2019年4月14日夜間天体観望会

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【日時】2019年4月14日(日)19時00分~20時30分 (受付18時45分~)
【内容】19時00分からオリエンテーション後、19時30分前後から天候に合わせて天体観望を行います
【予定機材】:大型望遠鏡数台、中型望遠鏡10台程度、大型双眼鏡数台、小型双眼鏡40台程度
【参加費】大人500円、大学高校生400円、中学小学生300円、就学前児童無料、障がい者手帳お持ちの方無料 ※4月1日より入館料改定

【参加申込】本イベントは終了しています

【オリエンテーションの内容】
・今夜の星空のシュミレーション(教室内)
・本日の天体望遠鏡の味わい方(教室内)
・天体望遠鏡の見方・使い方説明(教室内)
・双眼鏡の使い方説明(教室内)
・夜間天体観望会での事故防止注意事項説明(教室内)
・双眼鏡・天体望遠鏡の操作練習(校庭)

【雨天・曇天時の内容】
・天体望遠鏡の操作体験
・天体模型を使った観望疑似体験
・シュミレーションソフトを使った今夜の天体紹介
・会員の話など
当日の状況に合わせて開催しています。
当日の予約キャンセルは連絡不要です。

【当日の星空】

この日の日没は午後6時半頃。太陽が沈んでもしばらくは空に明るさが残ります。このボンヤリとしたうす明るい状況を薄明(はくめい)といいます。薄明には,市民薄明(常用薄明),航海薄明,天文薄明と3つの区分があります。市民薄明は日が沈んでからすぐの頃。まだまだ空は明るく星は見えていません。それからもう少し暗さが増してきて,空はまだ青みが残っている中に一等星が見え始める頃,それが航海薄明。そして日没後1時間前後が経過して空が暗くなった頃が天文薄明。西空の一部にはほのかに明るさも残っていますが,空の暗い場所では6等星も見えてきます。天体観望会の本格スタートは,この天文薄明の頃からと言えるのではと考えます。

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上の図は,天文薄明が終わる午後8時頃の南方面の星空です。西空には,まだ冬の星座たちが見えていますが,南から東方面には,しし座,おとめ座といった春を代表する星座が幅をきかせてきています。
 一方,北から東の方向に目をやると,おおぐま座やうしかい座などの星座も高度を上げてきています。(下図参照)

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しかし、13日の夜は,上弦の月が南の空高くにあります。月齢8.8の半月すぎの月なのでかなりの明るさがあります。そのために星も明るい恒星しか見えづらいかもしれません。目をこらして春の星座も何個かは探し出してみてください。

 月明かりの影響が大きいと,星雲星団などの比較的暗めの天体が見えにくくなります。ということで,この夜の主役は月面になりそうです。
 望遠鏡を向けてみたい天体,今夜はずばり月です。

 この夜の月は上弦を1日すぎた月齢8.8の月。新月から満月に至る間の半月,夕方に見える半月を上弦の月といいます。どうして上(弦)なのかということについてはいくつかの説があるようですが,月が沈むときに弦にあたる部分が上を向くという説明が主流でしょうか。
 月を見るときには,真正面から光が当たるよりも横から当たっている部分を見る方が,凹凸の具合が良くわかって迫力の見え方になります。そんな理由から,満月よりも半月の方が月面を見るにはベターだといえます。この夜は月面探訪に適しているのです。

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 ↑ 口径5cmの小さな屈折望遠鏡で撮影した月

月の大きさは地球の約4分の1。地球からの距離は約38万㎞。ジェット機で行くと3週間ほどかかる距離にあります。月面には大気がないため,風は吹かず雲もなければ雨も降りません。昼と夜とが15日ずつ続き,昼は地面の温度が直射日光を受けて100℃以上になり,夜は-100℃以下に下がるというとんでもない世界です。
 この月の起源はというと,放浪していた月が地球に捕獲されたとする他人説,地球と月がほぼ同時に誕生したとする兄弟説など様々な説がありますが,最近では,火星サイズの惑星と地球との衝突によって地球から飛び出したとする,ジャイアントインパクト説なるものが注目されています。
 月といえばクレーター。上の写真にもたくさんのクレーターが写っていますが,このクレーターの成因についてはほとんどが隕石の衝突によるもので,一部,火山でできたものも見つかっているようです。

 満月のときは,うさぎのもちつきのイメージもつかみやすいですが,半月だとどうでしょう。この夜の月では,うさぎの頭と胸(おなか)あたりまではわかるでしょうか。
 そして,月全体を眺めるのも楽しいのですが,天体望遠鏡で倍率を上げてもらって,迫力のある月面アップもぜひご覧ください。
 ※天体望遠鏡の倍率はどうやって上げるのか,確かめてみるのもおもしろいかもしれませんよ。

 私たちにとって一番身近な天体である月,今夜はじっくりと眺めてみて下さい。

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春の星空は,『宇宙ののぞき窓』といわれるほど,遠くの宇宙が数多く見えたりするのですが,月明かりがあると暗くて小さな天体は非常に見えにくくなります。それで,半月の夜における月以外の見物といえば,月明かりに負けないで見える二重星ということになりそうです。
 二重星というのは,2つ以上の恒星が接近して見える星をいいます。肉眼ではひとつの星にしか見えない星も,天体望遠鏡を使って観察すると2つの星に分かれて見えたりします。実際にお互いの星が引力で引き合って周り合っている二重星を『連星(れんせい)』,ただ単に同じ方向に接近して見えているものを『(見かけの)重星』と分けて記されます。
 二重星によっては,色の組み合わせがとてもきれいなものがあり,”単に2つの接近した星”ということ以上の楽しみ方もあります。

 それでは接近の具合に寄って,見やすいものから3つほど紹介しましょう。

 1つ目は,北斗七星の柄の方から2番目となるミザールという星です。肉眼でも2つに分かれて見えるといわれている二重星。アラビアの方では昔,兵隊の視力検査に利用されていたそうです。果たして2つの星に見えるでしょうか。このミザールは,重星なのか連星なのかはまだ明確にはわかっていません。
 明るい星がミザールで暗い方の星はアルコルといいます。このミザールを望遠鏡でアップして見ると,こちらもさらに二重星になっているのがわかります。この2星はお互いが2万年周期で回り合っている連星です。

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2番目に紹介するのは,りょうけん座のコル・カロリという星。小さな望遠鏡でも見やすい二重星です。明るい星の方は黄色みのかかった白。暗い方の星(伴星)は青紫っぽい色。どちらも微妙な色合いです。また,人によって違う色に見えるという話もあります。さて何色に見えるか,お隣の人と確かめ合ってみてください。

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3番目に紹介するのは,しし座のアルギエバ。600年ほどの周期で回り合っている連星です。両方とも黄色っぽい色。金色と黄色だという人もいます。けっこう近寄っている二重星です。さて2つに分かれて見えるでしょうか。
 口径の大きな望遠鏡ほど,細かい部分まで見分けられます。二重星の見え方がどう違うのか,大小いくつかの望遠鏡を見て比較してみてください。

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※HP中の星図,星座絵については,アストロアーツ社製StellaNavigator10で作成しています。

天体望遠鏡博物館

開館日

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