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【開催済】12月4日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2021/12/04
更新日:2021/12/04

12月4日(土)開催予定の夜間天体観望会のご案内です。
*募集人数を超えるお申し込みがありましたので予約受付を終了致しました。11月8日0時58分*

【日時】2021年12月4日(土)
    受付開始:18時30分~
    オリエンテーション:18時50分~
    観望会:19時~21時
【内容】オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円
     就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集組数】10組(40名程度)
【オリエンテーションの内容】
 ・今夜の星空のシュミレーション
 ・本日の天体望遠鏡の味わい方
 ・天体望遠鏡の見方・使い方説明
 ・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明
【持参して下さい】
 ・多和地区は山間部にあり夜間は気温が下がります。防寒服やブランケットを持参下さい。
【雨天・明らかな曇天時】
 ・開催中止に致します
 *通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室
内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
 *開催中止のお知らせは当日正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。
*募集人数を超えるお申し込みがありましたので予約受付を終了致しました。11月8日0時58分*

12月4日の星空案内

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 冬至まであと2週間ほどに迫った本年最終のとなる12月4日(土)の観望会です。
 冬至は,一年中で一番夜の時間が長く(昼間の時間が一番短く)なります。ところが,一番夜が長いといっても,一番早く日が沈むわけではありません。冬至となる今月22日の日の入りは16時47分。天体観望会の4日の日没は16時43分。冬至よりも約4分ほど日没は早いんですね。実は,一年中で一番太陽が早く沈むのが12月初旬頃,ちょうどこの観望会の頃なんです。
 そんなわけで,天体観望会のオリエンテーションが始まる19時には,当然,空は真っ暗。17時前には日没ということですから,博物館に到着して車から降りると,もう空にはたくさんの星々が見えていることでしょう。

 では,今回の天体観望会で楽しめる星空(天体)の見どころを紹介していきましょう。

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上図は,観望会当夜19時頃に見える星空です。上下左右に記してある方位を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 博物館に到着して受付を済ませたら,観望会開始までの時間,真っ暗になった星空一面をぐるり~っと見渡してみてください。
<ここからしばらくは,上図を参考にしながら読んでくださいね>
 天頂から西方面には夏の大三角,天頂付近には秋の四辺形が見えています。今は冬,そしてもうすぐ冬至という時期であるにも関わらず,夏の星空や秋の星空が見えているんですね。
☆『夏の大三角』・・・こと座の一等星ベガ,わし座の一等星アルタイル,はくちょう座の一等星デネブの3星がつくる大きな三角形。
☆『秋の四辺形』・・・ペガスス座の天馬の胴体の部分。
 まだ夜が更けていない早い時間帯には,冬の星空はまだ東方です。

 それでは,望遠鏡を向けて楽しめそうな天体を紹介していきましょう。
 まずは,西方面の山際に近づいている非常に明るく輝いている木星
 この一番目立っている木星の明るさは,-2.3等(一等星の10倍ほどの明るさ)。
 まるで『この夜の観望会主役は私だ』というがごとく威光を放つ木星。稜線下に沈んでしまう前にしっかりと見ておきましょう。

 木星は太陽系第5番目,太陽系最大の惑星です。

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 木星の大きさは地球のおよそ11倍。そして10時間ほどで一回転します。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の猛烈な速さで自転しているということ。そのため,生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。じっくりと観察してみると,木星は上下(南北)の縦方向よりも左右(東西)の横方向の方に膨らんで,やや楕円形になっているのがわかるはずです。
 望遠鏡で木星を覗いてみると,木星本体に数本の縞模様が見えてきます。木星は,そのほとんどがガスでできています。そのガスの大気が縞模様をつくっています。
 その縞模様の中に,大赤斑(だいせきはん)と呼ばれる目玉のような楕円形の部分があります。その中では台風に似た気象現象が起きているのではと考えられています。大赤斑は地球がまるごとすっぽり入ってしまうほどの大きさがあります。そう考えながら観察すると,木星と地球の大きさの比較ができそうですよね。運が良いことに,当夜は19時半頃までこの大赤斑が見えています。目をこらして,ぜひ確かめてみてください。上の木星写真にも(中央からやや左下に)大赤斑が写っています。
 また,木星本体左右(感覚的には上下かも)に目をやると,小さな光点が4つほど見えると思います。この夜は,木星の左(上)側に1個。右(下)側に3個見えています。
(注)望遠鏡によって,左右逆,上下が反対という場合があります。

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 この4つの星は,ガリレオ衛星とよばれる,木星の衛星の中でも特に大きくて明るいものです。3個見えている衛星は本体に近い順に,ガニメデ,イオ,エウロパ。エウロパは内部に膨大な量の海水があるといわれている衛星です。ガニメデは衛星でありながら惑星の水星よりも大きな天体です。
 まずは,山に隠れてしまう前に木星はじっくり観察しておきましょう。

 木星を観察したら,再び星空の方に目を向けてみましょう。
 身体を南に向けて天頂(真上)を見上げたときの星空を下図に示してみます。

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 この図は明るめの星をおおまかに拾い出したイメージです(正確ではありません)。
 身体を南に向けて見た図ですから上が北方向になります。
 天頂には『秋の四辺形』。ペガスス座の四角形があります。
 天頂から北の方にはWの形をしたカシオペヤ座が見えています。
 そして東(図左)方向には,ぼんやりと☆が何個か集まったようなボンヤリとした天体があります。これがすばるです。
 上の何も説明がない星空図を見て,どれだけ判別することができるでしょうか。

 わかりにくいですよね。
 では次に,一部ですが,上の図に恒星名,星座名と星座線を入れたものを示してみます。

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 いかがでしょうか。
 秋の四辺形,見つることができそうですか?
 カシオペヤ座,見つかりそうですか?
 ※比較的暗い星だけで形作られる星座については,星座線を省略しています。

 明るい一等星としては,東方向にカペラとアルデバランの2つの星が目に付くはずです。
 カペラはぎょしゃ座の一等星で,太陽の10倍ほどの大きめの恒星。色はやや黄色っぽい。アルデバランは,おうし座の一等星で大きさは太陽の40倍強。かなり大きな恒星です。色はやや赤っぽい。赤い色の星は高齢の星です。地球からの距離は,それぞれ44光年,67光年と(宇宙レベルでは)どちらもご近所さんの星。基本的に明るい星は地球から近い星です。

 次に,秋から冬に見える代表的な星雲星団に目を移してみましょう。
 まだ夏の星座や天体も見えていますが,今回は秋・冬の天体を中心に紹介しておきます。

☆★球状星団
 恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。多くは銀河の周辺部に存在します。
ペガスス座球状星団(M15)
 天馬ペガススの頭の先にある大きめの球状星団。高倍率で観察するとブツブツ感がはっきりしてきます。また,大きな望遠鏡ほど個々の星々に分解して見えてきます。どれも120億歳と高齢の星ばかりで,その数は数十万個!
※距離は33,000光年

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☆★散開星団
 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体
ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のすぐ近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。赤っぽい星があちこちに見られ,二重星団の良いアクセントになっています。
※距離は1,400光年

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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)
M31(アンドロメダ座大星雲)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体。倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きにはなかなか見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもある大きな星雲です。望遠鏡では渦巻きのうちの中心部がボンヤリと見えます。距離が230万光年ということなので,今から230万年前,人類の祖先が石器を振り回していた頃にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。天体望遠鏡を使っても,渦巻きは見えませんが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年

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☆★二重星
 肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。ただ同じ方向に近寄って見えている見かけ二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。

アルマク(アンドロメダ座の二重星)
 アンドロメダ座には美しい二重星があります。アルマクという名の二重星で明るさは2等級。青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる『連星』です。
 似たような色の組み合わせのアルビレオという二重星がはくちょう座にあります。こちらも有名ですが,アルマクの方が,より接近し合ってるせいか色が濃く感じられる気がします。

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☆アルマク:これは写真ではなくてイメージです。

 

すばる(M45,プレアデス星団)
 おうし座にある散開星団。
 最後に紹介するのは,観望会終盤,東空に見えてくるすばる。低倍率で見るとたいへん見応えがあります。息をのむほどの美しさを感じる人も多い天体です。すばるは秋ではなく冬の天体。早い時間帯にすばるが見えるようになると冬はもうすぐと感じます。
※距離は440光年

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M36,M37,M38
 ぎょしゃ座にある散開星団トリオ。
 3つの散開星団がありますが,どれも何となくよく似た星団です。
 M36・・・3つの星団の中では一番小さいけど,明るい星が多いので見つけやすい
 M37・・・3星団の中では一番大きくて見応えあり。
 M38・・・粒ぞろいの星々。
 それぞれ微妙に個性があるのかも。違いを見つけてみてください。
※距離は4000光年ほど

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<注>
 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mは観測者メシエのMです。

☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
 木星,
 ベガ,アルタイル,デネブ,夏の大三角,
 カシオペヤ座,ペガスス座,アンドロメダ座,ぎょしゃ座,秋の四辺形,
 カペラ,アルデバラン,
 M31,二重星団(h&X),すばる,M15,M36,M37,M38,
 アラマク 他

 この夜間観望会の夜は月明かりがありません。そのため,雲がなければ多くの星雲星団がとてもよく見えます。上に紹介した星雲や星団以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。
 冷え込みも気になる時期です。防寒には十分に気を付けて,いろいろな天体の観望をじっくりとお楽しみください。
 また,当館の観望会では様々な天体望遠鏡が準備されています。
 大小,大きさの異なる望遠鏡で,また鏡を使った反射望遠鏡とレンズを使った屈折望遠鏡とで,同じ天体でもどう違って見えるのか,ぜひ確かめてみてください。

※HP中の星座図,太陽系図は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
 円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

 

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