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【開催済】6月4日(土)夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2022/06/04
更新日:2022/05/22

本イベントは開催済みです

6月4日(土)本日の夜間天体観望会は開催致します。

夕方から曇天になるとの天気予報ですが、曇り時々晴れを期待して開催致します。


 

6月4日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。
*募集人数を越えるお申し込みがありましたので予約受付を終了致しました。2022年5月29日01時30分

【日時】2022年6月4日(土)
    受付開始:19時15分~
    オリエンテーション:19時30分~
    観望会:20時~21時
【内容】オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円
     就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集組数】15組(60名程度)
【オリエンテーションの内容】
 ・今夜の星空のシュミレーション
 ・本日の天体望遠鏡の味わい方
 ・天体望遠鏡の見方・使い方説明
 ・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明
【雨天・明らかな曇天時】
 ・開催中止に致します
 *通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室
内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
 *開催中止のお知らせは観望会当日の正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。*募集人数を越えるお申し込みがありましたので予約受付を終了致しました。2022年5月29日01時30分


 6月4日開催の天体観望会での見どころを紹介します。
 当夜は午後7時30分よりオリエンテーションを行ってから,観望会のスタートとなります。
 6月初旬,例年ではそろそろ梅雨入りという時期でもあります。そしてもうすぐ夏至。日没も一年で最も遅くなる時期です。この日の日没は午後7時過ぎ。オリエンテーションが終わる頃になっても,空はまだ明るく青みも残っていることでしょう。

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 観望会開始前,主な観望場所となる博物館駐車場には数多くの天体望遠鏡が並んでいます。
 細長い筒の望遠鏡や太短い筒のもの。色も黒っぽい望遠鏡や白い色のもの。サイズも大小様々。多様な天体望遠鏡が並んでいると,それぞれの望遠鏡ではどんな風に見えるんだろうかって,ワクワクした気持ちにきっとなると思いますよ。

 天体望遠鏡は,基本的に鏡を使ったものとレンズを使ったものの2種類に分けることができます。鏡を使った望遠鏡を反射望遠鏡といって,大まかにいうと太短い。レンズを使った望遠鏡を屈折望遠鏡といって,一般的には細長い。さて,その2種類の望遠鏡,見え方にはどんな違いがあるのでしょうか。もちろん同じ望遠鏡でも大きな鏡やレンズを使っているものもあれば小さな鏡・レンズを使っているものもあります。それぞれに見え方にはどんな違いがあるのでしょう。そう,ここは天体望遠鏡博物館。様々な天体望遠鏡の見え方や,望遠鏡の構造の違いなんかにも目を向けながら星空を観察するというのもおもしろいと思います。
 もし関心がありましたら,観望会の開始までの時間,並んでいる数々の望遠鏡を見て,どれが屈折望遠鏡でどれが反射望遠鏡なのか,その識別にチャレンジしてみてください。

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 さて,オリエンテーションも終わり,望遠鏡の特徴なんかもチェックしているうちに空もじわじわと暗くなってくるはずです。
 ここで西方向の空に目を向けると,三日月より少しふくらんだ月(月齢5)が見えています。
※月齢(げつれい)というのは,新月のときを0として数えた経過日数。新月から満月,そしてまた新月に戻るまでの日数は29.5日。通常,月の満ち欠けの度合いを示す数値として扱われます。

 のんびりしていると,この月は西方面の山の稜線に隠れてしまいます。まずは,この月から観察していきましょう。

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 望遠鏡を使って観察すると,月はとても明瞭に見ることができます。何といっても一番近い天体ですからね。特に三日月から半月頃の月は,太陽光が横方向から当たっているために,月面のクレーターや凸凹を特にコントラスト高く見ることができます。
 上の月の写真は,6月4日に見える月に近い月の画像です。
 画像の真ん中よりもやや上あたりにツルツルしていて,平坦で凸凹感のない部分(『海』といいます)が見えてます。この辺りが,餅つきをしているウサギの頭→耳になります。大きな2つの耳が,カニのはさみのように下向きに見えています。

 それでは,昔から一番身近に感じられた天体であろう月,その月の紹介を少ししておきましょう。
 月の大きさは,直径約3,500km。地球のおよそ1/4。他の惑星の衛星と比較しても,地球の大きさに比べて,月という衛星の大きさは大き過ぎるのです。この大きさの不釣り合いについては,まだ解けていない謎の一つとされています。
 月までの距離は約38万km。ジャンボジェット機のフルスピードで飛ぶと,2週間ほどかかる距離です。思ったよりも近いと感じますか?けっこう遠いと感じますか?
 その月の1日は(地球での)約29日。15日ほどの昼と15日ほどの夜が交互にやってきます。月にはほとんど大気がなく,そのために昼夜の温度差が非常に大きくなります。昼は100℃を超え,夜になると-170℃ほどまで下がります。かなり過酷な世界といえるでしょう。
 今,プロ野球のペナントレースが真っ最中ですが,月を紹介するときに,『もし月面で野球をしたら』みたいなお話をすることがあります。
 月には空気がないので音が伝わりません。応援の声も何も聞こえない,ひたすら静寂の中で試合は進みます。ちなみに,空気がないのでピッチャーは変化球を投げることはできません。また,重力が小さいので,バットに当たるとボールはものすごく飛ぶでしょう。当たれば全部ホームランかも。そもそもそのバットも軽々振ることができるはずです。ところが重力が小さいために自身の体重は軽くなるので,ヒットを打っても1塁までは,ピョンピョンと跳ねるように走って行くことになります。あまりかっこよくない・・。
 そもそも数十kgの宇宙服や酸素ボンベを身につけないといけません。これでは野球っていえそうにないでしょうか。やっぱり地球とは全然違う世界ですね。
 月には,丸い形をしたクレーターがたくさんあって,その成因は,隕石や小天体の衝突によるものと考えられています。低倍率で月の全体像を見たら,次は高倍率にしてクレーターの細部を観察してみてください。クレーターの中にさらに小さなクレーターも多数見えてきたり,ひび割れたような複雑な地形が見えたりしてきます。大きなクレーターの高さは徳島県の剣山から富士山級の山と同等。ムチャクチャ迫力を感じる月面を楽しんでみてください。

 月を十分に観察したら,星空の方に目を向けていきましょう。
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 上図は,午後8時過ぎの南方向の星空。ひときわ明るく目立つ,いくつかの一等星が見えてきているはずです。
 南に空高く,明るく輝くうしかい座の一等星アークトゥルス。その少し下(南)には,おとめ座の一等星スピカがあります。スピカの右(西)にはしし座の一等星レグルス 。左下(南東)にはさそり座の一等星アンタレスが見えています 。
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 上の円形の星空図は,当夜の天空全体を示しています。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 北の空高く見えている北斗七星の柄の部分を延長して,アークトゥルス,スピカと結んだ曲線が春の大曲線。
 この時間帯では,春の星々がまだ主役です。
 しばらくすると東の山の方から,こと座の一等星ベガも見え始めます。南東の空には,夏の代表的な一等星の一つ,さそり座の一等星アンタレスも見えているでしょうか。
 時間とともに東から西へ,春の星空から夏の星空へと切り替わって様子がわかります。

 それでは,当夜,天体望遠鏡で見ておもしろい天体を紹介していきましょう。

 春の星空には見応えのある二重星がたくさんあります。
 二重星というのは,2つ以上の恒星が接近して見える星をいいます。肉眼ではひとつの星にしか見えない星であっても,天体望遠鏡を使って観察すると2つの星に分かれて見えたりします。実際にお互いの星が引力で引き合って周り合っている二重星を『連星(れんせい)』,ただ単に同じ方向に接近して見えているものを『(見かけの)重星』と区別して記されます。
 二重星によっては,色の組み合わせがとてもきれいなものがあり,”単に2つの接近した星”ということ以上の楽しみ方があります。

 ここでは,見やすいものから順に3つほど紹介しましょう。
 1つ目は,北斗七星のミザールという星。北斗七星は,北の方に目を向けると,空高く見えています。その北斗七星の柄の先の方から2番目の星がミザールです。肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星で,アラビアの方では,昔,兵隊の視力検査に利用されていたそうです。果たして2つの星に見えるでしょうか,ぜひご自分の視力をチェックをしてみてください。明るい方の星がミザール,暗い方の星はアルコルといいます。このミザールを望遠鏡でアップして見ると,こちらもさらに二重星になっているのがわかります。この2星はお互いが2万年周期で回り合っている連星になっています。

 2つ目に紹介するのは,りょうけん座のコル・カロリという星。小さな望遠鏡でも見やすい二重星です。明るい星の方は黄色みのかかった白。暗い方の星(伴星)は青紫っぽい色。どちらも微妙な色合いです。また,人によって違う色に見えるという話もあります。さてあなたは何色に見えるでしょうか。ぜひお隣の人と確かめ合ってみてください。
0604_5 3つ目に紹介するのは,うしかい座のプルケリマ。そもそもは,イザールという名の星ですが,ラテン語で『最も美しいもの』という意味のプルケリマという名前も付けられています。確かに全天一の美しい二重星だと言う人も多いようです。
 天体望遠鏡の高倍率で観察すると,黄色の3等星と青白い5等星がくっついて見えてきます。色の組み合わせが見事です。じっくりとながめてみてください。

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 春の星空は,『宇宙ののぞき窓』といわれるほど,遠くの宇宙が数多く見えます。
 (上の円形星図をご覧ください)春は天の川が低い位置にあります。言い換えると,太陽系のある天の川銀河の腕(恒星の集まり)に邪魔されずに,遠くの宇宙を覗くことができることになります。しし座→ かみのけ座→ おとめ座付近には,遠い銀河が数多く見えています。まさしく宇宙ののぞき窓です。

 ここでは,しし座の後ろ足の部分にある3つの系外星雲(銀河系の外側にある銀河)も紹介しておきましょう。それぞれM65,M66,NGC3628という天体(下画像)です。この3天体ともに小宇宙のグループをなしている仲間同士。距離も3天体とも約3500万光年。私たちの太陽がある銀河系(天の川銀河)の直径がおよそ10万光年程度といわれていますから,銀河系の大きさの350倍ほどの遠方にある天体です。そんなに遠くにある天体ですから,暗くてボンヤリとしか見えません。目をこらしてじっくりと望遠鏡をのぞき込んでみてください。これらの天体は,小型の望遠鏡では明確には見えにくいものです。スライディングルーフ内の大きめの天体望遠鏡で観察するのがオススメです。

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 そしても一つ,かみのけ座にあるNGC4656という系外星雲。

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 銀河系を真横から見ると,こんなふうに見えるのではと引き合いに出されることの多い系外星雲です。
 真ん中がぷっくりと膨らんだ串団子のようなイメージでしょうか。もちろん遠くて(距離は約4000万光年)暗い天体なので,ぼんやりとしか見ることができません。こちらも,スライディングルーフ内の大きな望遠鏡で観察してみてください。細長いイメージがわかるかと思います。

 最後に球状星団(多くの恒星がお互いの重力で球形に集まった天体)を紹介します。
 まず,うしかい座のアルクトゥールスとコルカロリの真ん中付近にあるM3 。実際の大きさは直径は100光年以上。50万個もの恒星が集まってボール状に見えている天体。年齢も相当に古い天体です。
 下の画像は,M3を中倍率で見た感じのものです。

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 最後に,ヘルクレス座にある球状星団M13。
 M13は数ある球状星団の中でも大型のもので,北天一の美しさを誇るとも言われます。先に紹介したM3も大きくて立派な球状星団ですが,M13の方が若干明るくて大きいためか,こちらがより迫力があるような見え方をします。ぜひ見比べてみてください。
 下の画像は,M13を大きな望遠鏡にかなりの高倍率をかけて見たときのイメージです。
 球状星団は大きな望遠鏡で観察するのが基本です。口径(鏡やレンズの直径)の大きな望遠鏡ほど,細かい部分まで見分けることができます。大小いくつかの望遠鏡を見て,球状星団の見え方がどう違うのか比較してみてください。口径の大きな望遠鏡で倍率を高めにして観察すると,(気流や空の状態にもよりますが)一つ一つの星々がブツブツと分離して見えてきます。
 M3は春の球状星団,一方M13は夏の球状星団となっています。

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 ここまで,春から夏の天体をいくつか紹介しましたが,他にもたくさんの『見ておもしろい天体』がたくさんあります。ここに記しているもの以外の天体についても,博物館の担当者が望遠鏡を使って導入,そして紹介してくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体がどんな天体であるかを知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
 また,大きな望遠鏡と小さな望遠鏡とでは見え方がかなり違ったりします。レンズを使った屈折望遠鏡と鏡を使った反射望遠鏡とでも,見え方に違いがある場合があります。倍率の違いによる見え方の違いもあります。同じ天体でも,いろいろな望遠鏡,いろいろな倍率で観察して,見え方の違いを味わってみるのもおもしろいと思います。

<注> 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mはメシエの略号です。
 NGCは,New General Catalogの略で,アイルランドの天文学者ドライヤーがまとめた7840個の星雲・星団,銀河などが載っている天体カタログのこと。略してNGCカタログです。上記のメシエカタログよりも100年以上も後になって編集されたものであるため,収録された天体数も多く,遙かに暗いものまで含まれています。そのカタログに収録されている天体に振られているのがNGCの付くナンバーです。

☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
 春の大曲線,北斗七星,
 しし座,おとめ座,うしかい座,
 春の一等星(レグルス,スピカ,アークトゥルス),
 夏の一等星(アンタレス,ベガ)
 系外星雲(M65,M66,NGC3628,NGC4565),球状星団(M3,M13)
 二重星(ミザール,コル・カロリ,プルケリマ)

※HP中の星図,星座絵は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
 その他の円形星図,イラストはAdobe Illustratorで作図しています。
 天体画像は,博物館会員が小型の天体望遠鏡で撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときに見た感じに近いように若干の加工をしてあります。

 

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