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【募集中】5月17日夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2025/05/17
更新日:2025/04/24

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【日時】
2025年5月17日(土)
18時50分:受付開始
19時20分:オリエンテーション
19時30分:観望会開始
21時00分:終了予定

【内容】
オリエンテーション後、天候に合わせて天体観望を行います

【予定機材】
大型望遠鏡数台、小型・中型望遠鏡10台程度

【参加費】
大人500円
大学高校生400円
中学小学生300円
就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料

【募集組数】30組(80名程度)

【オリエンテーションの内容】
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明

【雨天・曇天時】
雨天・曇天時は別プログラムにて開催致します。

別プログラムの例
・館内ナイトツアー
・望遠鏡を使った実験やお話など
・4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」による星空ツアー

参加お申し込み方法 下記のネット予約でお申し込み下さい。

お申し込み

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高校生・大学生:
小学生・中学生以下:

5月17日の星空案内

☆★今回の天体観望会での観察オススメ天体リスト
星座:かに座,しし座,うしかい座,おとめ座
一等星:レグルス,アークトゥルス,スピカ
星の並び:北斗七星,春の大曲線
星雲:おおぐま座の系外星雲M51,M81,M82,M101
星団:かに座の散開星団プレセペ(M44),りょうけん座の球状星団M3
二重星:ミザール,プルケリマ

 夏至まであと一ヶ月ほどになってきました。日没も遅くなってきています。この日の日の入りは午後7時頃。オリエンテーションが終わる頃になっても,空にはまだ明るさと青みが残っているでしょうか。明るい星しか見えにくいかもしれませんが,時間が経つとともに見える星の数は増えてきます。
 下の円形星図は,当夜の8時頃の星空です。

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 この円形の星図中に方位を記入してあります。その方位を下にすると星座早見盤のように扱うことができます。(注)一等星を紫色の文字で表示していますが,北極星,ふたご座のカストルは一等星ではありません。

 まず,一等星を目印にしてみましょう。
 西方向にはまだ冬の星座たちが見えていますが,主役は完全に春の星座たちです。その春の星空には一等星が3つありますが,おわかりになるでしょうか。
 しし座のレグルス,おとめ座のスピカ,そして,うしかい座のアークトゥルスの3つ。
 南方向に身体を向けて,真上(天頂)を見上げてみましょう。真上よりやや西よりに見えるのがレグルス。真上より東寄に赤っぽい色で見えているのがアークトゥルス。アークトゥルスより少し低い場所に白っぽく見えているのがスピカです。
 一等星の名前ってなかなか覚えにくいですよね。そこで星の名前の由来や意味などを知っておくと,印象に残りやすいかもしれません。ということで春の一等星たちの名前の由来(意味)を紹介しておきましょう。
 しし座のレグルス:ラテン語で『(小さな)王』という意味。確かに百獣の王しし座の一等星そのものという名称です。レグルスはししの心臓のあたりに位置します。
 うしかい座のアークトゥルス:『熊の番人(熊を追う者)』という意味。おおぐま座のすぐ後ろをついていくように,高度を上げてくるのは確かに番人みたいですね。また,和名として『麦星』という名称が付いています。麦の刈り入れ時期となるのが5~6月。ちょうどこの頃に頭上に見やすくなっているからでしょう。
 おとめ座のスピカ:意味は『穂先』。麦の穂の先という意味ですが,おとめ座のモデルになっている女神デーメテールが,左手に持っている麦の穂の先の部分にスピカはあります。また,『とがったもの』という意味もあるようです。穂先ということで,形状がとがっているわけです。スピカの綴りは『Spica』。野球選手やサッカー選手が履いている靴の裏には,とがっている釘のようなものが付いています。スパイクシューズなんていいますが,その綴りは『Spike』。若干違いますが,とがったという意味で語源は同じです。
 意味を知ると,これら3つの一等星の名前も覚えやすくなるような気がしませんか?

 ここで,春の一等星を含む星座も紹介しておきましょう。
 レグルス→→『しし座』
 しし座のモデルとなっているのは,ネメアの森に住む人食いライオン。その体は鉄のように硬く,剣や弓矢も効かないため誰も退治することができませんでした。そこで,怪力自慢の英雄ヘラクレスに,このライオンを退治せよという命令が出されました。ヘラクレスはこん棒を使って戦いを挑みましたが,簡単に折られてしまい,武器はまったく役に立ちません。困ったヘラクレスは,ありったけの腕力で三日三晩,ライオンの首を絞めつけました。そして,ようやくライオンを退治することができたという話。
 春の三大悪役星座の一つといわれるしし座,あと二つはどの星座でしょう?興味を持たれた方はぜひ調べてみてくださいね。

 アークトゥルス→→『うしかい座』
 古くからある星座です。神話に登場するうしかいのモデルは複数あるようですが,その中の一つとされるのがタイタン族に属する巨人アトラス。このタイタン族と大神ゼウスは,世界の支配権をめぐって争いを繰り広げていました。その戦いにアトラスも参加します。しかし争いに敗れたタイタン族には罰が与えられ,アトラスにも天と地を担ぐという厳しい役務が言い渡されます。その重く苦し過ぎる罰に,アトラスはペルセウスに頼んで自分の身体を石に変えてもらいます。堅い石になることによって,重い天地を担ぐ負担を消してしまおうと考えたのです。
 アフリカ大陸北部にあるアトラス山脈は石となったアトラスの姿で,この山脈から西に見下ろす海は大西洋(Atlantic Ocean)と呼ばれるようになったと言われています。

 スピカ→→『おとめ座』
 農業の女神デーメテールには,ペルセポネーという一人娘がいました。彼女に一目惚れした冥界の王プルートは,ペルセポネーを妻にしようと強引にさらってしまったことから話は始まりまります。
 行方不明となった娘を探し回るデーメテールですが,プルートが娘を連れ去ったことを知ると悲しみのあまり洞穴に姿を隠してしまいます。農業の女神がいなくなったことから地上は暗く寒い日が続き,とうとう世界中の農作物が一切育たなってしまいました。見かねた大神ゼウスは,弟であるプルートを説得。ペルセポネーを母の元へ帰すよう説得しました。大神ゼウスには逆らうことができないプルートは,その要求を受け入れますが,彼はペルセポネーとの別れ際にそっとザクロの実を4粒ほど渡します。
 ペルセポネーは無事に母の元に帰ってくることができたのですが,手渡された冥界の食べ物(ザクロの実)を4粒食べてしまったため,1年のうち4ヶ月間は冥界で暮らす運命となってしまいます。
 ペルセポネーが冥界に帰っていなくなった4ヶ月間,女神デーメテールは寂しさに耐えかねて,再び洞穴にこもってしまい,地上ではまた農作物が育たなくなります。それが冬の期間だとされ,四季が生まれる元になったという話です。
 いかがでしょうか。星座にまつわる神話を紐解いてみると,ちょっとおもしろくなって気になる星座を実際に探してみたくなったりしませんか?星座に含まれる一等星をまず見つけて,それから周囲の暗い星を探しながらたどっていくと,星座の全体像も見つけやすくなるのではと思います。

 さて,星座ではありませんが,春の星空で有名な北斗七星 があります。北極星を探すのに利用されることでも有名です。北斗七星から北極星を探す方法は,小学4年生の理科で学習します。一度,子どもの頃の勉強を思い出して北極星を探してみませんか。
 見つけ方は簡単です。まず北斗七星のひしゃくの先の星と2番目の星を結んで,ひしゃくの向く方向に5倍ほど伸ばしたところ(下図参照)に北極星があります。

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 この北斗七星の柄の部分をひしゃくの部分とは反対方向に伸ばすと,うしかい座のアークトゥルスに,そのアークトゥルスをさらに南へ伸ばすとおとめ座のスピカにいきつきます。この北斗七星の柄の部分から,アークトゥルス,スピカと結んでできる曲線が春の大曲線(冒頭の円形星図参照)です。
 こういった星々を結んでできる形や星座の観察には,天体望遠鏡は必要ありません。望遠鏡での観望を待つ間,一等星の名前を覚えながら,いろいろな星の並びや形も見つけて楽しんでみてください。

 それでは,当夜見える天体をいくつか紹介していきましょう。
 春の星空の特長として,『宇宙ののぞき窓』と呼ばれている領域があるということが挙げられます。ここでいう『宇宙』とは,太陽系内にある月や惑星ではなく,天の川銀河(銀河系)内にある星雲や星団でもなく,もっと遙か遙か遠い遠い宇宙のことです。
 『窓』というのは,文字通りそこからずっと向こう側が見える部分ということ。
 これを合体してみると,”すごく遠い天体が見える部分がある”と読み解くことができます。春の星空には,この窓があちらこちらにあるんです。
 ざっくり言うと,春の星空では遠い天体(宇宙)がたくさん見えるということ。この遠い天体というのは,天の川銀河(銀河系)の外にある銀河ということで系外星雲 (けいがいせいうん)と呼ばれています。
 この系外星雲はものすごく遠くにあるため,暗くて小さくしか見えないのです。天体望遠鏡を使ってもとても見えにくい。だから,系外星雲を観察するときは,できるだけ(レンズや鏡の直径が)大きな望遠鏡で見ることがポイントになります。
 ちょっと望遠鏡のサイズ面での特長を簡単にまとめておくので,覚えておいてくださいネ。
 大きな望遠鏡の特長
  ☆光をたくさん集めることができる=暗い天体まで見える
☆高倍率が得やすく,細かいところまで詳しく見える
 小さな望遠鏡の特長
  ☆低倍率が得やすく,広い視野で天体の全体像を眺めることができる

 おおぐま座には,比較的観察しやすい銀河があります。
 まずは,M81とM82。M81とM82は,北斗七星のひしゃくの先に位置します。距離は1200万光年。
 M81の方は渦巻き型をしていますが,M82の方は不規則な形が特徴です。M81の方は楕円っぽく,M82の方は細長く観察できます。数千年前に,この二つの銀河は接近して,M82はM81の大きな重力で変形してしまったと考えられています。望遠鏡で観察すると,どちらもボンヤリとした雲か煙にしか見えませんが,遙か深宇宙の生の姿だ
と考えると,とても見応えがあるものです。
 距離は1,200万光年。

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 続いて,同じおおぐま座にあるM51。
 M51は,大小2つの銀河がくっついているため,子持ち銀河とも呼ばれたりもします。下の写真では,M51の渦巻きの1本の腕の先に,小型の銀河(NGC5195)が並んでいる様子がわかると思います。
 残念ながら小さな望遠鏡では,大小の星雲を結ぶ腕までは見えません。それでも,目を凝らせて観察していると,大小2つの淡い雲という感じにわかるようになってきます。それは,遙か2100万光年かかって地球に到達した銀河からの光。写真ではない本物の宇宙からの光です。
 M81,M82,M51は,大口径の望遠鏡で観察してみてください。

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 そして,これもおおぐま座にあるM101。

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 そして,これもおおぐま座にあるM101。

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 北斗七星の柄の先から2番目の星がミザールです。肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星。上の写真でも2つの星がくっついているのがわかりますが,明るい方がミザール,暗い方の星はアルコルといいます。アラビア地方では,その昔,兵隊の視力検査に利用されていたそうです。視力に自信がある方は,肉眼でこのミザールが2つの星に分かれて見えるか挑戦してみてください。

 春の星空の特長の二つ目として,見応えのある二重星が多いということが挙げられます。ミザールは肉眼でもわかる二重星ですが,望遠鏡を使って高倍率で見ると,とても味わい深く観察できる二重星もあります。
 例えば,うしかい座のプルケリマという二重星があります。プルケリマとは,ラテン語で『最も美しいもの』という意味。最も美しいって,いったいどんな風に見える二重星なんだろうって思いますよね。

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 確かに,黄色っぽい主星に青みがかった伴星(二重星の暗い方の星)が寄り添っている姿は,とても美しく感じます。
 その他にも,しし座のアルギエバ,おとめ座のポリマなど,美しい二重星があります。星の色の対比や離れ具合など,組み合わせの妙をぜひ味わってみてください。
 これらの二重星は,大きな望遠鏡の高倍率を使って観察するのがオススメです。

 系外星雲のような暗くて淡い天体を見るのにオススメなのは大きな望遠鏡。では小さな望遠鏡は,どんな天体の観察を得意としているのでしょうか。
 初めに書いた説明を思い出してください。小型望遠鏡は低倍率が得意!小さな望遠鏡は,対物レンズや対物鏡の焦点距離が大きな望遠鏡に比べて短いものが多いです。天体望遠鏡の倍率は,『対物レンズや鏡の焦点距離÷接眼鏡の焦点距離』で計算できます。対物レンズ(鏡)の焦点距離が短いということは,低い倍率が得やすいということ。倍率を上げない方が良く見える天体,そんな天体を見るには小型の望遠鏡で観察するに限ります。

 低倍率で観察するのがオススメの天体として,ここで紹介しておきたいのは,かに座の散開星団(数多くの恒星が集まっている天体)M44。

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 M44はプレセペとも呼ばれています。
 プレセペとはラテン語で『飼い葉桶(牛馬のエサ入れ)』という意味。小型の望遠鏡でも30~40個以上の星を数えることができます。
 場所はかに座。レグルスの西側(南に向かって右方向)にかに座があります。そのかに座のど真ん中に,プレセペはあります。概ね散開星団は低倍率での観察が向いていて,倍率を上げすぎると星の密集感が感じられなくなって,おもしろみがなくなることが多いです。散開星団は月明かりがあっても,そこそこに楽しめる天体でもあります。

 その他にも,見ておもしろい天体の一つにM3という球状星団(多くの恒星がお互いの重力で球形に集まった天体)があります。
 うしかい座のアルクトゥールスとりょうけん座α星の真ん中あたりにあります。実際の大きさは直径は100光年以上。50万個もの恒星が集まってボール状に見えています。年齢も相当に古く,どうしてこんな天体があるの?と思いたくなるような不思議な天体です。
 距離は34000光年。天の川銀河(銀河系)の周辺部に位置します。
 球状星団も口径の大きな望遠鏡で観察するのが基本です。口径の大きな望遠鏡で倍率を高めにして観察すると,(気流や空の状態にもよりますが)一つ一つの星々がブツブツとツブツブに分離して見えてきます。スライディングルーフの中に設置されている,大口径の望遠鏡でじっくりと観察してみてください。

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 最後になりましたが,当夜は一つだけ惑星が見えています。太陽系第4番目の惑星である火星です。
 火星は,地球のすぐお隣の惑星でありながら観察しやすい惑星ではありません。火星は2年2ヶ月ごとに地球に接近します。すなわち,その接近したときに望遠鏡を向けるのが火星観察の王道となります。
 前回の最接近は今年の1月25日で,既に4ヶ月ほどが経過しています。本体の大きさが地球の半分と小さいこともあり,地球との距離が離れてしまうと倍率を上げてもそれほど大きくは見えません。当夜見える火星も,通常の恒星よりは大きいねというレベルです。
 スライディングルーフ内の大きな望遠鏡でじっくりと観察してみてください。小さなイメージですが,赤っぽさと,もしかしたらムラのように模様もわかるかもしれません。

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 次回の火星接近は,2027年2月20日。それまで,しばらく見納めとなるので,見映えは良くありませんが,ぜひとも観察しておきたい天体の一つといえそうです。

 ここまで,いくつか見どころとなる天体を紹介しましたが,春の星空には他にも数多くの『見ておもしろい天体』がたくさんあります。ここに記しているもの以外の天体についても,博物館の担当者が望遠鏡を使って導入,そして紹介してくれると思います。望遠鏡を覗きながら,それがどんな天体なのかぜひ質問してみてください。星は観察するだけでなく,その天体がどんな天体であるかを知ることによって,より興味深く感じることができるようになるものです。
 また,大きな望遠鏡と小さな望遠鏡とでは見え方がかなり違ったりします。レンズを使った屈折望遠鏡と鏡を使った反射望遠鏡とでも,見え方に違いがある場合があります。倍率の違いによる見え方の違いもあります。同じ天体でも,いろいろな望遠鏡,いろいろな倍率で観察して,見え方の違いを味わってみるのもおもしろいと思います。
 それでは,観望会でお会いできるのを楽しみにしています。

※HP中の円形星図,説明図はAdobe Illustratorで作成しています。
 天体画像は,博物館会員が小型の天体望遠鏡で撮影したもので,実際に望遠鏡を覗いたときに見た感じに近いように若干の加工をしてあります。

<注>
 天体(星雲星団)の名称の頭に付く『M』記号について
 フランスの天文学者シャルル・メシエは,数多くの星雲星団を観測してカタログにまとめました。そのカタログに記された110個の天体には,個々にメシエを意味する『M』が付く個別番号が振られていて,一覧化され観測に活用されています。


 

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