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【満員御礼】10月4日 月と土星を楽しむ夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2025/10/04
更新日:2025/09/27

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2025年10月4日は世界中で月を見上げて過ごす夜「国際お月見ナイト」です。月を眺めることはあっても、クレーターの名前を確認しながら望遠鏡でしっかりと見るという経験はあまりできないものです。当夜は月の「海」や「クレーター」の名前と位置を確かめながら観測してみましょう。天体望遠鏡博物館には数多くの望遠鏡がありますので、クレーター毎に用意した望遠鏡で次々にのぞけます。また太陽-地球-土星の位置関係で土星の輪が見えなくなる珍しい現象があります。当夜はほとんど輪が見えない土星になっているはずです。
カシオペア座の二重星団などは月明かりがあっても星がよく見える大口径の天体望遠鏡を用意してお楽しみいただけるようにしています。

【日時】
2025年10月4日(土)
18時45分:受付開始
19時00分:オリエンテーション
19時10分:天体観望・エアドームプラネタリウム投映開始
20時30分:終了

エアードームプラネタリウム投影について
生解説で当日の星空などを紹介するプラネタリウム投映を行います。
観望会時間中に3回投映し希望者はいずれかの回にてご覧頂けます。
(1回30人×3回投映します)
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天体望遠鏡博物館の観望会の特徴は3つあります。

①大小様々な天体望遠鏡を使って天体を楽しめる。
天文台に設置していた大型望遠鏡、天文マニア垂涎の高性能望遠鏡や昔欲しかった懐かしい天体望遠鏡、初心者に人気のある小型望遠鏡、電子観望用のデジタル天体望遠鏡、星空を見るのに適した双眼鏡まで、各種の天体機材が豊富に揃っています。

②星空がきれい。
天体望遠鏡博物館がある「さぬき市多和地区」は山に囲まれています。市街地の光害の影響が少なく、晴れていれば「天の川」が肉眼で見えます。

③曇ったときでも博物館なので楽しめる。
昼間とは雰囲気が違う「館内ナイトツアー」、夜だからできる「望遠鏡などを使った実験」、「望遠鏡操作体験」天文ボランティアスタッフの楽しいお話、観望会前のプラネタリウムとは別プログラムのプラネタリウム投影などが行えます。

天体観望会の楽しみ方
天体望遠鏡博物館の天体観望会に参加される方の理由はさまざま。
参加者のニーズにできるだけ応えることが出来るように、観望会当日のお昼からボランティアスタッフが各種の望遠鏡を準備したり、役割分担したチーム編成をしています。
オリエンテーションのときに当日の「楽しみ方」をスタッフが説明しますので、お役立て下さい。

・天の川を見たい!いっぱいの星を見たい!
・星座を教えてもらいたい!
・家族で星と望遠鏡を楽しみたい!
・とにかく天体望遠鏡で星を見てみたい!
・量販店などにおいてあるような小型天体望遠鏡を実際に覗いてみたい!
・自分で操作してみたい!
・大型の天体望遠鏡で星を見たい!
・昔欲しかった天体望遠鏡を使ってみたい!
・月のクレーターをスマートホンで写したい(月が出ているとき)
・星をスケッチしてみたい

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集数・定員】80名

【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。

別プログラムの例
・館内ナイトツアー
・望遠鏡を使った実験やお話など

参加お申し込み方法 ネット予約をご利用下さい。

2025年10月4日夜間天体観望会-国際お月見ナイトは募集数を超える予約申し込みになりましたので予約受付を終了させていただきます。(2025/10/01 0:50)

10月4日の星空

☆★今回の天体観望会での観察オススメ天体リスト

月:月面,クレーター
星座:ペガスス座,カシオペヤ座,こと座,はくちょう座
一等星:フォーマルハウト,ベガ,デネブ,アルタイル
星の並び:秋の四辺形,夏の大三角
星雲:アンドロメダ座大星雲(M31),こと座の惑星状星雲(M57)
星団:ペルセウス座二重星団,ペガスス座の球状星団(M15)
二重星:アンドロメダ座アルマク,はくちょう座アルビレオ
惑星:土星,土星の衛星タイタン

 秋分も過ぎた10月初旬。暦の上では秋の真ん中。夏場に比べて,暗くなるのがずいぶんと早くなっています。観望会の始まる19時半ころには,もうすっかり暗くなっていて,満月に近い月とともに星々が見えてきます。
 その夜空を少し見てみましょう。

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 上の円形星空図は,観望会当夜20時頃に見える星空です。
 ※上下左右に記してある方角を下にして見ると,星座早見盤のように扱うことができます。

 月が明るくて星が見つけにくい状況だとは思いますが,明るい一等星を目印に探してみるのが良策です。
 まずは,天頂から西寄りにベガとアルタイル,そしてデネブの3つの一等星が見えてます。この3星がつくる三角形が夏の大三角。ということは,西空にはまだ夏の星々が見えているということです。
 そして,秋の唯一の一等星みなみのうお座のフォーマルハウトが,月のちょっと下(南)に,他の星よりも明るく光っているのがわかるかと思います。
 また,月の少し左上(東)にも明るい星が見つかるかと思いますが,これは恒星ではなく土星。
 
 まずは上の円形星図の中から,ベガ,デネブ,アルタイル,フォーマルハウト,土星を見つけてみてください。

 当夜,南の方角に身体を向けて,見上げてみるとこんな感じになります。

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 この図は,観望会の夜20時前の南方面を向いて,見上げたときのイメージです。
 (注)イメージ化しているおおまかな図なので,実際の星の高度,離れ具合,配置とは違っています。
 博物館南方向の山の頂や月を目印にしながら,南の低いところにあるフォーマルハウト,そして土星を見つけられそうでしょうか。

 実は,当夜は『国際お月見ナイト』となっています。
 国際お月見ナイト(世界中で月を見上げて過ごす夜)とは,月見を楽しみ,月への理解を深めることを目的とした,年に一度開催されるNASAアメリカ航空宇宙局主催のプログラムです。その主な目的は次のとおりです。
①月観測等を通じて、月の科学・探査プログラムに対する認識を高める。
②地球の月を入り口として、人々が月や宇宙科学・探査についてより深く学べるようにする。
③月にちなんだ物語、画像、芸術作品などの共有を促進する。
 堅苦しいことは抜きにして,実際にはどれくらいの人が月を見上げるのでしょうね。少なくとも,あなたはそのうちの一人になることは間違いないということになりますね。

 『月々に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月』という,詠み人知らずの歌があります。毎月,何気なく月に目を向けることは多いけれど,いざ月を見てみようと(意識して)月を見るには,今月のこの月だろう,という本来は名月を愛でる歌です。当夜の月は名月ではありませんが,普段見慣れてる月を,しっかりと肉眼であるいは天体望遠鏡で見てみようと,目的意識をもって眺めるのは,この夜のこの月なんでしょう。そして,同じように月を意識して,世界中の大勢の人が目を向けるであろう国際お月見ナイトです。

 それでは,まず月の紹介をしておきましょう。

大きさ:地球の4分の1強の大きさがあります。これは主惑星に対する衛星の大きさとしては,非常に大きいものです。他の惑星の衛星などを比べてみても,本惑星に対して突出して月は大きく,その原因は謎とされています。

月までの距離:およそ38万km。ジャンボジェット機で行くと,約2週間かかるほどの距離です。月は毎年約4cmずつ遠ざかっています。原因は潮汐力。海水の移動がブレーキとなって,地球の自転速度が遅くなり,結果として月までの距離が長くなっているのです。遠い遠い将来,月は地球からずっと離れて,いつかはいなくなってしまうのでしょうか?

月はどこから来た?:月の起源については,大きく分けて4つの仮説があります。
 ☆分裂説:月は地球から飛び出したという説。月は地球の子どもに当たるということで,『親子説』という言い方もされます。地球と月の密度が近いことも,この説を後押ししています。ところが,地球から月が飛び出すほど,地球の自転が速かったとは考えにくいのです。
 ☆兄弟説:太陽系が誕生した太古,地球と月は同時に誕生したという説。同じ時期に誕生したということから『双子説』と表現されることもあります。しかし,双子で誕生したなら組成は酷似しているはずなのに,地球に多い鉄などの成分が月には少ないこと,また,軌道の傾きの存在なども説明することができません。
 ☆捕獲説:別のところで誕生していた月が,地球の重力に捕まってしまったという説。兄弟説の欠点をうまく説明できるのですが,捕獲された後,何らかのブレーキが働かないと,地球と衝突してしまう可能性の方が高いと考えられています。
 ☆ジャイアントインパクト説:地球が形成された頃,火星サイズの天体が地球と衝突して,周辺にばらまかれた岩石などが固まって誕生したという説で,現在では最も有力視されています。従来の各仮説の短所をうまく説明できる説だとされています。ただ,コンピュータでシミュレーションしてみると,月は地球の破片成分が集まってできたのではなく,衝突した天体の方の天体の成分から誕生してしまうということが判明。すると月の組成が地球と組成に似ている点と矛盾してしまうんです。
 それぞれに〇と×があって,決定打に欠ける状況のようです。
 さて,真実はいかに?
 いろいろの方面から月を紹介していると,どれも最後には『?マーク』が付いてしまいます。一番身近な天体でありながら,まだまだ未解明な点が多いということです。そういう意味では,神秘さも感じさせる不思議な天体だといえそうです。身近でロマンに満ちた月,当夜はぜひそんな月の魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。

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 では,実際の月の観察ポイントを紹介しておきましょう。
 まず,望遠鏡で月を観察したときに一番に気がつくのが,黒っぽい模様。昔の人たちは,月にも地球と同じように海があると考えていました。そして,この黒い地域を『』と呼びました。海は,そのほとんどが地下から噴き出した溶岩(玄武岩)でできて,この玄武岩が黒っぽく見せているのです。その海には,名前が付いています。当夜,見えているのは下の10の海でしょうか。

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 そして,月面と言えばクレーター。月の表面には大小無数のクレーターがあります。その中から,珍しい地形を含めて,いくつか代表的なものをご紹介しておきましょう。望遠鏡を覗きながら,ここがそうかなんて,注視しながらじっくり観察すると,月に対しての眼力が少し上昇するかもしれませんよ。

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 プラトーは,月面の北部に位置するクレーター。直径は約100km。プラトーの底は平坦で暗く,内部に直径2km程度の小さなクレーターが4個ほど確認できます。この小クレーターは気流が安定したときに性能の良い望遠鏡でないとなかなか見ることができません。そのために望遠鏡の分解能テストに利用されることもあります。
 スライディングルーフにある大型望遠鏡に高倍率をかけて,はたして何個の小クレーターを見ることができるか,挑戦してみるのもおもしろいのではと思います。
 ティコは,直径約85kmほどのクレーター。太陽光が当たると光条と呼ばれる明るい放射状の筋が,このクレーターを中心に幾本か伸びているのがわかります。中央にある山の高さは1600mほど。周囲の山の高さは4800mと富士山を越えています。
 アルプス谷は,プラトーのすぐ近くにあって,周囲の山々を切り裂くように伸びる長さ約180kmの幅広い谷です。
 コペルニクスは,雨の海の南に位置するクレーター。直径は約93kmと香川県がちょうどすっぽりと入る大きさ。輪郭をなす山の高さは,およそ3700mと富士山とほぼ同じ。クレーターの中央に高さ1200mほどの山が存在しています。比較的新しいクレーターです。
 クレーター以外にも,雲の海に直線壁(ちょくせんへき)と呼ばれる地形があります。直線壁は,長さ110km,高さ300mの月面有数の断層です。高さ300mというとイメージ的には,ものすごい絶壁のように想像しますが,実際には幅が2.5kmほどあり,断崖というよりも坂という感じでしょうか。

 月面を観察する場合,倍率を思いっきり高くしてみるのもオススメです。高倍率で見る月面は,すごい迫力で,クレーターの内部構造や,谷のようなひび割れた様子などを観察することができます。

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 今宵は,国際お月見ナイトですが,月とは別に主役天体となりそうな天体があります。
 それは,土星
 土星というと,多くの人は図鑑に載っている目玉のようなイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。土星には環(輪っか)があって,その環が土星を土星たらしめる要因となっているのではと考えます。その環がですね,今,とても見えくくなっているんです。

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 土星の環は年によって傾きが変わって見えます(上図参考)。7~8年かけて,幅広く見えるときから,幅狭く細く見えなくなるときまで,その見え方は徐々に変化していきます。今年2025年は,その環が最も細く見える時期になるんです。
 土星の環は,その厚みが数m~数百mと考えられていて,土星の直径(116,460 km)と比較すると,厚みは本体の1/20万。土星本体に比べると非常に薄いわけです。土星本体を,今が旬の果物である梨に例えると,環の厚みは1μm(マイクロメートル)以下と,細菌レベルとなります。このように,あまりにも薄いため,認識できなくなる(見えなくなる)んです。この見えなくなる現象を環の消失と呼んでいます。
 環が見えなくなるのは,この薄い環を真横から見るという場合と,真横からではなく斜めから見てるけど,太陽光が真横から当たっていて反射が足りないから見えないという場合があります。
 来月11月には,この真横から見る位置に地球が来るため,環が見えなくなるのですが,それに近づいている10月は,とても細い環として何とか見えている状況にあります。こうした環の細い土星が見えるのも珍しいことには違いありません。せっかくの機会です,いつもと違う土星の姿をじっくりと眺めてみてください。
 ☆★
 もしかしたら,小型の天体望遠鏡では,環が細すぎて見えない可能性も高いです。見えないときは,スライディングルーフ内の大型望遠鏡に高倍率をかけてじっくりと観察してみてください。
 下は,当夜の土星のイメージ(写真,スケッチではありません)です。

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 土星の大きさは,地球の9.5個分と,太陽系では木星に次ぐ大きな惑星です。土星までの距離は,約12億km。といってもピンときませんね。土星の大きさを,また梨に例えてみると,地球はビー玉ほど。その梨の大きさの土星が,ビー玉大の地球から1.8kmほど離れたところを回っていることになります。距離感をイメージできそうでしょうか。
 土星は,表面に固い地面はなく,水素とヘリウムでできているガス惑星です。だから,土星に下り立って表面を歩くことはできません。
 土星の環は,微小なものから岩塊ほどのサイズの氷をメインに,小石や岩からできていると言われています。土星の環がどうやってできたということについては,いくつかの説がありますが,土星の衛星の一つが土星本体の潮汐力によって,粉々にされたという説が有力のようです。

 それでは,月と土星についてはこれくらいにして,星座や秋の天体の方に目を移してみましょう。
 秋の星座で有名どころといえば,一つはカシオペヤ座,そして星座ではありませんが秋の四辺形といったところでしょうか。この秋の四辺形はペガスス座の一部の形を示します。
 上の円形星図をもう一度ご覧ください。
 ペガスス座から東,南東,北方面を探すと,カシオペヤ座,アンドロメダ座,ペルセウス座,ケフェウス座,くじら座などが見つかります。これらの星座は,2等~4等といった,それほど明るくない恒星が多く,全体の形を見つけるのは簡単ではありません。(カシオペヤ座は例外で見つけやすい!)当夜は,大きな月とその輝きのために,暗い星座は見つけるのが難しいかもしれません。天頂からやや東よりにペガスス座はあります。ペガスス座の秋の四辺形は,かなり大きな四角形です。秋の星空の主役となる星座たち,カシオペヤ座のW形,ペガスス座の四辺形など,図形を意識して探すと,見つけやすくなるかと思います。

 最後に,当夜,見て楽しめる天体を紹介しておきましょう。
 まだ夏の星座や天体も見えていますが,今回は秋の天体を中心に解説しておきます。

☆★散開星団
 ほぼ同時期に誕生した星々が,比較的近い領域に集まってる天体
ペルセウス座二重星団(h&χ)
 カシオペヤ座のW形の近くにある見事な散開星団。双眼鏡でもよく見える星団です。倍率は低めの方が隣接する2つの星団の全体像が見渡せることもあり,見た印象は良い感じがします。小型望遠鏡の低倍率での観察がオススメです。赤っぽい星があちこちに見られ,良いアクセントになっています。
※距離は1,400光年

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☆★系外星雲
 天の川銀河(銀河系)の外にある銀河(島宇宙)
M31(アンドロメダ銀河)
 アンドロメダ座にある系外星雲。肉眼で見える最も遠い天体です。こちらも,倍率は低めの方が全体像がわかりやすいといえます。渦巻きには見えませんが,見かけの大きさは満月の約5倍ほどもあるビッグな天体です。望遠鏡では星雲の中心部がボンヤリと見えます。
 距離は230万光年。すなわち,今から230万年前(旧石器時代です!)にアンドロメダ星雲を出発した光が,今ここに届いているわけです。本にある写真のようには見えませんが,ご自分の目でアンドロメダ星雲からの生の光を体感してください。
※距離は230万光年

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☆★二重星
 肉眼では1個の星にしか見えないものが,望遠鏡で観察すると接近した二つ(以上)の星として見える天体。実際に二つ以上の恒星がお互いに回り合っている天体を『連星』。たまたま同じ方向に近寄って見えている見かけ上,二重に見えている天体を『見かけの二重星』といいます。
アルマク(アンドロメダ座の二重星)
 アンドロメダ座には美しい二重星があります。アルマクという名の二重星で明るさは2等級。青色とオレンジ色の色の対比が美しい二重星です。肉眼ではわかりませんが,望遠鏡を使って少し倍率を上げて見てみると,2星が分離して色の具合もよくわかってきます。この二重星は実際に2つの恒星が公転し合ってる『連星』です。
 似たような色の組み合わせのアルビレオという二重星が,はくちょう座にあります。こちらも有名ですが,アルマクの方が,より接近し合ってるせいか色が濃く感じられる気がします。

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☆アルマク:これは写真ではなくてイメージです。

☆★球状星団
 恒星が互いの重力の作用で球状に集まった天体。
 多くは天の川銀河(銀河系)の周辺部に存在します。
M15(ペガスス座の球状星団)
 天馬ペガススの頭の先にある秋を代表する球状星団。数ある球状星団の中でも最も古い部類に入ります。距離は33,000光年

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 この夜間観望会の主役は,月と土星かもしれません。また,月明かりの影響で,暗い天体は見えにくい状況にあるかもしれません。それでも,まだ夏の星雲星団も見えていますし,ここまでに紹介したもの以外にも,見ておもしろい天体がたくさんあります。
<例>
  ★アルビレオ・・・はくちょう(座)の口ばしにあたる美しい二重星
         宮澤賢治が『銀河鉄道の夜』の中で,サファイヤとトパーズと例えています。
  ★こと座ε(イプシロン)星・・・二重星が二重?ベガの近くにあります。
               通称『ダブルダブルスター』
  ★こと座の惑星状星雲M57・・・タバコの煙?
  ★こぎつね座の惑星状星雲M27・・・銀行の地図記号に見えてくる?

 当夜は,博物館の担当者が様々な望遠鏡を使って導入,そして紹介してくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体がどんな天体であるかを知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
 また,大きな望遠鏡と小さな望遠鏡とでは見え方が大きく違ったりします。レンズを使った屈折望遠鏡と鏡を使った反射望遠鏡とでも,見え方に違いがある場合があります。倍率の違いによる見え方の違いもあります。同じ天体でも,いろいろな望遠鏡,いろいろな倍率で観察して,見え方の違いを味わってみるのもおもしろいと思います。
 秋の夜,虫の声に耳を澄ませながらのお月見気分。静かな秋の夜,いろいろな天体の観望,心ゆくまでお楽しみください。それでは,観望会でお会いできるのを楽しみにしています。

<注>
 天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体には個々にM番号が振られて一覧化され,観測に活用されています。『M』は観測者メシエのM。

※HP中の星図,星座絵図は,アストロアーツ社製StellaNavigator12で作成しています。
 天体画像は,博物館会員が天体望遠鏡を使って撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときの見た感じに近いように若干の加工を加えたものもあります。
 円形星空図,説明図等はAdobe製Illustratorで作図しています。

 

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