星座の一つであるカシオペヤ座を見つけてみましょう。カシオペヤ座は,北極星を見つけるときによく利用されるW型のとても見つけやすい星座です。でも,今の時期は立って見えているので,『W』というよりも数字の『3』っぽく見えるかもしれませんね。
秋の星空の代表選手,ぜひ見つけてみてください。

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というところで,ここで久しぶりにクイズです。
<クイズ>
問題!,カシオペ座とカシオペ座,どっちが正しい?(正解は最後に)
1:カシオペヤ座・・・だって,この博物館の説明には『カシオペヤ座』と表記されてる。
2:カシオペア座・・・JR東日本の青森へと走る寝台列車の名称は『カシオペア号』。
3:どちらでもいい・・・えっ,そんなのあり?!

 では,カシオペヤ座付近にあるオススメの天体を紹介しておきましょう。

 所属はペルセウス座になりますが,このカシオペヤ座のすぐ近くに,見事な散開星団(ほぼ同時期に誕生した星々が比較的近い領域に集まってる天体)が二つピッタリとくっついた天体,二重星団(h&χ) があります。
 倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。赤っぽい星があちこちに見られ,美しさをいっそう引きだたせています。
※距離は1,400光年

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それから,所属はアンドロメダ座になりますが,このカシオペヤ座の少し左(東)に,系外星雲(天の川銀河<銀河系>の外にある銀河)である,アンドロメダ座大星雲(M31)。M31は,肉眼で見える最も遠い天体でもあります。

倍率は低めの方が全体像がわかりやすいといえます。渦巻きにはなかなか見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもあるビッグな天体です。天体望遠鏡では渦巻きのうちの中心部がボンヤリと見えます。230万年前にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。期待するほど鮮明には見えないのですが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年

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M31と同じアンドロメダ座に,美しい二重星(肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つの星として見える天体。実際に二つの恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。たまたま同じ方向にあって,二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。)があります。

名前は,アルマク。
2等級の青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる『連星』です。

似たような色の組み合わせのアルビレオという二重星がはくちょう座にあります。こちらも有名ですが,アルマクの方が,より接近し合ってるせいか色が濃く感じられる気がします。

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☆アルマク:これは写真ではなくてイメージです。

そして,秋の星空の南半分です。

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注目は,秋空にたった一つの一等星フォーマルハウト。そして秋の四辺形。四辺形とはペガスス座の四角形のことです。ペガスス座は,ほとんど天頂近くに見えています。ただ,2等星と3等星とから構成されるこの四角形を見つけるのは簡単ではないかもしれません。正方形に近い四角形を探してみてください。斜めに見えるので,ひし形っぽく感じるかもしれません。

ペガススは,お化けくじらに襲われそうになったアンドロメダ姫を,救いに現れたペルセウスを乗せた天馬。空を飛ぶスピードが速すぎるため,下半身を置き去りにしてしまったともいわれる天馬です。そんなわけで,上半身しかありません。

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写真では,ペガススは逆さまになっています。右上に2本の前足。右下に首から頭があります。四辺形は,ペガススの胴体の上半分ということです。

このペガススの頭の先に大きめの球状星団(恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体)があります。天体の符号はM15。高倍率で観察するとブツブツ感がはっきりしてきます。また,大きな望遠鏡ほど個々の星々に分解して見えてきます。どれも120億歳と高齢の星ばかりで,その数は十万個を超えるそうです。この天体は,大きな望遠鏡で観察してみてください。
※距離は33,000光年

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最後に紹介するのは,観望会終盤に東空に見えてくるおうし座の散開星団すばる(プレアデス星団,M45)です。低倍率で見るとたいへん見応えがあります。息をのむほどの美しさを感じる人も多い天体です。すばるは秋ではなく冬の天体。早い時間帯に,このすばるが見えるようになると冬はもうすぐです。

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<注>
 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mは観測者メシエのMです。

☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
 木星,土星,火星
 ベガ,アルタイル,デネブ,夏の大三角,
 カシオペヤ座,ペガスス座,秋の四辺形,
 フォーマルハウト,
 M31,二重星団(h&X),すばる,M15,
 アラマク 他

 この夜間観望会の主役は,観望好期となっている木星,土星の2つの惑星,そして遅くに顔を見せる火星かもしれませんが,月明かりに影響されない夜は,多くの星雲星団がとてもよく見えます。上に紹介した星雲や星団以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。
 冷え込みも相当に気になる時期です。防寒に気を付けて,いろいろな天体の観望をじっくりとお楽しみください。
 また,当館の観望会では様々な天体望遠鏡が準備されています。
 大小,大きさの異なる望遠鏡で,また鏡を使った反射望遠鏡とレンズを使った屈折望遠鏡とで,同じ天体でもどう違って見えるのか,ぜひ確かめてみてください。

※HP中の星座図,太陽系図は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように,一部若干の加工をしてあります。
 星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

<クイズの解答>
 正解は3
 ただ,文部科学省検定教科書では,『カシオペヤ座』で統一して表記されているので,当解説文内では,『カシオペヤ』で記載しています。『カシオペア座』でも間違いではありません。

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