お知らせ

変光星観測者や天文台にはそれぞれのネットワークがあり6月7日にさそり座にある反復新星さそり座Ｕが普段の18等（一般的な望遠鏡では見えない暗さ）から11等に増光したとの緊急速報がありました。その後の観測で8等台に達したことがわかりました。

これまでの研究から新星は、白色矮星と低温の伴星との連星で起こる爆発現象であることがわかってきました。新しい星が生まれて突然、見えるようになったのでなく、伴星から流れ込んだガスが白色矮星の表面に降り積もり、爆発的な核燃焼を起こす現象が新星爆発です。通常、その間隔は数千年から数万年くらいと推定されています。

ところが、白色矮星の質量が大きく伴星が赤色星の場合などは爆発の間隔が短くなり、数十年ほどの間隔で新星爆発を起こすものもあります。さそり座Uがこれになり再帰新星とか反復新星と呼ばれています。

新星爆発は急激に増光し急激に減光します。さそり座Uも6月10日には10等以下に減光しましたが天体望遠鏡博物館会員のＨＴ氏（香川県高松市）が撮影に成功しました。

＜画面中央附近　→で示した位置に反復新星さそり座Ｕが写っています。写真中の数字は星の等級×10　例えば86だと8．6等を表しています＞

撮影日時：2022年6月10日　午前0時28分～30分（月明あり）
撮影地：香川県高松市
撮影者：天体望遠鏡博物館　会員ＨＴ氏（香川県高松市）
撮影データ
タカハシＦＳＱ－８５ＥＤ＋０．７３ＲＤ（Ｄ８５ｍｍ、ｆ３２７ｍｍ、Ｆ３．８）
ＮＩＫＯＮ 810A　ＩＳＯ１６００　露出５秒×１６枚スタック　トリミングしモノクロに変換

さそり座の中での位置や反復新星の詳しい説明はアストロアーツ社のサイトを参考にして下さい。

https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12569_u_sco