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くじら座に「不思議な」星を探してみよう(くじら座ミラが極大)

[天文現象] スケジュール:2019/11/01
更新日:2019/10/20

ミラ_001

■くじら座には変光星と呼ばれる明るさの変化する星があります。平均すると332日ほどの周期で、2等級から10等級くらいまで明るさが変化します。
肉眼で見える明るい星は1等星、何とか見える、とても暗い星は6等星と言われますが、星空がとても美しい望遠鏡博物館のある多和地区でも5等星が見える日はとても良い条件の夜に限られます。都会の空では3等星を探すことは難しいかもしれません。北斗七星、7個の星が全て見えれば、3等星が見え、一つ足りなければ、2等星までしか見えないことになります。
等級と等星の違いの説明は別の機会にすることにして、今回ご案内するくじら座のミラは2等級から10等級まで明るさが激しく変化する変光星です。肉眼では全く見えない時期も多く、見える時には、その明るさの違いを観察するのは楽しく興味深いものです。
一番明るくなる極大と呼ばれる日は、理科年表によると、11月17日と予想されていますが、10日前後ずれることもあります。いつ、一番明るくなるかを楽しみに、数日ごとに観察するのが良いでしょう。もちろん、くじら座を見たことがない人は、この機会に探してみるのはとても良いことです。くじら座のミラは極大付近以外では、肉眼で探すことは難しい星です。暗い時には、双眼鏡や望遠鏡で探すことも一苦労します。今の時期は、極大付近なので比較的簡単に探すことができるはずなので挑戦してみましょう。
秋の星空の目印、秋の四辺形の左側(東側)の辺を下の方向に伸ばしていくと、くじら座のシッポの星、デネブカイトスを見つけることができます。デネブカイトスは2等星なので、あまり明るくはありませんが、近くに明るい星がないのですぐ見つかるはずです。
デネブカイトスが見つかったら、大きく左手、東側に視線を移すと、おうし座の一等星、アルデバランがオレンジ色に明るく輝いています。
くじら座のミラは、これらの二つの星のちょうど真ん中あたり、この時期、肉眼でも赤くポツンと見えるはずですが、双眼鏡を使用すると簡単に見つけることができます。
数日ごとに観察して、次第に明るくなる様子を観察して、さらに、それが日々暗くなっていくのも確認できます。年内いっぱい観察して、明るさの変化を楽しむのも良いかもしれません。
なお、この星の名前、ミラの語源は外国語で「不思議な」という意味だそうです。昔の人は、見えたり消えたりする、この星のことをとても不思議に思って名付けたことだと思います。今では、この星が星の一生の終わりに近い段階にあり、膨張と収縮を繰り返す不安定な状態にあるため明るさが変わることがわかっています。膨張すると星の温度が下がって暗くなり、収縮すると温度が上がって明るくなります。

文中の図表は国立天文台天文情報センターの資料を自由利用の範囲に該当するため転載させていただいています。
(文章作成 担当: fuji ) 

10月21日に撮影したミラ 2.5等級程度に増光

IMG_9576x16

ミラは写真中央やや右側の赤い星(10/21日未明 札幌市街地にて撮影 135mm望遠レンズ使用)
9月初めには肉眼では全く見ることができませんでしたが10/21日現在、市街地でも肉眼で確認出るほど明るくなっています。
現在2.5等級程度の明るさになっているようです。2011年以来の明るい極大になる可能性があり、とても楽しみです。

撮影者:fuji 

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