お知らせ

  1. HOME > 
  2. お知らせ > 
  3. 【開催中止】4月23日夜間天体観望会のご案内

【開催中止】4月23日夜間天体観望会のご案内

[イベント] スケジュール:2022/04/23
更新日:2022/04/23

4月23日(土)夜間天体観望会は開催中止に致します。天気予報によりますと今夜は曇天で星空は望めそうにありません。
先月に引き続き観望会開催中止になり残念至極です。*4月23日12時30分発表

【日時】2022年4月23日(土)
    受付開始:18時30分~
    オリエンテーション:18時50分~
    観望会:19時~21時
【内容】オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円
     就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集組数】10組(40名程度)
【オリエンテーションの内容】
 ・今夜の星空のシュミレーション
 ・本日の天体望遠鏡の味わい方
 ・天体望遠鏡の見方・使い方説明
 ・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明
【持参して下さい】
 ・多和地区は山間部にあり夜間は気温が下がります。防寒服やブランケットを持参下さい。
【雨天・明らかな曇天時】
 ・開催中止に致します
 *通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室
内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
 *開催中止のお知らせは観望会当日の正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。
*募集人数を超える申込数になりましたので予約受付を終了致しました(4月3日22時12分)

0423_04月23日開催の天体観望会での見どころを紹介します。

 当夜は午後7時より,オリエンテーションを行ってから観望会のスタートとなります。
 この時間帯,日は沈んでいてもまだしばらくは空に明るさが残っています。この,薄明るい?薄暗い?状況を薄明(はくめい)といいます。薄明には,市民薄明(常用薄明),航海薄明,天文薄明と3つの段階があります。市民薄明は日が沈んでからすぐの頃。まだまだ空は明るく星は見えていません。それからもう少し暗さが増してきて,空はまだ青みが残っている中に一等星が見え始める頃,それが航海薄明。そして日没後1時間ほどが経過して空が暗くなった頃が天文薄明。西空の一部にはほのかに明るさも残っていますが,空の暗い部分では3~4等星も見えてきます。天体観望会の本格スタートは,この天文薄明の頃からと考えられます。

 下の図は,4月23日,多和での天文薄明の頃(午後7時半頃)の星空です。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

0423_1

 さらっと空全体を見渡してみると,西側半分の空には一等星がたくさん。これらは冬の星座の一等星たちです。一方東側半分には,しし座の一等星レグルス,おとめ座の一等星スピカ,うしかい座の一等星アークトゥルスが見えてきています。このしし座,おとめ座,うしかい座等は春の星座たち。ちょうど,『冬の星座から春の星座への切り替わり中』といえる星空なんですね。当観望会中,時間が経過するにつれて,春の星座たちは高度を上げて主役の位置にやってきます。
 冬の天体もまだ見ることができるし,春の天体もしっかりと観察できる,そんな観望会になりそうです。

 星空全体をもう少し詳しく見ていきましょう。
 西空に見えるオリオン座のベテルギウス,おおいぬ座のシリウス,こいぬ座のプロキオンの3星を結んでできる冬の大三角は,ギリで南西の空に見えています。
 北の空に目をやると,春の星並びとして有名な北斗七星 が見えています。
 北斗七星の柄の部分をひしゃくの部分とは反対方向に伸ばした先に,さきほど紹介した,うしかい座のアークトゥルスがあります。アークトゥルスをさらに南へ伸ばすとおとめ座のスピカがあります。この北斗七星の柄の部分から,アークトゥルス,スピカと結ぶけっこう長い曲線が春の大曲線。この夜は,冬と春の特徴的な星の並びの両方が見えているということです。
 こういった星々を結んでできる形や星座の観察には,天体望遠鏡は必要ありません。望遠鏡の順番を待つ間,星々が作り出す様々な形を見つけて楽しんでみてください。

 それでは続いて,春の代表的な星座をいくつか紹介しておきましょう。
 まずはしし座。ちょうど真南の空高く見えているので注目してみましょう。

0423_2

 しし座はオリオン座の左(東)にあるプロキオンから,もう少し東へいったところにあります。星占いの12星座にも登場するしし座ですが,かっこいい百獣の王ライオンの獅子ではなくて,しし座のモデルは,人を食べるお化けライオンなんです。ギリシャ神話に登場するこのお化けライオンは,国王から命令を受けたヘラクレスによって退治されてしまうことになっています。しし座という名前からの浮かぶイメージとは違って,あまりかっこいい話ではなさそうですね。
 しし座にある一等星はレグルス。レグルスとはギリシャ語で(小さな)王という意味があります。また,獅子の心臓という意味もあるそうです。
 心臓がレグルスであるとされるように,この辺りがライオンの胸になります。ということはその少し上あたりが頭。クエスチョンマークを裏返したように形取れるところが頭ですね。このライオンは右(西)を向いているようです。一度,ライオンの全身の形を追ってみてください。
 ちなみにこのヘラクレスはお化けライオンだけではなく,9つの頭を持つ怪物ヒドラとも戦いました。実はこのヒドラの助っ人に巨大なお化けガニが戦闘に加わります。ヘラクレスの足下にそっと近寄り,大きなハサミでヘラクレスの足首をチョキンと切ろうとしたその瞬間,あっさりとヘラクレスに踏み潰されてしまいます。あまりにも残念なので星座になった・・・みたいです。かに座はしし座のすぐ右(西側)にあります。4~5等の暗い星からなる星座なので,全体の形を追うのは簡単ではないかもしれません。

 そして春の星座として外せない星座におとめ座があります。おとめ座は全天にある88個の星座の中で2番目に大きな星座となっています。春の代表的な星座の一つでありながら,当観望会では午後8時半になっても,まだ半分ほどは山に隠れている状況。
 ということで,おとめ座の紹介は次回の5月21日の観望会の紹介記事にて。
 ぜひ参加申込をしてくださいね(^^)。

 初めにも少し記しましたが,春の星空の代表的なものに北斗七星があります。天頂から北方面に目をやると,ひしゃくの形が見つかります。(北斗七星は星座ではありません)上の円形の星図をご覧ください。北斗七星はおおぐま座の背中から尻尾の部分となっています。

0423_3 北斗七星の7個の星のうち,2等星が6個,3等星が1個と,比較的明るい星々からできています。全体の形も特徴的なのですぐに見つけることができるはずです。

 いきなりですが,ここでクイズ!
 【問題】
  北斗七星の『北』は北天にあるという意味。『七星』は7つの星。
  それでは,『斗』の意味は何でしょうか?三択です。<正解は一番最後>
  ① 『斗』って,北斗の拳みたいに戦いっぽい感じがしてきますよね。だから武器という意味。
  ② 全体の形がひしゃくですから,入れ物という意味。
  ③ 北極星を探すためにも使われることで有名。なので,方角・方向という意味。

 北斗七星は,北極星を見つける指標として有名でもありますが,ひしゃくの一番先の星と二番目の星を結んで,一番目の星の方向に5倍延長したところに北極星が見つかります。一度確かめてみてください。

 それでは,天体望遠鏡で観望してみたい天体を順にいくつか紹介してみましょう。

 まずは,ししの後ろ足の部分にある3つの系外星雲(銀河系の外側にある銀河)。それぞれM65,M66,NGC3628という天体(下の画像)です。距離は約3500万光年。私たちの太陽がある銀河系(天の川銀河)の直径がおよそ10万光年程度といわれていますから,銀河系の大きさの350倍ほどの遠さにある天体です。そんなに遠くにある天体ですから,暗くてボンヤリとしか見えません。目をこらしてじっくりと望遠鏡をのぞき込んでみてください。

0423_4

 それから系外星雲をもう一つ。
 りょうけん座にあるM51。大小2つの銀河がつながっているため,子持ち銀河とも呼ばれることがあります。距離は約2100万光年。
 写真に写すと,M51のきれいな渦巻きの1本の腕の先に,もう一つの小さな銀河(NGC5195)がつながっているような姿がわかります。小型の天体望遠鏡ではそこまで見ることは困難です。先のしし座にある系外星雲も含め,こうした遠方の暗く小さな天体は,スライディングルーフ内の大きな望遠鏡で観察してみてください。大小2つのボンヤリが見えたらOK。大口径の望遠鏡での観察がオススメです。

0423_5

 続いて,散開星団(生まれの近い恒星同士が数多く集まっている天体)M44(プレセペ)。
 プレセペとはラテン語で『飼い葉桶(牛馬のエサ入れ)』という意味です。小型の望遠鏡でも30~40個以上の星を数えることができます。明るさは3.7等なので,空の暗い場所では,肉眼でもぼーっとした雲のように見ることができます。
 場所はかに座。レグルスとプロキオンの間にかに座がありますが,このかに座のど真ん中にプレセペはあります。概ね散開星団は低倍率での観察が向いていて,M44も倍率を上げすぎると星の密集感が感じられなくなって,おもしろみがなくなる場合が多いかもしれません。
 低倍率での観察,これは小さな望遠鏡が得意とするところです。駐車場に並んだ小型の望遠鏡での観察がオススメです。

0423_6

 見ておもしろい天体に球状星団(多くの恒星がお互いの重力で球形に集まった天体)というのがあります。ここで紹介するのはりょうけん座のM3
 M3は,うしかい座のアルクトゥールスとりょうけん座α星(コルカロリ)の真ん中あたりにあります。実際の大きさは直径は100光年以上。50万個もの恒星が集まってボール状に見えている天体。年齢も相当に古い不思議な天体です。
 球状星団も系外星雲と同様,大きな望遠鏡で観察するのがオススメです。口径の大きな望遠鏡で倍率を高めにして観察すると,(気流や空の状態にもよりますが)一つ一つの星々がツブツブに分離して見えてきます。

0423_7

 最後に二重星
 北斗七星の柄の方から2番目にミザールという名の星があります。肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星です。
 ※近接して見える2つの恒星を二重星といいます。二重星には,2つの星が距離的には離れているのですが,見かけ上,たまたま近くに見える(見かけ上の)重星(じゅうせい)と,お互いの引力によって公転し合っている連星(れんせい)とがあります。
 ミザールは,アラビアの方では昔,兵隊の視力検査に利用されていたそうです。果たして2つの星に見えるでしょうか。ぜひご自分の目で試してみてください。
 明るい方の星がミザールで,暗い方の星はアルコルといいます。このミザールを望遠鏡でアップして見ると,さらにまた二重星になっているのがわかります。この2星はお互いが2万年周期で回り合っている連星なんです。

0423_8

 他にも春の星空には,しし座のアルギエバ,おとめ座のポリマ,うしかい座のプルケリマといった見応えのある二重星があります。下の画像はうしかい座のプルケリマです。プルケリマとは,『最も美しいもの』という意味だそうです。
 黄色っぽい主星に青みがかった伴星の組み合わせは,確かにとても美しく感じます。

0423_9

 ここまで,いくつか見所となる天体を紹介しましたが,冬から春の星空には他にも数多くの『見ておもしろい天体』がたくさんあります。ここに記しているもの以外の天体についても,博物館の担当者が望遠鏡を使って導入,そして紹介してくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体がどんな天体であるかを知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
 また,大きな望遠鏡と小さな望遠鏡とでは見え方がかなり違ったりします。レンズを使った屈折望遠鏡と鏡を使った反射望遠鏡とでも,見え方に違いがある場合があります。倍率の違いによる見え方の違いもあります。同じ天体でも,いろいろな望遠鏡,いろいろな倍率で観察して,見え方の違いを味わってみるのもおもしろいと思います。

<注> 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mはメシエの略号です。
 NGCは,New General Catalogの略で,アイルランドの天文学者ドライヤーがまとめた7840個の星雲・星団,銀河などが載っている天体カタログのこと。略してNGCカタログです。上記のメシエカタログよりも100年以上も後になって編集されたものであるため,収録された天体数も多く,遙かに暗いものまで含まれています。そのカタログに収録されている天体に振られているのがNGCの付くナンバーです。

☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
 冬の大三角,春の大曲線,
 ふたご座,しし座,おとめ座,北斗七星,
 まだ見えそうな冬の一等星(ポルックス,シリウス,プロキオン,ベテルギウス,カペラ)
 春の一等星(レグルス,スピカ,アークトゥルス),
 系外星雲(M65,M66,NGC3628,M51),散開星団(M44),球状星団(M3),
 二重星(ミザール,プルケリマ) 他

※HP中の星図,星座絵は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
 円形の星空図はAdobe Illustratorで作図しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡で撮影したものを,実際に望遠鏡を覗いたときに見た感じに近づけるために若干の加工をしてあります。

 【問題の答え】②の『入れ物』

お知らせの一覧はこちら

天体望遠鏡博物館

開館日

開館日

Copyright © Museum of Astronomical Telescopes, All rights reserved.