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【開催済】10月15日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2022/10/15
更新日:2022/10/15

10月15日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。
*募集数に達しましたので予約受付を終了致しました(9月22日15時18分)

【日時】
2022年10月15日(土)
18時30分:開場・受付開始
18時45分:オリエンテーション
19時00分:観望会開始
20時30分ころ:終了予定

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】10組(40名程度)
*新型コロナウイルス感染症拡大防止のため募集数を減らしています。

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・明らかな曇天時】
・開催中止に致します
*通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
*開催中止のお知らせは観望会当日の正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。
*募集数に達しましたので予約受付を終了致しました(9月22日15時18分)


 

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10月15日(土)の天体観望会で見える星空(天体)の見どころを紹介します。

 秋分も過ぎて3週間ほど。暦の上では秋のど真ん中。夏場に比べて,暗くなるのがずいぶんと早くなってます。観望会の始まる19時でも空はかなり暗くなっていて,星々も何個か見えてきていると思います。
 ところが,秋の星空には一等星が一つしかありません。なんと寂しいことでしょう。ちなみに春の星空には3個,夏の星空には4個,冬の星空に至っては7個。そんな中で秋には1個。
 ちょっと夜空を見上げて,その一つを探してみましょうか。

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 上の円形星空図は,観望会当夜20時頃に見える星空です。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 では,一つだけの一等星わかりますか?
 えっ?! ベガにアルタイルにデネブがあるって?
 確かにそうですね。天頂付近には,まだ夏の大三角が見えています。ですが,この3つ星は夏の一等星。秋の一等星は,みなみのうお座のフォーマルハウトです。地球からおよそ25光年ほどの超ご近所にある恒星です。25光年というと,ベガまでとほとんど同じ距離。大きさは太陽の2倍ほどで,まだまだ若い星でもあります。
 まずは,秋の一等星フォーマルハウト,星図の中で,どこにあるか見つけることはできましたか。
 南の空のけっこう低いところにありますね。
 そこで実際に南の方角に身体を向けて,見上げてみるとこんな感じ。

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 この図は,当夜20時前の南方面を向いて,見上げたときのイメージです。
 (注)イメージ化しているおおまかな図なので,実際の星の高度,配置とは違っています。

 南の低いところにあるフォーマルハウトの場所はわかりそうでしょうか。そして,フォーマルハウトの左上(東側)と右上(西側)に明るい星があるのもおわかりになるかと思います。特に左上の方の星はギラギラに輝いていてまぶしいほど。
 この左側の明るい星が,太陽系第5惑星の木星。右側の星が,太陽系第6惑星の土星。いつもの秋の空には,一等星が一個だけしかないのですが,今年はこの木星と土星が加わって,いつもの秋とはかなり違う印象があります。夏の大三角の3恒星も含め,これだけ明るい星が揃っていると,けっこう賑やかな印象で,秋空の寂しさは感じないかもしれませんね。

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 さて,この夜の観望会の主役は,もちろんこの木星と土星でしょう。
 まずは,先に目立つ位置(西側)に来ている土星から紹介しましょう。
 土星は,天体観望会では人気NO.1の天体。
 木星は地球の11個分ほどの大きさ。それに比べて土星は若干小さ目ですが,それでも地球の9個分の大きさを誇る大きな惑星です。また,環(輪っか)のあることで有名で,観望会では,望遠鏡を覗いたときに,いつも歓声が上がる天体でもあります。天体望遠鏡を使うと,その環も明瞭に見ることができます。

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 土星の環は,微小なものから岩塊ほどのサイズの氷,そして小石や岩からできていると言われています。
 惑星探査機ボイジャーやカッシーニの探査結果から,この環を構成している氷が雨のように土星本体に降り注いでいることがわかってきました。あと一億年もすれば,土星の環は消えてなくなるかもしれないということです。
 遠い未来,土星の環は消えてなくなるってこと。ところが,もっと近い3年後の2025年,この土星の環は見えなくなります。(どうしてだと思いますか?気になる方は,先月の観望会案内をご覧ください。)その3年後の環の消失に向けて,細くなってきている土星の環。まだまだ土星らしい姿です。

 土星本体のそばには,木星ほど目立つわけではありませんが,いくつかの衛星も見ることができます。望遠鏡で見える土星の衛星の中で一番明るいのはタイタンとよばれる衛星です。タイタンは木星の衛星ガニメデに次ぐ太陽系で2番目に大きな衛星で,液体の湖の存在が確かめられていて,生命の存在もうわさされている天体でもあります。

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 土星本体の左下方向(望遠鏡により左右,上下が逆になる場合があります)に土星本体の約3倍ほどに離れたところにある光点がそうです。
 ※タイタンは土星の周りを回っているので,いつもその位置にあるわけではありません。

 次に,太陽系最大の惑星である木星。
 望遠鏡で木星を覗いてみると,明るく丸い木星本体に数本の縞模様が見えてきます。この縞模様,何本見えるでしょうか?ちょっと数えてみてください。
 天体望遠鏡は,レンズや鏡の直径が大きな望遠鏡ほど細かい模様が良く見えるとされています。観望会で準備された大小様々な望遠鏡の見え具合を,縞模様の数や見え具合を元に見比べてみるのも,けっこう楽しいかもしれません。いわゆる望遠鏡の性能比較です。
 大きな望遠鏡で木星を見ると,この縞に凸凹のような細かい模様も見えてくるときがあります。慌てないでじっくりと観察して模様の詳細も確かめてみてください。
 大小様々な望遠鏡での見え方の違い,鏡を使った望遠鏡(反射望遠鏡)とレンズを使った望遠鏡(屈折望遠鏡)との見え方の違いなども意識して観察すると,またおもしろいかもしれません。

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 木星本体左右に目をやると,小さな光点が4つほど明るく見えていると思います。この夜は,木星の一方に(望遠鏡により左右,あるいは上下が逆)に3個。反対側に1個見えています。

1015_7この4つの星は,ガリレオ衛星とよばれる,木星の衛星の中でも特に大きくて明るいものです。木星本体の片方に1個見えている衛星はエウロパ。地表下に大量の水が存在すると考えられている衛星です。もしかしたら生命が誕生している可能性も・・・。反対側の3つの衛星は,木星本体に近い順に,イオ,ガニメデ,カリスト。ガニメデは太陽系第1惑星の水星よりも大きな天体です。衛星なのに惑星よりも大きいんですね。
 木星の大きさは地球のおよそ11倍。そして10時間ほどで一回転します。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の速さで自転しているということ。猛烈な自転速度ですね。そのために生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。良く観察してみてください。木星は上下(南北)の縦方向よりも左右(東西)の横方向の方に膨らんで,やや楕円形に見えてるはずです。
 ガス惑星である木星は,太陽になり損ねた惑星と言われています。木星の主な組成分は,太陽と似ています。それなのに太陽のような恒星にならなかったのは,質量が足りなかったからなんです。もし,木星の直径が今の1.5倍ほどあれば核融合を起こして,小型の恒星になっていたのではと考えられています。
 また,もっと木星が大きかった場合,太陽のような中型の恒星になってた可能性も考えられ,そのときは,木星の明るさは-20等以上になるそうです。そうすると,夜も2つめの太陽が輝くことになり,昼間のように明るくなって,もう夜ではなくなってしまいます。世界から夜が消えてしまい,昼夜のリズムが崩れて,もしかしたら生命の誕生もなかったかもしれません。木星が今のサイズで良かったというのが正直なところでしょうか。
 生命誕生に結びつく偶然が,こんなところにも潜んでいるんですね。いろいろなことを想像すると,宇宙に対するロマンも感じられることでしょう。この秋は,太陽系の2つの巨大惑星の観察に最も適した時期となっています。じっくりと惑星観察を楽しんでみてください。

 それでは,惑星についてはこれくらいにして,続いて星座の方に目を移してみましょう。
 秋の星座で有名どころといえば,一つはカシオペヤ座,そして星座ではありませんが秋の四辺形といったところでしょうか。この秋の四辺形はペガスス座の一部。
 上の円形星図をもう一度ご覧ください。
 ペガスス座から東,南東,北方面を探すと,カシオペヤ座,アンドロメダ座,ペルセウス座,ケフェウス座,くじら座などが見つかります。これらの星座は,2等~4等といった明るくない恒星が多く,全体の形を見つけるのは簡単ではありません。(カシオペヤ座は例外,見つけやすい!)
 でも,これら地味かもしれない秋の星座たちは,神話の中で壮大な物語を展開しているのです。それを少し紹介しておきましょう。エチオピア王家の物語です。

 古代エチオピアにアンドロメダという名の姫がいました。
 アンドロメダは,エチオピアの国王のケフェウスとその妃であるカシオペヤの間に生まれた美しい王女で,その美しさゆえ,母親のカシオペヤは娘の自慢ばかりをしていました。そして,海の妖精であろうとアンドロメダの美しさにはかなわないだろうと口をすべらせたことで,海神ポセイドンの怒りをかってしまいます。
 怒ったポセイドンは巨大くじらをエチオピアの海岸に差し向けました。
 くじらといっても,ただ大きいだけのくじらではありません。恐ろしいつめの生えた手が2本,鋭い牙が生え並んだ口,その口から海水を吐くだけで大津波が起こるという怪物です。
 大津波に苦しむ民衆に頭をかかえた国王ケフェウスが神様に相談にいくと,それはカシオペヤの自慢話が原因であることがわかりました。そして海神ポセイドンの怒りを抑えるには,王女アンドロメダをお化けくじらの生け贄にささげるしかないと告げられたのです。
 もちろん,王はかわいい娘を差し出すことをためらいます。しかし,その話を知った国民がアンドロメダ姫をさらい,両手に鎖をかけて岩に縛り付けてしまったのです。
 やがて,岩にくくりつけられたアンドロメダ姫を見つけて,お化けくじらがやってきました。アンドロメダ姫に対して大きな口をあけて襲いかかるお化けクジラ。アンドロメダ姫が恐怖のあまり気を失いかけたそのときです。白い天馬(ペガスス)に乗った一人の若者が大空から舞い降りてきました。
 勇者ペルセウスです。
 ペルセウスは袋からメドゥーサの首を取り出し,お化けくじらにその顔を向けました。なにしろ顔を見たものは全て石になってしまうというメドゥーサの首ですから,お化けくじらといえどもひとたまりもありません。あっさりと石になってしまい,海に沈んでいきました。
 ペルセウスはアンドロメダ姫に一目惚れし,結婚を申し込みます。また,ケフェウス王もペルセウスの勇敢な姿にすっかりほれこんでしまって,娘との結婚を承諾しました。

いかがですか,この話に出てくるケフェウス,くじら,ペルセウス,アンドロメダ,カシオペヤが,全て星座として出揃っているのが秋の星空の特徴の一つ。単純なストーリーですが,星空を舞台に展開される物語,とても壮大に感じませんか?

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 天頂から東方面にはペガスス座。ペガスス座の秋の四辺形,大きな四角形です。見つけやすい木星や土星を目印に,ぜひ見つけてみてください。そして,東から北方面にはカシオペヤ座。北極星を見つけるときによく利用されたり,W形の見つけやすい星座だったりと,何かと有名な秋を代表する星座の一つです。
 星空図を参考に,観望会が始まるまでの時間,少し空を見上げてみましょう。三角形に四角形,W型と,いろいろな形を目印に観察を進めることができそうな10月の星空。目が慣れてきたら,先に紹介したエチオピア王家の物語に登場する星座たちも探してみてください。

 最後に,当夜,見て楽しめる天体を紹介しておきましょう。
 まだ夏の星座や天体も見えていますが,今回は秋の天体を中心に解説しておきます。

☆★散開星団
 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体

ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のW形の近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。赤っぽい星があちこちに見られ,二重星団の良いアクセントになっています。
※距離は1,400光年

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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)

M31(アンドロメダ座大星雲)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体です。倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きにはなかなか見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもあるビッグな天体です。望遠鏡では渦巻きのうちの中心部がボンヤリと見えます。江戸時代後期にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。写真のようには見えませんが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年

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☆★二重星
 肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。たまたま同じ方向に近寄って見えている見かけ上,二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。

アルマク(アンドロメダ座の二重星)
 アンドロメダ座には美しい二重星があります。アルマクという名の二重星で明るさは2等級。青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる『連星』です。
 似たような色の組み合わせのアルビレオという二重星がはくちょう座にあります。こちらも有名ですが,アルマクの方が,より接近し合ってるせいか色が濃く感じられる気がします。

                ☆アルマク:これは写真ではなくてイメージです。
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☆★球状星団:
 恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。
 多くは天の川銀河(銀河系)の周辺部に存在します。
M15・・・ペガスス座にある球状星団。
 天馬ペガススの頭の先にある。秋を代表する球状星団。数ある球状星団の中でも最も古い部類となる。距離は33,000光年

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<注>
 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mは観測者メシエのMです。

☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
 木星,土星,
 フォーマルハウト,ベガ,アルタイル,デネブ,
 秋の四辺形,夏の大三角,
 こと座,はくちょう座,わし座,
 カシオペヤ座,ペガスス座,アンドロメダ座,
 M31,二重星団(h&X),M15,
 二重星アルマク 他

 この夜間観望会の主役は,木星,土星の2つの惑星かもしれませんが,月明かりに影響されない夜は,多くの星雲星団がとてもよく見えます。まだ夏の星雲星団も見えています。上に紹介したもの以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。

<例>
  ★アルビレオ・・・はくちょう(座)の口ばしにあたる星
         オレンジと青の組み合わせがとてもきれいな二重星
  ★こと座ε(イプシロン)星・・・二重星が二重になってる?ベガの近くにあります。
         通称『ダブルダブルスター』
★こぎつね座の惑星状星雲M27・・・銀行の地図記号に見えるといううわさ。

 いろいろな天体の観望をぜひお楽しみください。
 また,当館の観望会では様々な天体望遠鏡が準備されています。
 大小,大きさの異なる望遠鏡で,また細長い望遠鏡や太短い望遠鏡とで,同じ天体でもどう違って見えるのか,いろいろと見比べができそうです。興味のある方はぜひチャレンジを。

※HP中の星図,星座絵図は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
 円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

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