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【満員御礼】10月夜間天体観望会

[イベント] スケジュール:2019/10/05
更新日:2019/09/15

【日時】2019年10月5日(土)19時00分~21時00分 (受付18時30分~)
【内容】19時からオリエンテーション後、19時30分ころから天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、中型望遠鏡10台程度、大型双眼鏡数台、小型双眼鏡40台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円、就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料
【参加申込】予約受付終了致しました(10月2日22時38分)

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション
・本日の天体望遠鏡の味わい方
・天体望遠鏡の見方・使い方説明
・双眼鏡の使い方説明
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明
・双眼鏡・天体望遠鏡の操作練習

【雨天・曇天時の内容】
・天体望遠鏡の操作体験
・天体模型を使った観望疑似体験
・シュミレーションソフトを使った今夜の天体紹介
・会員の話など
当日の状況に合わせて開催しています。
当日の予約キャンセルは連絡不要です。

10月5日の星空

高く澄みきった空に、心も晴れ晴れとするこの頃、当日は晴れていれば、夏と秋の星座と美しい星雲星団などが思う存分満喫できます。夜7:00から天体望遠鏡博物館にて受付を開始しますので、ご家族、お友達お誘いあわせの上、お越しください。スタッフ一同、楽しみにお待ちしています。初心者の方大歓迎です。博物館スタッフが親切丁寧に星の楽しみ方をご案内いたします。ベテランの皆様も、もちろん大歓迎です。きっと、天体望遠鏡博物館の美しい星空のもと、昔懐かしい天体望遠鏡や高性能の大望遠鏡で見る天体にきっとご満足いただけると思います。

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さて、当日の星空を簡単にご案内しましょう。
まず、望遠鏡博物館に出発する前、ご自宅や職場の駐車場などから空を見上げてみてください。このころになると、日没の時間も日に日に早くなりますので、午後6:00時を過ぎると一番星を見つけることができるかもしれません。出発前のひと時、一番星探しを行い、誰が最初に探すかと競い合うのも楽しいし、ひとり見つけて優越感に浸るのも良いものです。一番星探しをしてから車に乗り込めば、道中、車内は星バナ(星話し)でもちきり、博物館で見る美しい星空への期待に胸がふくらむこと間違いありません。一番星とは、天文学的には決まりはありません。皆さんが、それぞれ最初に探した星がその日の一番星になるのが素敵です。
これをご覧のあなただけに、耳寄りな情報をお知らせします。美しい色付きの夕焼け、夕日の沈む方角に右手を向けると、正面はほぼ南の空になります。南の空、視線をわずかに上に向けると、夕焼けの色付きと青空の間あたりに、今にも溶け出しそうな淡い半月を見つけることができるはずです。半月を見つけたら、右手のこぶしをグー・チョキ・パーのグーに握り、ボクシングさながら月に向かって優しくパンチ。腕をいっぱいに伸ばすと、そのグー2個分右側にポツンと光ると星を見つけることができます。もう一回試してみます。今度は月の左側をパンチ。グー1個分先に、やや薄い星が見つかりませんか。右側の明るいほうが木星、左側の少し薄く見えるほうが土星です。
もし、その方向に建物や雲があっても、あきらめないでください。首を痛めないように、ゆっくり頭の真上を見上げてみると、ポツンと明るい星がみつかります。これは、こと座のベガで七夕の織姫星で、すでに輝き始めているはずです。そこで、すかさず「あっ、月、木星、見つけた。土星も、ベガも」と叫べば、ご家族、お友達の間で尊敬のまなざしを集めること間違いありません。
しかし、一番星探しに熱中し過ぎて、観察会オリエンテーションに遅れないでくださいね。オリエンテーションは夜7:00時からです。

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オリエンテーションが終わったら、さっそく空を見上げてみてください。あたりはすっかり暗くなっています。暗い空に目が慣れるにしたがい、夜空の星の数がどんどん増えていくのがわかります。博物館建物の正面、グランドの山の向こうには、一番星を探した時の月と木星、土星が明るく輝いています。木星の右下、山の稜線ぎりぎりに、赤い色の星が見えれば、それは、さそり座の一等星アンタレス。ほかの星との色の違いに注目してください。視線を高く頭上に移してみましょう。首を傷めないようゆっくり見上げてもよいですが、なれた星好きは、レジャーシートやキャンプ用の椅子を用意して座ったり、寝そべったりして観察しますが、車の往来などあるところでは、絶対に行わないようおねがいします。そのようにして、真上を見上げると、大きな三角形、大きなショートケーキの形が見つかります。夏の夜空の目印、夏の大三角です。小学校でも学習しますので、お子さんやお孫さんに尋ねてみるのもよいかもしれません。きっと、一生懸命ありったけの知識で教えてくれるその姿を誇らしくさえ思うに違いありません。もちろん、スタッフも詳しくご案内いたしますのでご心配なく。この時、明るい月や街灯の光を視野に入れないように2-3分この夏の大三角付近を観察してみてください。目が暗さに慣れるにしたがい、この三角形の中に帯状の淡い雲のようなものが浮き出してきます。これが天の川です。これは、後ほど望遠鏡を使って詳しく観察してみましょう。

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天の川が確認出来たら、更に視線を左側、東側の空にむけてみましょう。東の空には秋の星座が、すでに勢ぞろいしています。秋の星座の星は暗いので見えにくいとも言われますが、博物館のある多和地区では、夜空が暗く美しいので、たくさんの星を見ることができます。もしかすると、たくさん星が見えすぎて、星座の星をつないでいくのが大変かもしれません。そんな時は、秋の星の目印、大きな四角形を探します。夏の星の目印が「夏の大三角」と呼ばれるように、この四角形を「秋の四辺形」と呼んでいます。
秋の四辺形を使って星や星座を探してみましょう。
四角形の右上の辺を右下の方向に伸ばしていくと、みなみのうお座の一等星を見つけることができます。その途中にはお誕生日の星座でおなじみの、みずがめ座があります。
左上の辺を延ばすと、アンドロメダ座が直結しており、この星座の中には有名なアンドロメダ大銀河があります。昔はアンドロメダ大星雲と呼ばれたこともありましたが、最近ではアンドロメダ大銀河と呼ぶことが一般的になっています。アンドロメダ大銀河は、秋の四辺形の左上の辺を同じ長さを延ばしあたりにあるアンドロメダ座β(ベータ)星ミラクから上に向かって小さな星を2つつないだあたりにありますが、目の良い人なら、博物館の美しい星空では、さほど苦も無く、もやっとした姿を見つけることができるかもしれません。視力に自信のない人も心配ありません。双眼鏡や望遠鏡を使えば大迫力のその姿を簡単に見ることができます。なお、アンドロメダ大銀河は人間が肉眼で見ることのできる最も遠い天体だと言われています。その距離は、なんと約250万光年。250万年前にアンドロメダ大銀河を出発したその銀河の星々の光が、今宵皆さんの目の中に映っていることになります。その途方もない距離と時間は、にわかに信じがたいものがあります。もし、アンドロメダ大銀河に高度な知的生命がいて、超超高性能の望遠鏡で地球の地表を観察できるとしたら、今晩、彼らは250万年前の地球の表面を観察していることになります。250万年前の地球は、人の祖先であるアウストラロピテクス(猿人)が石器を使い始めたころで、それを使って動物を追っている姿を観察していることになるのでしょうか。
博物館の美しい星空は、まだまだ肉眼での観察も飽きることはありませんが、双眼鏡や望遠鏡での観察もはじめてみましょう。

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まず、双眼鏡での観察は、アンドロメダ大銀河は外せません。アンドロメダ大銀河は都会の明るい空では双眼鏡を使っても、ボヤっとした小さなシミのように見える天体で、あまり人気はありません。しかし、美しい星空ではその大きさと迫力は格別で素晴らしいものです。暗い空では月の見かけの大きさの3倍にも見えることから、低倍率の双眼鏡でもレンズの中の視野いっぱいに広がる雲のような大銀河の星々を見ることができます。はじめてこの姿を見るならば、きっとその迫力に思わず歓声を上げるか、言葉を失うかのどちらかになるでしょう。もちろん、気軽に双眼鏡を持ちながら観察するのもよいですが、三脚に固定してじっくり観察すると、さらに淡い雲の濃淡や小さな星も見ることができます。条件が良ければ、アンドロメダ大銀河に寄り添うように伴銀河(ばんぎんが)と呼ばれる小さな淡い天体を見つけることができるかもしれません。
アンドロメダ大銀河を十分に観察したら、あわせて見てみたいのが、さんかく座銀河です。ただ、アンドロメダ大銀河に比べて淡いため、双眼鏡を使っても見つけることが少し難しいかもしれません。この銀河をいつでも見つけることができるようになれば、きっと星好きベテランさんに一歩近づくことになるでしょう。見つけ方は、アンドロメダ座β(ベータ)星ミラクをはさんでアンドロメダ大銀河と対称の位置にあるので、覚えてしまえば結構簡単に見つかります。アンドロメダ座β(ベータ)星ミラクは明るい星なのですぐわかります。アンドロメダ大銀河は銀河を横から見た姿であるのに対し、この、さんかく座銀河は銀河を真上から見た姿になります。天体写真などは、二本の腕を持ち、渦を巻いた美しい姿は、よく紹介されていますが、双眼鏡や望遠鏡での実際の観察では写真ほど鮮明にその姿を見ることはできません。しかし、じっくり観察していると、淡いながらも、腕の形や渦巻きが見えてくるのが、観察者の腕の見せ所、ならぬ、天体観察の眼の見せ所になります。

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更に双眼鏡での観察を続けましょう。次は、皆さんよくご存じのW文字型のカシオペヤ座を探してください。この時期、直立したW文字の下方やや右、握りこぶし1.5個ほどの場所に淡くもやっとした天体が見つかるはずです。双眼鏡でのぞいてみると大変美しい2つの美しい星の固まりを見つけることができます。この集まりを二重星団と呼んでおり、双眼鏡観察では最も美しい観察対象の一つとして人気があります。星好きの間では、エイチ・カイなどと呼ぶこともありますが、同じものです。今日は、ちょっと背伸びをしてエイチ・カイと呼んでみるのもよいかもしれません。
その他、コートハンガー星団やET星団など、まだまだ、双眼鏡での観察の楽しみは続きますが、紙面の都合であとは観察会でお話しすることにしましょう。観察会の後半には、すぱる、やヒアデス星団などの見どころもありますのでお忘れなく。

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さあ、お待ちかねの望遠鏡観察をはじめましょう。博物館備え付けの大望遠鏡での観察も待ちきれませんが、小型の望遠鏡を自分で操作して好きな天体を観察するのも楽しいものです。すでに、オリエンテーションで望遠鏡の使い方はご案内していますが、不安があればいつでもスタップに声をかけてください。望遠鏡を使用して星などをレンズの中に合わせることを「導入する」と言います。自分で望遠鏡を操作して、導入した月や木星、土星などを観察することは、本当に楽しいものです。ぜひ、初めての方もご自分で望遠鏡を操作をして、月や惑星などの導入に挑戦してみてください。ご自分で導入した、迫力ある月のクレーターや美しい環を伴う土星の姿はきっと忘れることのできない思い出になるはずです。
小型望遠鏡での観察もひと段落したら、博物館備え付けの大望遠鏡で観察しましょう。小型望遠鏡との月のクレーターや土星の環などの見え方の違いを比べてみると良いかもしれません。また、大望遠鏡は詳しいスタップが操作しますので、小型望遠鏡では見つけにくい天体を導入することが可能です。お気に入りの天体や日ごろ気になるそれらをリクエストしてみるのもよいかもしれません。ただ、会場の混雑状況によっては必ずしも導入できない場合もあります。
大望遠鏡ではより大きく拡大することができますので、月の地形を詳しく観察することができます。月面のクレーターの真ん中に小さな山を見つけたり、谷間や変わった形の地形を見つけたりすることができるはずです。また、欠けぎわの立体感はより鮮明に見ることができます。月の欠けぎわは、もし、宇宙旅行に出発して、月面に立つことができれば、そこは、月の夜明けごろ(満月以降は夕方ごろ)になります。早朝、道にできる影が長くなるように、月面の欠けぎわの地形にも長い影ができることで、その立体感が鮮明になっています。
土星は小型望遠鏡でも小さいながらも鮮明な環を観察することができました。大望遠鏡での見え方を比べてみましょう。条件が良ければ、環の間に隙間を発見したり、土星本体に縞模様を見つけたりすることもあります。
今年は観察しておきたいものの一つに土星があります。地球から見る土星の環の傾きは、15年周期で変化しています。2年ほど前に最大の傾きになり、今後、年々その傾きが少なくなっていきます。6年後の2025年には環の無い姿になるというのですから驚きです。環の無い土星を初めて見ても楽しくないはずです。次第に薄くなっていく土星の環の変化を毎年、観察するのが良いでしょう。環の傾きが大きい、今年の姿を見ておきましょう。
さらに、惑星観察を続けましましょう。海王星を見てみたいとリクエストしてみてください。太陽系はるかかなたの星ですが、地球と同じ惑星です。非常に遠い天体のため、土星や木星のような模様や環っかを見ることはできません。他の恒星とはちょっと違った雰囲気で青緑色に見えているのが海王星です。木星、土星、海王星の距離はそれぞれおおよそ地球と太陽の距離の5倍、10倍、30倍であることを知ると、地球と同じ仲間の惑星、遠方の同胞をいとおしいと思えるかもしれません。
天王星も観察したいところですが、今日の観察会の時間内ではまだ、昇ったばかりで高度が低く、見えにくいかもしれません。もしかすると次回の観察会までお待ちいただくことになるかもしれません。
まだまだ、ご案内は続けたいところですが、読むのが大変、いい加減にしろ、とお叱りを受けそうなので、あとは、当日の観察会まで我慢します。当日は思う存分お話しをさせていただきますので、お付き合いください。覚悟しておいてください。
以下、当日ご案内したいお勧めの天体名だけお知らせしておきます。
ヘラクレス座の球状星団 M13
こと座のリング状星雲 M57
こぎつね座の亜鈴(あれい)状星雲   M27
いて座の干潟星雲 M8
いて座の三裂星雲 M20
いて座のオメガ星雲 M17
いて座の球状星団M22(今回の観察会では月あかりのためいて座周辺の観察条件は不良)
ちょうこくしつ座のちょうこくしつ銀河NGC253
ペルセウス座の二重星団NGC869,NGC884
はくちょう座の3等星アルビレオ
アンドロメダ座の2等星アルマク
いるか座の4等星ガンマー星
ケフェウス座の4等星ガーネット・スター
そのほか、望遠鏡観察ならではの天体がたくさんあります。観察会場では詳しいスタッフがお勧めの天体を次から次へとご案内しますので、思う存分お楽しみください。

博物館は市街地から離れており、周囲が山で囲まれていることから、美しい星空を観察することができます。とても暗い場所なので、懐中電灯などを持参されることをおすすめします。ただ、観察中の使用は可能な限り避けましょう。人間の目は性能が良く、暗い場所に目が慣れると、とても淡い光や暗い星まで見ることができます。ところが、せっかく慣れても、懐中電灯やスマホの明るい光を見てしまうと、せっかく暗さに慣れた目が一瞬にして元に戻ってしまいます。再び暗さに慣れるまでに10分以上かかる場合もあります。
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文中の図表はプラネタリム表示用フリーソフトStellarium 0.19.0を使用しました。
観察イメージの写真の一部を天体望遠鏡博物館賛助会員の三上 耕司氏からご提供をいただきました。写真は実際の観察イメージに近づけるため画像処理されています。
「10月5日の星空」は天体望遠鏡博物館ボランティアの藤森が担当しました。

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