収蔵望遠鏡

２０１４年６月１１日　東京都　内田健一様寄贈

当館ホームページを通じて、寄贈のお申し出があり宅配便を利用して輸送を行い、６月１１日に当館準備室に到着致しました。

レンズ口径：２インチ（５０㎜）アクロマート（硬質増透処理）　焦点距離：７５０㎜　Ｆ：１５

鏡筒素材：ジュラルミン　酸化被膜処理後、白色メラミン塗装、内面は絞り環＋黒色艶消し塗装

架台部：極軸調整機能有り（自由雲台タイプ）

この望遠鏡は国内だけでなくアメリカなどにも輸出されていた機種ですが、部品がすべて揃った状態で現存しているものは少なく、希少価値の高い望遠鏡です。

内田様からは、「この望遠鏡をできれば、ヨシカワ光器研究所さんにてメンテナンスし、末永く、多くの方に楽しんでもらえるように」とのご希望も受けておりました。

ヨシカワ光器研究所の吉川代表は当館の技術顧問ですので、内田様のご希望をお伝えした上で、メンテナンスを依頼致しました。

以下は吉川代表から提供していただきました写真を利用して整備内容を説明しています。 

鏡筒全体に汚れはありますが、破損はありません。光軸調整可能なセルであることもわかります。

対物レンズの汚れがよく見えます。

赤道儀の極軸調整可動部のグリスの経年変化や汚れ、錆などがあります。

メンテナンスに際しては、外面・内面を塗装し直して、新品のようにすることも可能ですが、歴史的価値を考慮して、光学性能と機械可動部分の整備に重点をおき、鏡筒の塗装はオリジナルのままとすることになりました。

レンズはクリアーな状態になりました。コーティングも変質などはなく良好な状態です。

光軸調整の結果です。本来の性能を取り戻せているはずです。

赤道儀可動部のグリスアップ、接眼ドロチューブなどもメンテナンスされました。

整備後、仮組立したところです。