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【満員御礼】10月9日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2021/10/09
更新日:2021/09/30

【開催済み】

10月9日開催予定の夜間天体観望会のご案内です。
*募集人数を超えましたので予約受付を終了致しました。(10月6日0時40分)

【日時】2021年10月9日(土)
    受付開始:18時30分~
    オリエンテーション:18時50分~
    観望会:19時~21時
【内容】オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円
     就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【募集組数】10組(40名程度)
【オリエンテーションの内容】
 ・今夜の星空のシュミレーション
 ・本日の天体望遠鏡の味わい方
 ・天体望遠鏡の見方・使い方説明
 ・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・明らかな曇天時】
 ・開催中止に致します
 *通常時は雨天・曇天時でも別プログラムにて室内開催していますが、コロナ禍が収束するまでは室
内での「密」を避けるため雨天・明らかな曇天時は開催中止と致します。
 *開催中止のお知らせは当日正午過ぎにホームページに掲載致しますので来館前にご確認下さい。

【参加方法】ネット予約が必要です。*募集人数を超えましたので予約受付を終了致しました。(10月6日0時40分)

 

10月9日の星空案内

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 観望会当日の日没は,17時36分。秋分を過ぎて,暦の上では完全な秋。夏場に比べて,暗くなるのがずいぶんと早くなってます。観望会の始まる19時でも空はかなり暗くなっていて,(晴れていれば)いくつかの星々や星座が見えてきていると思います。
 ところが,秋の星空には一等星が一つしかなくて寂しい印象があります。その代わりというわけではないのですが,楽しい神話が秋の星空には展開されているのです。

 いきなりですが,ここでギリシャ神話に出てくる『エチオピア王家の物語』を紹介してみましょう。

 古代エチオピアにアンドロメダという名の姫がいました。
 アンドロメダは,エチオピアの国王のケフェウスとその妃であるカシオペヤの間に生まれた美しい王女で,その美しさゆえ,母親のカシオペヤは娘の自慢ばかりをしていました。そして,海の妖精であろうとアンドロメダの美しさにはかなわないだろうと口をすべらせたことで,海神ポセイドンの怒りをかってしまいます。
 怒ったポセイドンは巨大くじらをエチオピアの海岸に差し向けました。
 くじらといっても,ただ大きいだけのくじらではありません。恐ろしいつめの生えた手が2本,鋭い牙が生え並んだ口,その口から海水を吐くだけで大津波が起こるという怪物です。
 大津波に苦しむ民衆に頭をかかえた国王ケフェウスが神様に相談にいくと,それはカシオペヤの自慢話が原因であることがわかりました。そして海神ポセイドンの怒りを抑えるには,王女アンドロメダをお化けくじらの生け贄にささげるしかないと告げられたのです。
 もちろん,王はかわいい娘を差し出すことをためらいます。しかし,その話を知った国民がアンドロメダ姫をさらい,両手に鎖をかけて岩に縛り付けてしまったのです。
 やがて,岩にくくりつけられたアンドロメダ姫を見つけて,お化けくじらがやってきました。アンドロメダ姫に対して大きな口をあけて襲いかかるお化けクジラ。アンドロメダ姫が恐怖のあまり気を失いかけたそのときです。白い天馬(ペガスス)に乗った一人の若者が大空から舞い降りてきました。
 勇者ペルセウスです。
 ペルセウスは袋からメドゥーサの首を取り出し,お化けくじらにその顔を向けました。なにしろ顔を見たものは全て石になってしまうというメドゥーサの首ですから,お化けくじらといえどもひとたまりもありません。あっさりと石になってしまい,海に沈んでいきました。
 ペルセウスはアンドロメダ姫に一目惚れし,結婚を申し込みます。また,ケフェウス王もペルセウスの勇敢な姿にすっかりほれこんでしまって,娘との結婚を承諾しました。

 いかがですか,この話に出てくるケフェウス,くじら,ペルセウス,アンドロメダ,カシオペヤが,全て星座として出揃っているのが秋の星空の特徴の一つです。単純なストーリーですが,星空を舞台に展開される物語,とても壮大に感じませんか?

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 上の星空図は,観望会当夜19時半頃に見える星空です。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 その星空図をご覧ください。
 天頂に近いところでは,まだ夏の大三角(星空図参照)が見えています。ベガ,アルタイル,デネブの3つの一等星からなる見つけやすい大きな三角形です。そして天頂から東方面にはペガスス座。ペガスス座の秋の四辺形(星空図参照),わかりますか?ペガスス座には明るい星がないため,星座の形は追いにくいのですが,2等星と3等星から形作られる大きな四角形を見つけてみてください。そして,東から北方面には,カシオペヤ座が見えています。北極星を見つけるときによく利用されたり,W形の見つけやすい星座だったりと,何かと有名な秋を代表する星座の一つです。
 星空図を参考に,観望会が始まるまでの時間,ちょっと空を見上げてみてください。三角形に四角形,W型と,いろいろな形を目印に観察を進めることができそうな10月の星空。目が慣れてきたら,先に紹介したエチオピア王家の物語に登場する星座たちも探してみてください。

 それでは,この夜の主役となる2つ惑星からお話しましょう。
 夏場から観望の好期となっている木星と土星です。
 下の星空図をご覧ください。南空を見ると明るい2つの星がすぐに見つかると思います。左(東)に見える明るい方が木星。明るさは-2.7等級。マイナスという等級です。平均的な一等星よりも10倍以上の明るさとなっています。右(西)に輝いている星が土星。明るさは0.5等。

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 それでは,まず太陽系第6番目の惑星である土星から。
 天体観望会では人気NO.1の天体です。
 木星は地球の11個分ほどの大きさ。それに比べて土星は若干小さ目ですが,それでも地球の9個分の大きさを誇る大きな惑星です。また,輪っかのあることで有名で,観望会ではいつも歓声の上がる最注目の天体でもあります。天体望遠鏡を使うと,その輪っかも明瞭に見ることができます。神秘的なその姿をじっくりと味わってみてください。

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 輪っかは,小さな氷や小石からできていると言われています。
 この輪っかは年によって傾きが変わって見えますが,今季はちょうど土星らしい傾き具合で見えているような気がします。
 土星本体のそばには,木星ほど目立つわけではありませんが,いくつかの衛星も見ることができます。望遠鏡で見える土星の衛星の中で一番明るいのはタイタンとよばれる衛星です。タイタンは木星の衛星ガニメデに次ぐ太陽系で2番目に大きな衛星で,液体の湖の存在が確かめられていて,生命の存在もうわさされている天体でもあります。
 土星の左方向(望遠鏡により左右が逆になる場合があります)に土星本体の約4倍ほどに離れたところにある光点がそうです。
 ※もちろんタイタンは土星の周りを回っているので,いつもその位置にあるわけではありません。この夜は,およそ4倍の横方向に見えているということです。

 次に太陽系第5番目,太陽系最大の惑星である木星です。
 望遠鏡で木星を覗いてみると,明るく丸い木星本体に数本の縞模様が見えてきます。この縞模様,何本見えるでしょうか?ちょっと数えてみてください。
 天体望遠鏡は,レンズや鏡の直径が大きな望遠鏡ほど細かい模様が良く見えるとされています。観望会で準備された大小様々な望遠鏡の見え具合を,縞模様の数や見え具合を元に見比べてみるのも,けっこう楽しいかもしれません。いわゆる望遠鏡の性能比較観察です。
 大きな望遠鏡で木星を見ると,この縞の近くにトゲトゲのような,凸凹のような細かい模様も見えてくるときがあります。慌てないでじっくりと観察して模様の詳細も確かめてみてください。

 木星本体左右に目をやると,小さな光点が4つほど見えると思います。この夜は,木星の左側(望遠鏡により左右が逆)に3個。右側に1個見えています。
 この4つの星は,ガリレオ衛星とよばれる,木星の衛星の中でも特に大きくて明るいものです。木星本体右側に1個見えている衛星はガニメデ。ガニメデは惑星の水星よりも大きな天体です。左側に見えている3つは,木星本体に近い順に,イオ,エウロパ,カリスト。エウロパは内部に膨大な量の海水があるといわれている衛星でもあります。
 木星の大きさは地球のおよそ11倍。そして10時間ほどで一回転します。地球は24時間で一回転。ということは,地球の11倍の巨大な惑星が地球の2倍以上の猛烈な速さで自転しているということ。そのため,生じた遠心力で赤道付近が膨らんでいるんです。良く観察してみてください。木星は上下(南北)の縦方向よりも左右(東西)の横方向の方に膨らんで,やや楕円形に見えてるはずです。

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 また,大赤斑(だいせきはん)と呼ばれる目玉のような楕円形の模様も木星の特徴の一つとして有名です。これだけで地球2~3個分の大きさがあります。運が良いことに,当夜は19時半過ぎからこの大赤斑が見えてくるはずです。目をこらして,ぜひ確かめてみてください。

 それでは,惑星観望についてはこれくらいにして,続いて星座や星雲星団にも目を移してみましょう。
 まだ夏の星座や天体も見えていますが,今回は秋の天体を中心に紹介しておきます。

☆★散開星団
 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体

ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のW形の近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。赤っぽい星があちこちに見られ,二重星団の良いアクセントになっています。
※距離は1,400光年

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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)

M31(アンドロメダ座大星雲)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体。倍率は低めの方が全体像がわかりやすい。渦巻きにはなかなか見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもあるビッグな天体です。望遠鏡では渦巻きのうちの中心部がボンヤリと見えます。江戸時代後期にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。写真のようには見えませんが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年

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☆★二重星
 肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。ただ同じ方向に近寄って見えている見かけ二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。

アルマク(アンドロメダ座の二重星)
 アンドロメダ座には美しい二重星があります。アルマクという名の二重星で明るさは2等級。青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる『連星』です。
 似たような色の組み合わせのアルビレオという二重星がはくちょう座にあります。こちらも有名ですが,アルマクの方が,より接近し合ってるせいか色が濃く感じられる気がします。

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☆アルマク:これは写真ではなくてイメージです。

<注>
 星雲星団の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体は,個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。Mは観測者メシエのMです。

☆★今回の観望会で見ておきたい天体リスト
 木星,土星,
 ベガ,アルタイル,デネブ,夏の大三角,天の川,
 こと座,はくちょう座,わし座,
 カシオペヤ座,ペガスス座,アンドロメダ座,秋の四辺形,
 M31,二重星団(h&X),
 アラマク 他

 この夜間観望会の主役は,観望好期となっている木星,土星の2つの惑星かもしれませんが,月明かりに影響されない夜は,多くの星雲星団がとてもよく見えます。上に紹介した星雲や星団以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。

<例>
★アルビレオ・・・はくちょう(座)の口ばしにあたる星。オレンジと青の組み合わせがとてもきれいな二重星
★こと座ε(イプシロン)星・・・二重星が二重になってる?ベガの近くにあります。通称『ダブルダブルスター』
★こぎつね座の惑星状星雲M27・・・銀行の地図記号に見えるといううわさ。
★ペガスス座の球状星団M15・・・恒星が数万個集まって球状に見える天体
★みなみのうお座の一等星フォーマルハウト・・・秋空にある唯一の一等星

 いろいろな天体の観望をぜひお楽しみください。
 また,当館の観望会では様々な天体望遠鏡が準備されています。
 大小,大きさの異なる望遠鏡で,また鏡を使った反射望遠鏡とレンズを使った屈折望遠鏡とで,同じ天体でもどう違って見えるのか,ぜひ確かめてみてください。

※HP中の星図,星座絵図は,アストロアーツ社製StellaNavigator11で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工をしてあります。
 円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

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