収蔵望遠鏡

２０１４年１１月９日、横浜市の部谷岡様（ひやおか様）から、寄贈された高橋製作所　ＦＣ－７６ＥＳ仕様の屈折赤道儀です。

ＦＣ－７６鏡筒部

８㎝クラスの高性能機ながらフード付き全長が７００㎜と短く軽量で旅行用スーツケースに納まる大きさです。日食などの海外観測に重宝されています。またカタログには広い写野とシャープな像という本機の能力を最大限に引き出すためにレディーサーとブローニー判フィルムを使用するマミヤＭ６４５との組み合わせによる撮影方法が紹介されています。

口径：７６㎜　フローライトアポクロマート（２枚構成）
焦点距離：６００㎜　口径比：Ｆ７．９
鏡筒径：９５㎜　全長：７００㎜　重量：２．８㎏
ファインダー：３０㎜　６倍　実視界８°

対物は、見た目にも美しい状態で、検査にかけますと、２枚玉の芯軸ズレ・スケアリング狂い・圧迫なども見受けられず、オートコリメーター＋ロンキーでのきれいな干渉縞が目視できました。（ヨシカワ光器研究所さんで検査していただきました）

ＥＭ１Ｓ赤道儀部

１９８９年にベストセラー赤道儀ＥＭ－１の後継機種として販売開始されました。角に丸みを持たせたデザインが特徴です。前モデルからの改良箇所は方位微動ネジ、傾斜角微動ネジを大型ノブ付きネジ、傾斜角クランプをキャップボルトからクランプレバーに変更したため極軸調整が工具レスで行えるようになっています。

形式：モーター内蔵ドイツ式システム赤道儀
赤経微動：ウォームホイール全周微動（減速比１４４：１）モータードライブ内蔵
赤緯微動：タンジェントスクリュー式部分微動、可動範囲２０°
方位微動：ダブルスクリュー式、可動範囲２０°
傾斜角微動：スクリュー式、可動範囲　高度２０°～５０°
目盛環：赤経－最小目盛１０分　赤緯－最小目盛２°
同架重量：約６㎏
本体重量：約１０㎏（３．５㎏バランスウエイト含む）
三脚：木製伸縮脚（ラワン材）
モータードライブ：水晶発振制御パルスモータードライブ装置
恒星時駆動精度：０．００５%
ガイド補正駆動速度：停止、２倍速の二段階
電源電圧：ＤＣ６Ｖ（単一乾電池４本）
付属品：接眼レンズ　Ｏｒ７㎜　Ｏｒ１８㎜

＊本機は別売だった極軸望遠鏡（２０１５年までの歳差補正対応、南半球使用可）、Ｐライト、リングレベル、接眼レンズHi－Or４㎜も付加されています。カメラアダプターはビクセン製です。

まだ整備を行う前でしたが、２０１４年１２月３０日　科学の祭典徳島大会にて天体望遠鏡体験に活用致しました。

天体望遠鏡を覗くのが初めての子供が多く、主鏡を覗いたときに見えているものが、どこにあるものかがわからず、ファインダーでみて遠くの小さなものが大きく見えていることに気づいて、びっくりするようです。