収蔵望遠鏡

  1. HOME > 
  2. 収蔵望遠鏡 > 
  3. 木製手作り望遠鏡など(田村宦氏自作)

木製手作り望遠鏡など(田村宦氏自作)

ブランド: 寄贈者自作望遠鏡
光学系: 反射
口径: 調査中mm
焦点距離: 調査中mm
架台形式: 経緯台
年代: 不明
備考: 故 田村氏自作

香川県東部と高松市を結ぶ国道11号線沿いの東かがわ市西村(旧 大内町西村)に故:田村宦(つかさ)氏が院長をなさっていた田村医院がありました。1970年代の香川県東部には、個人天文台は極めて少なく、田村医院の鉄筋コンクリート2階建て屋上で銀色に輝く天文ドームは天文少年あこがれの的でした。

旧 田村医院ドーム写真_002旧 田村医院ドーム写真_007
2016年現在すでに天文ドームがあった建物は解体撤去されています。この写真は解体前に田村宦(つかさ)氏のご子息、田村隆一様(高松市庵治町 田村内科クリニック院長)が撮影されたものです。

2016年7月、田村宦(つかさ)氏のご子息、田村隆一様(高松市庵治町 田村内科クリニック院長)が天体望遠鏡博物館に来館され、その際にドーム建物内に残っている望遠鏡類を寄贈する旨のお申し出をいただいていました。同年10月30日、当館会員がお伺いし本機をはじめアストロLN6E、ミードC8、タカハシFC50㎜、カセグレン式反射望遠鏡(レプリカ品)などをまず搬出しました。

その中でも歴史を感じさせる手作り反射望遠鏡がこれです。

田村医院寄贈望遠鏡_031

この木製手作り望遠鏡について寄贈者:田村隆一様には次のような思いでがあるそうです。

「これは私の父が使用していた望遠鏡です。東讃では、天体望遠鏡のドームが有る家として知られていました。父、田村宦とその弟になる田村二也(かずや)さんの二人は兄弟揃って天文に興味があり、戦後の一時期、田村医院に同居していたこともあり、天体望遠鏡を手作り(鏡を磨いたり)して、天体観測もしておりました。その頃は私も子供の時代で、月や土星の輪、木星、火星などを望遠鏡で観察したことを覚えております。私が大学に行ってから、父は望遠鏡のドームを造り、天体観測を続けていたようです。また二也さんも、結婚し別の家に住むようになり、「木辺鏡」を買ったような話を聞きました。その望遠鏡は二也さんと親交のあった岡内さんを経由して天体望遠鏡博物館に寄贈されています」

(当館に収蔵されている西村製25㎝ニュートン反射望遠鏡(木辺鏡)はこの話の中にでてくる田村兄弟の弟、故:二也氏が使用されていたものです。天体望遠鏡博物館では田村兄弟の望遠鏡を同じ展示室内に展示致しました)

田村医院寄贈望遠鏡_032

もともとは白色に塗装されていたと思われますが、風格さえ漂わすこの状態をキープしていくようにします。

 田村医院寄贈望遠鏡_038 田村医院寄贈望遠鏡_039

鏡筒は六角形で、内部は補強されています。

田村医院寄贈望遠鏡_033 田村医院寄贈望遠鏡_042

接眼部の部品メーカーは不明です。外部は傷んでいますがラックアンドピニオンは動作可能です。主鏡・斜鏡ともにありませんが、おそらく口径150㎜F8程度と思われます。

田村医院寄贈望遠鏡_040 田村医院寄贈望遠鏡_041

主鏡のメンテナンス窓です。

田村医院寄贈望遠鏡_034 田村医院寄贈望遠鏡_036

上下はこの次代の一般的な形式です。真鍮製らしくメンテナンスでよみがえりそうです。

田村医院寄贈望遠鏡_037 田村医院寄贈望遠鏡_035

耳軸もスムーズです。水平回転軸は真鍮製の厚い板を上下からボルト締めしてテンション調整しており、スムーズな回転です。

田村医院寄贈望遠鏡_043 田村医院寄贈望遠鏡_044

三脚は鏡筒を天頂に向けた際も干渉が少ないデザインで、とても参考になります。

田村医院寄贈望遠鏡_020

この望遠鏡といっしょに寄贈された望遠鏡です。

左奧:アストロLN6E

オレンジ色の鏡筒:ミードC8

右端:タカハシFC50㎜(三脚は後日、純正品が見つかり交換しました)

金色の鏡筒:カセグレン式反射望遠鏡(レプリカ品)


田村医院寄贈望遠鏡_004

木部に水分を吸わせないように、エアーブローを使って、長年の埃を落としていきます。

田村医院寄贈望遠鏡_003 田村医院寄贈望遠鏡_002

金属部分のメンテナンスはこれからです。


同時に寄贈品されたものを紹介します。

田村医院寄贈望遠鏡_022

真鍮製の反射望遠鏡です。

田村医院寄贈望遠鏡_023

光学系はカセグレン系のようです。きれいな鏡面です。

田村医院寄贈望遠鏡_026

Deutsches Museum ドイツ博物館の刻印があります。ドイツ博物館は技術・科学方面の世界的に有名な博物館だそうです。右に見えるノブは副鏡を前後させてピント調整するためのものです。

田村医院寄贈望遠鏡_027

248/1500の刻印からすると、ドイツ博物館に収蔵されている望遠鏡のレプレカと思われます。


DSC_2460

天体の驚異 科学書報臨時増刊 昭和9年発行ですが、まるで現代の探査機による調査結果をもとにしたかのような想像図です。

DSC_2461 DSC_2462

天体写真術のページです。少し読んでみると、現代のデジタル撮影では考えられない当時の苦労がわかります。

DSC_2463

とても興味深い 望遠鏡の広告です。ここにあるライムス望遠鏡は天体望遠鏡博物館にもあります。

DSC_2465

昭和9年7月1日印刷 定価1円50銭とあります。


2016年12月4日、寄贈者:田村隆一様の案内で前回搬出できなかった旧:医院の建物2階、応接室内の壁に設置されていたシチズン製天文時計を引き取りに伺いました。直径1メートルほどある大型天文時計で、照明までついています。現在、天体望遠鏡博物館大型望遠鏡展示棟 入り口に設置しています。

ビックコスモサイン2

ビックコスモサイン1

ビックコスモサイン3


田村宦氏寄贈品_016

 田村宦氏寄贈品_017

ミザールブランドの口径8㎝倍率11倍の双眼鏡。SBK-1180。プリズム材質はBak4。さすがにこのサイズになると三脚固定での使用になります。

田村宦氏寄贈品_010

ミランダ センソレックス ファインダー倍率が変更できます。

田村宦氏寄贈品_015

天体望遠鏡用アダプターを取り付けてみました。

田村宦氏寄贈品_001

田村ご夫婦の作品です。日食撮影:田村宦(つかさ)氏 書:奥様

田村宦氏寄贈品_002

田村ご夫婦の作品です。日食・月面・滝撮影:田村宦(つかさ)氏 書:奥様

 

収蔵望遠鏡の一覧はこちら

天体望遠鏡博物館

開館日

開館日

Copyright © Museum of Astronomical Telescopes, All rights reserved.