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【開催中止】7月23日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2022/07/23
更新日:2022/07/16

7月23日(土)の夜間天体観望会は開催中止に致します。

天気予報では18時ころから曇天になります。星空を望める天候ではないと判断致しました。夜間天体観望会を楽しみにされている皆様の期待に応えられず残念ですが、ご了承下さいますようお願い申し上げます。(12時37分記載)

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7月23日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。
*募集数を超える予約申し込みがございましたので、予約受付終了致しました*

【日時】2022年7月23日(土)
    受付開始:19時15分~
    オリエンテーション:19時30分~
    観望会:20時~21時
【内容】オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円
     就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集組数】20組(80名程度)
【オリエンテーションの内容】
 ・今夜の星空のシュミレーション
 ・本日の天体望遠鏡の味わい方
 ・天体望遠鏡の見方・使い方説明
 ・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明
【雨天・明らかな曇天時】
 ・開催中止に致します
 *通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室
内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
 *開催中止のお知らせは観望会当日の正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。

募集数を超えるお申し込みがありましたので、予約受付を終了致しました(2022年6月27日9時58分)

7月23日星空の概要

東星図線入り

2022年7月23日21時 東の星空-天の川や夏の大三角形など見所が続きます

南星座線入り

2022年7月23日21時 南の星空-天の川、さそり座・いて座方面の星雲星団など多数の見所があります

7月23日の星空案内

 7月23日(土)開催予定の天体観望会の楽しみ方や,見ておもしろい天体をいくつか紹介します。

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 この夜は月が見えない位置にあります。そのため,月明かりに邪魔されず,『星空』をじっくりと味わえる観望会だといえます。ただ,20時近くになっても,まだ空は明るさが残っています。まずは暗くなりゆく空を見上げながら,一番星でも探してましょう。
 少し首が痛くなるかもしれませんが,まずは南に身体を向けて真上を見上げてみましょう。
 すると,下図のように明るく目立つ星(一等星)の配置がおわかりになるかと思います。
 ※図は,多少イメージ化したおおまかな図なので,実際の恒星の位置関係とは違っています。

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 これらの一等星は,主に西(右)側に,春の星座であるうしかい座のアークトゥルスおとめ座のスピカ。そして東(左)側に,夏の星座であること座のベガわし座のアルタイルはくちょう座のデネブ。そして南にさそり座のアンタレス。一等星としては計6つの星が見えているはずです。

 ただし,同じ”1等星”といっても実際は明るさは微妙に違います。この6つの星を明るさ(等級)順に並べてみると①アークトゥルス(-0.04等),②ベガ(0.03)等,③アルタイル(0.7等),④スピカ(1.04等),⑤アンタレス(0.91等),⑥デネブ(1.25等)という順になります。違いは小さいようですが,実際に1番明るいアークトゥルスと6番目のデネブを比べてみると,その明るさの違いは肉眼でも容易にわかるほどのものです。
 ところで,これらの一等星の名前には,いったいどんな意味があるのでしょうか。それぞれの一等星がどんな恒星なのかもふまえながら,簡単に紹介してみましょう。

アークトゥルス:熊の番人「日周運動で,おおぐま(座)の後をついて行くように見える」
 この星が頭上に見える頃になると,日本では麦の刈り入れを始めたことから,『麦星』とも呼ばれる。太陽の20倍以上の大きな恒星。距離は36光年。

スピカ:穂先「女神が手に持つ麦の先っぽに位置する」
 表面温度が20,000度を超える熱い星。明るさは太陽の700倍。太陽の100倍の速度(秒速200km)で自転している若くて元気(!)いっぱいな星。

ベガ:落ちる鷲「こと座の星の並びを,鷲が下方向に滑空する形に見立てた」
 七夕の織姫星。距離26光年。12,000年後には北極星になります。

アルタイル:飛ぶ鷲「わし(座)の星の並びを,羽を広げて飛ぶ鷲に見立てた」
 七夕の彦星。距離17光年と,夏の一等星の中では一番のご近所さん。スピカよりも自転が速く(秒速250km),そのため赤道方向に大きく膨らんでいる。

デネブ:雌鳥の尾「はくちょう(座)の尻尾の部分に位置する」
 大きさは太陽のおよそ100倍。明るさも太陽の50,000倍以上。デネブが一日で放射するエネルギーは太陽が140年かけて放射する量と同じ。そんな猛烈な星なのに,夏の一等星の中では一番暗いのは遠く(距離1,400光年)にあるため。

アンタレス:火星に対抗するもの(敵)「赤い色の星同士のライバル」
 大きさは太陽の700倍という超巨星。太陽からの距離は550光年。かなり高齢な星。

 見かけは一つの光点であっても,それぞれに個性があります。一つ一つの星がどんな星かを意識しながら,実際の星を見るとまたひと味違った観察ができるかもしれませんよ。
 さて,空が十分に暗くなってくると,たくさんの星々が見えてきます。こうした明るい一等星の位置を目印に,いろいろな星座を探してみましょう。

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 上の円形の星空図は,7月23日午後8時頃の天空全体の様子を示しています。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 南西に空高く,明るく輝くうしかい座の一等星アークトゥルス。そのもう少し南に,おとめ座の一等星スピカ。北の空高く見えている北斗七星の柄の部分を延長して,アークトゥルス,スピカと結んだ曲線が春の大曲線。この時間帯では,西空方向にはまだ春の星々が見えているということです。
 一方,天頂から東方向に見えること座の一等星ベガ,はくちょう座の一等星デネブ,わし座の一等星アルタイルの3星からなるのが夏の大三角
 このように,春の星空から夏の星空へと切り替わっていく様子が,この時間帯では観察できるでしょう。

 夏の星座・夏に見やすい天体はたくさんありますが,今回はその中から,さそり座,夏の大三角,ヘルクレス座の3つに注目してみましょう。

 まず,20時頃にはほぼ真南にあるさそり座。赤っぽい1等星のアンタレスが目印です。

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 アンタレスはさそりの心臓付近にあります。
 基本的に,赤い星は,大きい,高齢,低温という特徴があります。アンタレスも,ほぼ終末期を迎えているといわれている星です。大きな星なので,最後には超新星爆発を起こします。太陽から550光年と比較的近いところにある星なので,爆発すると,もしかしたら太陽系や地球にも何らかの影響が及ぶかもしれません。
 アンタレスの名前の語源は,『アンチ・アレス』。火星の英語読みは『マーズ』ですが,ギリシャ語源を探すと火星は『アレス』。アンチは『対抗する・反対する』といった意味。すなわちアンタレスは『火星に敵対するもの』という意味になります。敵同士なんでしょうか。赤い星同士ですから,勝負のポイントは明るさと赤色の強さ?明るさでは火星に全くかないませんが,色指数という示準を元に赤みを比べるとアンタレスの方が赤いということになっています。一勝一敗でこの勝負は引き分けといったところかな。
 そのアンタレスのすぐそばにM4という球状星団があります。球状星団というのは,星が数万~数十万個集まってボール状に見えている天体。どうしてこのような天体が生まれたのか詳しくは解明されていませんが,どの星も高齢なため,銀河が生まれた頃と同時に誕生した可能性があるのではといわれています。
 M4は,それほど目立つ天体ではありませんが,アンタレスにすごく近いため見つけやすいということが特徴だといえます。光度も6等と,球状星団としてはまずまずの明るさで,双眼鏡でも簡単に見つけることができます。

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 このさそり座から東隣のいて座にかけては,たくさんの星雲や星団があります。ここでは
M7という散開星団を紹介しておきましょう。散開星団というのは,数十から数百の恒星が不規則に集まっている天体をいいます。

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 M7はさそり座のしっぽのところにある,双眼鏡でもよく見える天体です。倍率は低めの方が星々が散らばりすぎず,全体像が見渡せることもあり見た印象は良い感じがします。

 続いて,夏の大三角です。
 天頂から少し左(東)付近に見えています。かなり大きな三角形です。
 小学校の理科の教科書にも出てくるので,夏休みの課題の一つとして,お子様と一緒に探してみるのもいいかもしれませんね。正三角形というより二等辺三角形に近いでしょうか。

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 この夏の大三角を見つけることができたら,どの星がベガ,デネブ,アルタイルなのかを特定してみましょう。
 星空を観察する場合,方角を意識することはとても大切なことです。まずは南北方向,東西方向を確かめておきましょう。
 上の図は南が下になってます。すなわち一番南にあるのがアルタイル。西にあるのがベガ。残る一等星がデネブです。そして,よく見ると(空の澄み具合にもよりますが)ベガとアルタイルの間を北から南へ天の川が流れているのがわかると思います。うっすらと煙のように,あるいは薄雲のように見えるはずです。

 七夕のお話に登場する彦星織女星が,それぞれアルタイルとベガになります。七夕の星を見ると,今日は7月23日だから七夕は過ぎてしまってる,なんて考えてしまいますよね。
 ところが本来の七夕は7月7日ではないんです。この本来の七夕(旧暦の7月7日)というのは,月の動きを基準にした旧暦に基づいたもので,『旧暦による七夕』とか『伝統的七夕』というようによばれたりもします。旧暦は月の満ち欠けにより月日が決まります。現在の暦に当てはめると,旧暦の7月7日(旧暦の七夕)は毎年変わってきます。
 この(由緒正しい?)旧暦による七夕,今年は8月4日で,あと12日ほど先。今年の七夕はまだ終わっていないんです。
 旧暦の7月7日は,新月から7日目ということで,新月から6日ほど経過していることになります。すなわち,旧暦による七夕の夜には,月齢が6前後の半月に近い月が必ず見られることになるんです。まるで,彦星と織姫を乗せて天の川を渡る舟のように,です。

 夏の大三角の中にも見物となる天体が数多くあります。まず,M57(ドーナツ星雲ともいわれます)という惑星状星雲を紹介しましょう。惑星状星雲というのは,大爆発をせずに一生を終えた恒星から放出されたガスが,中心にある星の残骸によって照らされている天体をいいます。

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 それから,はくちょう座のくちばしの先っぽにあたる星に注目です。
 この星はアルビレオ とよばれる二重星。二重星とは肉眼で見ると一つの星だったりするものが,望遠鏡で見ると二つの星に見える天体。アルビレオは,たまたま二つの星が同じ方向に接近して見えているだけの見かけの二重星ですが,おもしろいのはその色の対比。3等級の黄色い星と5等級の青い星が並んで見えている天体です。
 アルビレオは,それほど倍率を高くしなくても楽しめる二重星です。

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 さそり座を出発して,時計回りに主な星座や天体を紹介してきましたが,最後はほぼ天頂に見えているヘルクレス座です。ヘルクレス座には1等星も2等星もないので,全体の形は追いにくい星座かもしれません。このような暗目の星で形作られている星座は,月明かりのない夜に見つけるのがベターです。そういう意味で,今夜はヘルクレス座をきちんと見るチャンスです。

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 上の絵図からわかるように,ヘルクレス座は逆さまです。Hの文字が真ん中でへしゃげたような形?,崩れた下向きの矢印?のような7角形型。このように逆さの胴体の部分は特徴的な形なので,何とか見つけ出すことができるでしょうか。ただ,4等星より暗い星で構成される両手両足の部分は,肉眼ではわかりにくいでしょうか。

 ヘラクレスは,大神ゼウスの奥さんであるヘラからの恨みを受けて,それから解放されるために12の難題をクリアする使命を授かります。神話好きな人にはこの物語はオススメです。
 ヘルクレス座は全天で5番目の大きさをもつ星座。暗いけど迫力の大きさです。ギリシャ神話に出てくるこの英雄の名は『ヘラクレス』ですが,星座名はラテン読みをされていて『ヘルクレス座』となっています。
 この星座には,北天一美しい球状星団といわれるM13があります。位置はヘラクレスの腰のあたり。大きめの望遠鏡に高倍率をかけて覗くと,星々がブツブツした感じに分離して見えて,星が密集してるイメージが伝わってきます。密集した恒星の数は50万個以上といわれています。
 球状星団は,大きな望遠鏡で観察することをオススメします。ものすごい数の恒星がツブツブ状に見えてきて,それはそれは見事なものです

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 ここまで,さそり座,球状星団M4,散開星団M7,夏の大三角,惑星状星雲M57,二重星アルビレオ,ヘルクレス座,球状星団M13と,見栄えのする天体を紹介してきましたが,当夜は,この天体以外にもおもしろく楽しめる天体がたくさんあります。
 例えば,
 球状星団M22・・・いて座にあり,M13に負けない立派な球状星団です。
 惑星状星雲M27・・・地図記号の銀行マークのようなおもしろい形をしています。
 散光星雲M8・・・散開星団と散光星雲がくっついています。
 こと座のダブルダブルスター・・・二重星がダブル!
関心のある方は,ぜひいろいろな天体を導入してもらって,楽しんでみてください。

☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
 ベガ,アルタイル,デネブ,アンタレス,アークトゥルス,スピカ,
 さそり座,こと座,はくちょう座,わし座,ヘルクレス座,
 夏の大三角,七夕の星,天の川,
 M4,M7,M8,M13,M22,M27,M57
 アルビレオ,こと座ダブルダブルスター 他

<注>
 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mはメシエの略号です。

※HP中の星図,星座絵図は,アストロアーツ社製StellaNavigator10,11で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を浸かって撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
 円形星図,説明図等はAdobe社製Illustratorで作図しています。

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